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第1章

14話

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受付嬢は驚いたような顔をした。

「素晴らしいです!全ての属性に適正があります。魔力量も十分ですし、経験を積めば特級の魔法も使えるようになるでしょう。」

「え?」

魔法の属性は火、水、土、風、光、闇の六属性プラス無属性。属性の魔法もレベル分けもされていて下級、中級、上級、特級の四つだ。
基本的に魔法適正がなくとも初級までなら練習すれば出来るようになる。上級になるとよほど才能があるか、それとも魔導士として経験を積んだ者でないと難しい。特級はそのさらに上で適正がある者でも出来ない者の方が多くなる。
ちなみに治癒魔法は無属性だ。

診断が終わってから受付嬢に宮廷魔導士になる選択もありますよ。六属性持ちの方ならギルドから推薦状も出せます。
なんて言われたがクロードが必死に首を横に振るので丁寧に断り、部屋を後にした。
宮廷魔導士になにか怨念でもあるのかな。でも、冒険者と王宮の人達が仲が良いことは想像出来ないからそんなものか。

「六属性持ちなんて初めてみました!すごいです!」

興奮状態のナタリーはテオの肩を持ちゆらゆらと揺らしている。

「でもまだ僕魔法使えないし....」

「それでもすごいことだよ。宮廷魔導士でもなかなか居ないんだよ。」

全ての属性に適正がある僕は貴重らしい。クロードさんに褒められるのはなんか嬉しいからいいけど。

「なんか実感ないです。そういえばナタリーさんは何属性なんですか?」

なんとなく気になってしまった。魔法も教えて貰うことだしね。

「私は火、水、風です。この3つなら上級まで教えることができます。」

「そうなんですね!よろしくお願いします。」

「ええ、」

そのあと二人はナタリーとは別れ、予定通り服を買いに行くため街に出た。  

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