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31. ありえない

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女神様、確かに普通の村人で終るのかと文句を言いましたが、突然こんな展開があるなんて…。

やっぱり、この世界は恋愛小説とか、ゲームとかの世界なんですか?

それも、

平凡な村人が主人公の恋愛ゲーム!

シンデレラのように成り上がってみせます!

…みたいな?

予想外すぎて、頭が追い付きません…。

あっ…王子様が脱いでいた服を着はじめました。

そりゃ、上半身裸でいる所を誰かに見られたら変な誤解されちゃいますよね。

「大丈夫か?かなり考えているみたいだが…」

考えない人がいますか?この状況…。

あれ?そうだ!

「近づくと痛いということは、離れれば痛みは治まるということですね」

キスしなくても痛みを回避できますね。

「そうだな。応急措置だがな。その時は痛みがなくなるな」

「では、私はもう用事は済んだので帰ります。王子様はごゆっくりして下さい」

痛みから解放されたいのと、色々と考えたいのとがあり私は足早に祠を出ようとした。

「待て!」

マウル王子様が私を呼び止めた。

「お前は、俺が"運命の花"の相手だと聞いてどう思ったのだ?」

今、それを聞きますか?

「…正直に申します。王子様がお相手なんて信じられません。私は普通の村人ですから…」

女神様にイケメンと恋愛したい!とお願いはしましたが、まさか、王子様のオプション付きなんて…やり過ぎです女神様…。

「この印に身分は関係ない…。お前は俺が嫌いか?」

イケメンの困ったような優しい笑顔…嫌いなんて言える人がいるのかな?

「嫌いではないです。だって、王子様の事を何も知りませんから…」

「そうか」

王子様スマイルだ~。普段笑わないタイプのイケメンの笑顔は貴重だよ。魔写る君を持ってきとくべきだった…。

「では、お互いの事をよく知る為に話をしないか?」

「王子様とですか?」

「ああ。俺と話をするのは嫌か?」

何か、また困ったようなその笑顔…。

だから、さっきからその懐いた犬みたいな雰囲気を出すのは止めて下さい。
気のせいか下がった尻尾が見えるようです。
こっちが、いじめているみたいです。
最初にお会いした時は俺様みたいに見えましたけど、気のせいですか?

「嫌ではないです。」

「では、毎月1回この祠で会って話をしよう。それで俺の事を知ってもらえれば嬉しい」

村人相手に大丈夫ですか?

「ただし、周りの人達には秘密にしてくれないか?色々と厄介な事もあるからな…」

それは、私もわかります。

王子様と村人がひっそりと会っているなんて皆が知ったら、とんでもない噂が広がりますよね。

「わかりました。私は毎日この祠に来ていますのでいつでも結構ですよ」

何だか、大変な事になっちゃったな~。


女神様もうこれ以上は変なドキドキはいりません。
準備も、しなくて良いですからね。
平凡上等です。


私はこの異世界で長生きだけを目指します。





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