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37. 恋なのかな…?
しおりを挟む最近、マウル様が祠に来ない…。
最初は一週間に1回だけ会っていたけど、つい最近までは一週間に2~3回会うようになっていたのに、ここ2週間は姿を見せない。
何かあったのだろうか?
山奥のこの村まで、王宮の情報が伝わってくるのはかなり遅い…。
体調を崩されたとか…。
ケガをされたとか…。
気になってしかたがない。
出会った頃は自分に縁のない人だと思っていたので、緊張するばかりで会話もあまりできなかった。
だけど、会うたびに緊張がとれていって、今では普通に会話ができる。
マウル様が王族だということを忘れそうになるくらい。
それは、マウル様が私に気をつかって下さっているからだけど…。
王族なのに話し方もフランクで良いし、態度も今のままで変えるなとおっしゃって、気さくに振る舞ってくださる。
2人で会う時は、お花やお菓子などを持ってきてくださるしね。
いや、別に…物に釣られている訳ではないですよ。
この間なんか、きれいな薔薇の細工がしてある髪飾りを頂いたんです。
最初は高価そうだから断ったんだけど、私の為に作らせたから貰ってくれないと捨てることになるって言われて…頂きました。
普段は使えないので家の宝物箱に大事にしまってあります。
誕生日のプレゼントに作ってもらっているドレスができたら、使おうと思っています。
それに…できたらマウル様にもドレス姿を見てほしいかな~…と。
村人が何を言ってるんだって感じかもしれませんが…。
それに、マウル様の周りには綺麗な女性が沢山いらっしゃるという事もね…わかってます。
ええ、わかってますよ…相手は王子様だから忙しいだろうし、こんな山奥の村まで来るのも大変だから頻繁に来れなくても仕方ないって…。
でも、気になるんです。
これも、"運命の花"のせいなのかな?
今まで、こんな気持ちになることなんてなかったし、好きな人もできたことがなかった。
"運命の花"の事を聞いた時も正直言って驚きが先で好きだとかの気持ちもなかった。
今は本当に…不思議な感じなのだ。
誰にも秘密にしているので、相談もできない。
この胸のモヤモヤは消えない。
これが、恋なのかな…?
少しでも良いから会いたい、顔がみたい。
できれば、声を聞きたい。
はぁ~。
前世でも恋愛経験がないから全くわからないよ。
前世だと恋愛の指南本とかが沢山あったよね。
この世界にもないのかな?
今なら買うよ私…。
その時足音が聞こえた。
マウル様が来た?
振り返ると、そこにはマウル様ではなくてファドさんがいた。
「ファドさん…」
「今日はマウル様から手紙を預かってきました」
「手紙ですか?」
やはり何かあったんだ。
私はすぐに手紙を受け取り、手紙に目を通した。
…そこには驚くことが書いてあった。
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