女神様、これからの人生に期待しています

縁 遊

文字の大きさ
30 / 80

30. アザじゃなかった

しおりを挟む

今日も日課の女神様の祠に来ています。

女神様また確認で申し訳ありませんが、確認させて下さい。

結局、私は村人で終わるのでしょうか?

最近わかったことですが、父も母も貴族出身者だったのです。普通ならその子供は貴族のはずですよね?

なのに何故、村人なのでしょうか?

元貴族の両親から生まれた、ちょっと変わった村人になっただけですよね?

私の異世界転生した意味はいったいどこにあるのかがサッパリわかりません。

今後に期待しても良いのでしょうか?

いい加減、教えてもらえませんか?

 カツ…。

足音?

「誰?」

振り返ると、マウル王子が立っていた。

「どうして、またここに…?」

「この近くで光石を発見しただろ?その視察をした帰りだ」

「そうですか…」

何だろう?右腕がズキズキと痛みだした。

マウル王子様も右腕を擦っている。

「お前も右腕が痛むのか?」

何でわかるの?

「え?マウル王子様もですか?」

マウル王子様が頷いた。

どうして、2人共が同じ右腕が痛いのだろうか?

さっきまでは全然痛くなかったのに…。

「お前はやはり気がついてないのだな…。印に…」

「印ですか…?」

何の事だろう?印?アザならいっぱいありますけど。

すると、マウル王子様がシャツのボタンをはずし始めた。

「王子様何をされているのですか?服を着て下さい!」

乙女の前で急に服を脱ぎ始めるなんて信じられない、何をしてるのこの王子!

「見せたいものがあるから黙っていてくれ。別にお前を襲いはしない」

そう言ってシャツのボタンを全てはずし、右腕を引き抜いた。

「アッ!」

王子様の右腕に見覚えのあるアザがあった。

「お前にもこれと同じ "印" が右腕の同じ所にあるんじゃないか?」

あります…ありますけど…あれってアザじゃないんですか?

「これが何か、わからないのか?」

え~と…。

何か意味があるんですか?

「似たようなアザはありますけど、病気なのでしょうか?先程から少し痛みがありますし…」

「病気ではない…。聞いたことがないのか"運命の花"を…」

ん?

「えーーーーーーー!!!!!!!」

私は急いで自分の口を塞いだ。

驚き過ぎてあまりにも大きな声を出してしまったからだ。

聞いたことあります。

もちろん知ってますよ。
だって憧れていましたから。

…これがそうなんですか?

え?でも、待って…。

「マウル王子様が私の"運命の花"なのですか?」

「ああ。そうだと思う。その証拠に今、右腕が痛いんだろう?」

「痛いのが関係あるんですか?」

「これはあまり知られていないかもしれないが、お互いが気づくことができるように近づくと印が痛むらしい」

知らなかった…。

「この痛みは治らないのですね…」

「いや、痛みを止める方法はあるが…」

「あるんなら教えてくださいませんか?!」

「………。触れあえば治るらしい…」

マウル王子様の顔がすごい真っ赤なんですけど…。

「手を繋ぐとかで良いんですか?では、失礼して…」

マウル王子様の手を触ろうとしたが…

「そうではない!…場所が違う」

場所が違う?

「どこが触れあえば良いのですか?」

痛みが取れるならどこでも触りますよ。
罪にならなければね。

マウル王子様が指を口に当てた。

「ここだ…。」

あ~。口か~。……。

私の顔も真っ赤になった。

つまり、キスをすれば痛みが取れるということですか…。

「だから、言いづらかったのだ」

わかります。そうですよね。

痛みをとる為にキスしようなんて言えませんよね…。

なかなか、やりますね女神様…。

痛みをとる為にはキスをしなくてはいけないなんて…。

でも、どうする私………。
しおりを挟む
感想 17

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。

MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。

敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています

藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。 結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。 聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。 侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。 ※全11話 2万字程度の話です。

極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です

朝陽七彩
恋愛
 私は。 「夕鶴、こっちにおいで」  現役の高校生だけど。 「ずっと夕鶴とこうしていたい」  担任の先生と。 「夕鶴を誰にも渡したくない」  付き合っています。  ♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡  神城夕鶴(かみしろ ゆづる)  軽音楽部の絶対的エース  飛鷹隼理(ひだか しゅんり)  アイドル的存在の超イケメン先生  ♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡  彼の名前は飛鷹隼理くん。  隼理くんは。 「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」  そう言って……。 「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」  そして隼理くんは……。  ……‼  しゅっ……隼理くん……っ。  そんなことをされたら……。  隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。  ……だけど……。  え……。  誰……?  誰なの……?  その人はいったい誰なの、隼理くん。  ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。  その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。  でも。  でも訊けない。  隼理くんに直接訊くことなんて。  私にはできない。  私は。  私は、これから先、一体どうすればいいの……?

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

子供にしかモテない私が異世界転移したら、子連れイケメンに囲まれて逆ハーレム始まりました

もちもちのごはん
恋愛
地味で恋愛経験ゼロの29歳OL・春野こはるは、なぜか子供にだけ異常に懐かれる特異体質。ある日突然異世界に転移した彼女は、育児に手を焼くイケメンシングルファザーたちと出会う。泣き虫姫や暴れん坊、野生児たちに「おねえしゃん大好き!!」とモテモテなこはるに、彼らのパパたちも次第に惹かれはじめて……!? 逆ハーレム? ざまぁ? そんなの知らない!私はただ、子供たちと平和に暮らしたいだけなのに――!

転生したら乙女ゲームの主人公の友達になったんですが、なぜか私がモテてるんですが?

山下小枝子
恋愛
田舎に住むごく普通のアラサー社畜の私は車で帰宅中に、 飛び出してきた猫かたぬきを避けようとしてトラックにぶつかりお陀仏したらしく、 気付くと、最近ハマっていた乙女ゲームの世界の『主人公の友達』に転生していたんだけど、 まぁ、友達でも二次元女子高生になれたし、 推しキャラやイケメンキャラやイケオジも見れるし!楽しく過ごそう!と、 思ってたらなぜか主人公を押し退け、 攻略対象キャラからモテまくる事態に・・・・ ちょ、え、これどうしたらいいの!!!嬉しいけど!!!

英雄の可愛い幼馴染は、彼の真っ黒な本性を知らない

百門一新
恋愛
男の子の恰好で走り回る元気な平民の少女、ティーゼには、見目麗しい完璧な幼馴染がいる。彼は幼少の頃、ティーゼが女の子だと知らず、怪我をしてしまった事で責任を感じている優しすぎる少し年上の幼馴染だ――と、ティーゼ自身はずっと思っていた。 幼馴染が半魔族の王を倒して、英雄として戻って来た。彼が旅に出て戻って来た目的も知らぬまま、ティーゼは心配症な幼馴染離れをしようと考えていたのだが、……ついでとばかりに引き受けた仕事の先で、彼女は、恋に悩む優しい魔王と、ちっとも優しくないその宰相に巻き込まれました。 ※「小説家になろう」「ベリーズカフェ」「ノベマ!」「カクヨム」にも掲載しています。

処理中です...