36 / 80
36. 悪い予感 〈エルル視点〉
しおりを挟むおかしい…。
何だか嫌な感じがするんだよね。
母と妹がやたらと会って、話をしているんだよ。
いつもは僕達にあまり感心がなくて、お茶会かショッピングに忙しくて姿も見ることができない母のに…。
一体、妹と何をしているんだろう?
トラブルメーカーの2人が一緒にいるだけで僕は緊張するんだよね。
「エルル様!大変です」
妹付の侍女が慌ててやってきた。
「どうしたの?」
また、トラブルメーカーが何かしたのかな?
「キャルル様が…痛みを訴えられて…倒れられました」
いったい何があった?
僕は妹の寝室まで走りながら侍女に聞いた。
「痛みって、何処が痛いって言っていたのかな?」
「…右手です」
「はぁ?」
何処かにぶつけたとか?
打ち身?切り傷?
そんなことで倒れるの?
まぁ、あの妹ならありうるか…。
妹の寝室に到着した。
まだ、意識はないらしく医者が来て診察をしていた。
「妹は何かの病気?」
「いえ、診察しましたがどこにも原因が見つからないのです…」
「病気ではないってこと?」
「まだ、わかりませんが先程から少しずつ、右手の甲に赤い花模様のような形が浮かび上がってきているのです」
「花模様?」
それって…。
その時、妹が目を覚ました。
「キャルル、気がつ…」
僕が声をかけようとする間もなく、妹は飛び起きて自分の右手の甲を見た。
「キャー!!やりましたわ!これで、マウル様とすぐに結婚できますわ。お母様に感謝ですわー!!」
さっきまで、痛みで気を失っていた人とは思えないね。
演技だったのかな?
でも今、気になる事を言っていたよね。
マウルとすぐに結婚できる?
お母様に感謝?
何故、右手の甲を見て、結婚できると思った?
それは、ただのアザではないということを知っているということだよね。
アザに見える花模様…。
"運命の花"しかないな…。
だけど、なんで"運命の花"の印を見てお母様に感謝になるんだろう?
"運命の花"は女神様が決めた運命の相手の印…。
人がどうにかできるものなのか?
しかし、妹のあの言葉…。
そういえば…。
母も"運命の花"が決め手となり父上と結婚できたんだったよな…。
しかも、父上にとっては2人目の"運命の花"だったらしいんだよ。
運命の花が2人いるなんて初めての事だったから、当時の王宮は大変な騒ぎだったと聞いたことがあるな。
その時も何かおかしいなぁと感じたんだけど…。
どう考えても母が怪しいよね…。
絶対にキャルルに悪知恵をつけたよね…。
「もう大丈夫なのかい、キャルル?」
少し探ってみようかな…。
「お兄様!私、マウル様と結婚します」
色々と話がとんでいるね。
「どうして結婚かな?」
「だって、"運命の花"がでました」
嬉しそうだね。
「だからって、なぜ相手がマウルだとわかるの?」
そこからして、おかしいなぁと思うんだよ。
「だって、相手はマウル様ってつた…」
そこまで、言って妹は自分の口を両手でふさいだ。
…つたえた…と続くんじゃないかな?
それは、誰かに相手はマウルにしてくれと伝えた…ということじゃない?秘密にしないといけないのに、うっかりと話しそうになって自分の口をふさいだんだろうね。
キャルルが秘密にするなんて無理だよ。
本当、おバカさんだね。
おバカさんの考えではここまで出来ないよね。
これは、きっと母が関係しているね。
そして、その事を秘密にするように母に言われたんだよね。
色々と黒い噂のある人だけど、本当に危ないことにも手を出しているみたいだね。
さすがに、これはやりすぎだな…。
隣国の学友にまで手を出すのは問題だよ。
しかも、王族に…。
下手すれば国の問題になるということもわからないで、よく王妃なんかが務まるよね。
我が母ながら呆れるよ…。
まぁ、あなたは僕を産んでくれただけの人だけどね…。
それ以上でも以下でもないね。
あなたの事は嫌いだから別にどうなろうと構わないけど、学友を不幸にはできないから徹底的に調べさせて頂きますね…。
……お母様。
0
あなたにおすすめの小説
転生したけど平民でした!もふもふ達と楽しく暮らす予定です。
まゆら
ファンタジー
回収が出来ていないフラグがある中、一応完結しているというツッコミどころ満載な初めて書いたファンタジー小説です。
温かい気持ちでお読み頂けたら幸い至極であります。
異世界に転生したのはいいけど悪役令嬢とかヒロインとかになれなかった私。平民でチートもないらしい‥どうやったら楽しく異世界で暮らせますか?
魔力があるかはわかりませんが何故か神様から守護獣が遣わされたようです。
平民なんですがもしかして私って聖女候補?
脳筋美女と愛猫が繰り広げる行きあたりばったりファンタジー!なのか?
常に何処かで大食いバトルが開催中!
登場人物ほぼ甘党!
ファンタジー要素薄め!?かもしれない?
母ミレディアが実は隣国出身の聖女だとわかったので、私も聖女にならないか?とお誘いがくるとか、こないとか‥
◇◇◇◇
現在、ジュビア王国とアーライ神国のお話を見やすくなるよう改稿しております。
しばらくは、桜庵のお話が中心となりますが影の薄いヒロインを忘れないで下さい!
転生もふもふのスピンオフ!
アーライ神国のお話は、国外に追放された聖女は隣国で…
母ミレディアの娘時代のお話は、婚約破棄され国外追放になった姫は最強冒険者になり転生者の嫁になり溺愛される
こちらもよろしくお願いします。
精霊に愛される(呪いにもにた愛)少女~全属性の加護を貰う~
如月花恋
ファンタジー
今この世界にはたくさんの精霊がいる
その精霊達から生まれた瞬間に加護を貰う
稀に2つ以上の属性の2体の精霊から加護を貰うことがある
まぁ大体は親の属性を受け継ぐのだが…
だが…全属性の加護を貰うなど不可能とされてきた…
そんな時に生まれたシャルロッテ
全属性の加護を持つ少女
いったいこれからどうなるのか…
帰国した王子の受難
ユウキ
恋愛
庶子である第二王子は、立場や情勢やら諸々を鑑みて早々に隣国へと無期限遊学に出た。そうして年月が経ち、そろそろ兄(第一王子)が立太子する頃かと、感慨深く想っていた頃に突然届いた帰還命令。
取り急ぎ舞い戻った祖国で見たのは、修羅場であった。
聖女様と間違って召喚された腐女子ですが、申し訳ないので仕事します!
碧桜
恋愛
私は花園美月。20歳。派遣期間が終わり無職となった日、馴染の古書店で顔面偏差値高スペックなイケメンに出会う。さらに、そこで美少女が穴に吸い込まれそうになっていたのを助けようとして、私は古書店のイケメンと共に穴に落ちてしまい、異世界へ―。実は、聖女様として召喚されようとしてた美少女の代わりに、地味でオタクな私が間違って来てしまった!
落ちたその先の世界で出会ったのは、私の推しキャラと見た目だけそっくりな王(仮)や美貌の側近、そして古書店から一緒に穴に落ちたイケメンの彼は、騎士様だった。3人ともすごい美形なのに、みな癖強すぎ難ありなイケメンばかり。
オタクで人見知りしてしまう私だけど、元の世界へ戻れるまで2週間、タダでお世話になるのは申し訳ないから、お城でメイドさんをすることにした。平和にお給料分の仕事をして、異世界観光して、2週間後自分の家へ帰るつもりだったのに、ドラゴンや悪い魔法使いとか出てきて、異能を使うイケメンの彼らとともに戦うはめに。聖女様の召喚の邪魔をしてしまったので、美少女ではありませんが、地味で腐女子ですが出来る限り、精一杯頑張ります。
ついでに無愛想で苦手と思っていた彼は、なかなかいい奴だったみたい。これは、恋など始まってしまう予感でしょうか!?
*カクヨムにて先に連載しているものを加筆・修正をおこなって掲載しております
おっさん料理人と押しかけ弟子達のまったり田舎ライフ
双葉 鳴
ファンタジー
真面目だけが取り柄の料理人、本宝治洋一。
彼は能力の低さから不当な労働を強いられていた。
そんな彼を救い出してくれたのが友人の藤本要。
洋一は要と一緒に現代ダンジョンで気ままなセカンドライフを始めたのだが……気がつけば森の中。
さっきまで一緒に居た要の行方も知れず、洋一は途方に暮れた……のも束の間。腹が減っては戦はできぬ。
持ち前のサバイバル能力で見敵必殺!
赤い毛皮の大きなクマを非常食に、洋一はいつもの要領で食事の準備を始めたのだった。
そこで見慣れぬ騎士姿の少女を助けたことから洋一は面倒ごとに巻き込まれていく事になる。
人々との出会い。
そして貴族や平民との格差社会。
ファンタジーな世界観に飛び交う魔法。
牙を剥く魔獣を美味しく料理して食べる男とその弟子達の田舎での生活。
うるさい権力者達とは争わず、田舎でのんびりとした時間を過ごしたい!
そんな人のための物語。
5/6_18:00完結!
義妹がやらかして申し訳ありません!
荒瀬ヤヒロ
恋愛
公爵令息エリオットはある日、男爵家の義姉妹の会話を耳にする。
何かを企んでいるらしい義妹。義妹をたしなめる義姉。
何をやらかすつもりか知らないが、泳がせてみて楽しもうと考えるが、男爵家の義妹は誰も予想できなかった行動に出て―――
義妹の脅迫!義姉の土下座!そして冴え渡るタックル!
果たしてエリオットは王太子とその婚約者、そして義妹を諫めようとする男爵令嬢を守ることができるのか?
脅迫して意中の相手と一夜を共にしたところ、逆にとっ捕まった挙げ句に逃げられなくなりました。
石河 翠
恋愛
失恋した女騎士のミリセントは、不眠症に陥っていた。
ある日彼女は、お気に入りの毛布によく似た大型犬を見かけ、偶然隠れ家的酒場を発見する。お目当てのわんこには出会えないものの、話の合う店長との時間は、彼女の心を少しずつ癒していく。
そんなある日、ミリセントは酒場からの帰り道、元カレから復縁を求められる。きっぱりと断るものの、引き下がらない元カレ。大好きな店長さんを巻き込むわけにはいかないと、ミリセントは覚悟を決める。実は店長さんにはとある秘密があって……。
真っ直ぐでちょっと思い込みの激しいヒロインと、わんこ系と見せかけて実は用意周到で腹黒なヒーローの恋物語。
ハッピーエンドです。
この作品は、他サイトにも投稿しております。
表紙絵は、写真ACよりチョコラテさまの作品(写真のID:4274932)をお借りしております。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる