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38. カロンの驚き 〈カロン視点〉
しおりを挟む知らなかった…。
いつの間にシャルル様とマウル様は祠で会うような仲になっていたのだろうか…。
これは、早めにシャルル様に話をしなければならないかもしれない。
アロムが教えてくれなかったら、わからなかった所だわ。
やはり、"運命の花"の2人は引き離すことはできないのかしら…。
夫のラダムとも話をして、結局はシャルル様に今までの事を話をしようという事になった。
村の皆に、相談までしたのに…申し訳ないけど。
シャルル様に話をした上で、今後のことを御自分で決めていただこうという事になった。
全ては、ドレスが出来たら…と思っていたが、そうはいかなくなった。
昨日、シャルル様が驚きの話をしてきたからだ…。
マウル様と何回も会っていた事にも驚いたが、マウル様がシャルル様に送ってきた手紙の内容にビックリだ。
手紙は体調が優れず会いに行けなかった事への謝罪から始まり…問題はここからだ…。
続きには、一度王宮に来て欲しいと書いてあった。
しかも、しかもだ…家族に紹介すると書いてあった。
そして、私も一緒に来るようにと…。
マウル様の行動力には驚きだ。
村人のシャルル様を王様達に会わせる…?
信じられない…。
いくら"運命の花"だからって…。
平民を御自分の相手だと紹介するつもりかしら?
信じられないわ。
幼い頃は確かにヤンチャな王子様だなと思ってたけど…。
マウル様と、再び会う前に、出来ればシャルル様に本当のご家族の話をして、そして、会って頂いて…と思っていたのだけど、すべて無理だわ。
オルガに連絡して、ドレスがいつ仕上がるかを確認して、すぐに会いに行かないといけないわね。
王族をお待たせしてはいけないもの…。
でも、気になる文章もあったのよね…。
大変な事になってしまったから…。と書いてある箇所があった。
大変な事?…何だろうか。
"運命の花"の相手が平民だと知られたから?
まぁ、王族にすれば大変な事だけど…。
貴族達が知ったら、もっと大変なことにはなるわね。
皆さん、自分の娘と結婚させたいと思っているのに、平民の娘が王子の相手だなんて知ったら…。
シャルル様の命も危ないかも…。
ここは、お兄様に頼むしかないかしら…。
お叱りをうけるのを覚悟で手伝って頂くしかシャルル様を守れる方法はないかもしれない。
早速、お手紙を書いて送らないと。
速達伝書鳩が速いかしら?
他人に読まれない様に魔法をかけておけば大丈夫ね。
それに、できればシャルル様とマウル様が上手くいけば良いと思い始めている。
シャルルさまがマウル様の事を話す時の雰囲気は恋する乙女だ。
きっと、シャルル様の初恋。
シャルル様が死んだことにして縁を切ろうとしたけど、シャルル様がマウル様の事を好きなら話が変わってくる。
お2人には幸せになって欲しい。
シャルル様のお母様のシャリル様の分まで…。
シャリル様…シャルル様の初恋が成就しますようにお見守り下さい。
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