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第450話「ダメでも何度も挑戦する。 だが、絶対、自身の命を無駄に投げ捨てたりはしない」
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明日降りる地下111階層から地下120階層は、出現する魔物のパターンが大きく変わる。
軽く息を吐いたリオネルは、フォルミーカ迷宮の地図を見て、考えを巡らせた。
出現する敵、魔物の顔ぶれは変わらない。
アスプ、リザードマン、バジリスク、コカトリスなどの特殊攻撃系、
青銅製、ミスリル製、銀製、水晶製の各種ゴーレム、
ゴーレムと同じ疑似生命体のガーゴイル……
そして、ミノタウロス、狼男、リザードマン、キマイラ、マンティコアの獣人、合成魔獣のパワー系。
これらの魔物が混在して現れる。
但し、今までと異なるのは……
戦闘の途中で「増援、加勢が現れる」事だ。
増援、加勢で良くあるのが、いわゆる「仲間を呼ぶ」というもの。
冒険者の攻撃を受け、劣勢に陥った魔物どもが、同種の増援、加勢を招き、
逆襲を目論むという行為だ。
またここでいう『仲間』の範疇が、同種でない場合も度々起こる。
例えばリザードマンが窮地におちいった際、疑似生命体のゴーレム、ガーゴイルが現れたり、ゴーレムが打ち倒されたら、ミノタウロスが加勢に現れるというものだ。
少し厄介なのが、増援、加勢が至近距離や背後から、いきなり現れる場合がある事。
戦闘終了後は、誰でもホッとし、気が抜けるもの。
その時に、いきなり増援、加勢が現れる場合もあるのだ。
リオネルは思い出す。
……このケースで、命を落とした冒険者も多いと、冒険者ギルド専任業務担当者の、
エミリア・オースルンドさんは真面目な表情で何度も念を押したっけ。
ええ! 気を付け過ぎるぐらい、気を付けますよ。
微笑んだリオネルは、仲間達との情報共有を行う事にした。
リオネルは肉声と念話を同時に使う。
『明日の朝から探索する地下111階層から地下120階層も、混沌の領域といえるフロアだ』
『……………………』
仲間達は、いつもの通り、リオネルの話を無言で聞いていた。
『出現する敵は、101階層から現在居る110階層と変わらない。アスプ、リザードマン、バジリスク、コカトリスなどの特殊攻撃系、青銅製、ミスリル製、銀製、水晶製の各種ゴーレム、ゴーレムと同じ疑似生命体のガーゴイル……
そして、ミノタウロス、狼男、リザードマン、キマイラ、マンティコアの獣人、合成魔獣のパワー系だ』
『……………………』
『但し、出現パターンが大きく変わる』
リオネルはそう言うと仲間達へ、『増援、加勢』の話を丁寧に且つ、
簡潔に行ったのである。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
『増援、加勢』の対策をリオネルは、いくつか立ててある。
ひとつは『伏せ勢』を置くというもの。
補足しよう。
伏せ勢とは伏兵とも言う。
あらかじめ、ひそませておく軍勢、
敵の来るのを待ち伏せして、不意を襲う兵の事だ。
「想定外、思わぬ伏兵が現れて、立てていた計画が滅茶苦茶になる」のように、
全く予期していなかった障害の意味にも使われる。
リオネルの話は続く。
『基本的に戦い方は変えない』
『……………………』
『但し、伏せ勢を置く。別部隊のアスプ20体を10体ずつ2隊に分け、周辺に配置。もしも増援、加勢が現れたら、すぐ対処して貰う』
『……………………』
『アスプ隊には、俺達へ念話での連絡、報告を入れ、毒攻撃、睡眠誘因を行って貰う』
『……………………』
『万が一、増援、加勢に対するアスプ隊の反撃、鎮圧が困難な場合、時間を稼いでくれれば構わない』
『……………………』
『最悪、戦闘中でも、俺が転移魔法でその場を一旦離脱。現れた新手の背後へ移動し、攻撃魔法をぶち込む。行動不能のスキルを使っても良い』
『……………………』
『この戦いは、迷宮の探索を終えた地上他でも役に立つと思う。宜しく頼むぞ』
『……………………』
やはりというか、仲間達からの質問はなかった。
リオネルの話を理解しただけでなく、全幅の信頼を置いている証だ。
この先は、相手もますます強力になる。
加えて、地下151階層から先は人跡未踏、
はっきりとした地図もない未知の世界だ。
正直、不安はある。
死への恐怖がない事を否定は出来ない。
しかし、最下層地下300階層へ到達せんとする、リオネルの決意は揺るがない。
万全を期して臨む覚悟は出来ている。
但し、俺にはチャレンジする勇気とともに、万が一、命が危うい場合、
あと一歩、地下299階層まで行っても、ためらわず地上へ退く勇気がある!
そう! ダメでも何度も挑戦する。
だが、絶対、自身の命を無駄に投げ捨てたりはしない。
王都を出発する前、世話になった宿屋の主人アンセルムから教えられた、
『トライアルアンドエラー、命は大事に』のスピリットは……
長い旅をして来たリオネルの心のうちに、ず~っと生きていたのである。
軽く息を吐いたリオネルは、フォルミーカ迷宮の地図を見て、考えを巡らせた。
出現する敵、魔物の顔ぶれは変わらない。
アスプ、リザードマン、バジリスク、コカトリスなどの特殊攻撃系、
青銅製、ミスリル製、銀製、水晶製の各種ゴーレム、
ゴーレムと同じ疑似生命体のガーゴイル……
そして、ミノタウロス、狼男、リザードマン、キマイラ、マンティコアの獣人、合成魔獣のパワー系。
これらの魔物が混在して現れる。
但し、今までと異なるのは……
戦闘の途中で「増援、加勢が現れる」事だ。
増援、加勢で良くあるのが、いわゆる「仲間を呼ぶ」というもの。
冒険者の攻撃を受け、劣勢に陥った魔物どもが、同種の増援、加勢を招き、
逆襲を目論むという行為だ。
またここでいう『仲間』の範疇が、同種でない場合も度々起こる。
例えばリザードマンが窮地におちいった際、疑似生命体のゴーレム、ガーゴイルが現れたり、ゴーレムが打ち倒されたら、ミノタウロスが加勢に現れるというものだ。
少し厄介なのが、増援、加勢が至近距離や背後から、いきなり現れる場合がある事。
戦闘終了後は、誰でもホッとし、気が抜けるもの。
その時に、いきなり増援、加勢が現れる場合もあるのだ。
リオネルは思い出す。
……このケースで、命を落とした冒険者も多いと、冒険者ギルド専任業務担当者の、
エミリア・オースルンドさんは真面目な表情で何度も念を押したっけ。
ええ! 気を付け過ぎるぐらい、気を付けますよ。
微笑んだリオネルは、仲間達との情報共有を行う事にした。
リオネルは肉声と念話を同時に使う。
『明日の朝から探索する地下111階層から地下120階層も、混沌の領域といえるフロアだ』
『……………………』
仲間達は、いつもの通り、リオネルの話を無言で聞いていた。
『出現する敵は、101階層から現在居る110階層と変わらない。アスプ、リザードマン、バジリスク、コカトリスなどの特殊攻撃系、青銅製、ミスリル製、銀製、水晶製の各種ゴーレム、ゴーレムと同じ疑似生命体のガーゴイル……
そして、ミノタウロス、狼男、リザードマン、キマイラ、マンティコアの獣人、合成魔獣のパワー系だ』
『……………………』
『但し、出現パターンが大きく変わる』
リオネルはそう言うと仲間達へ、『増援、加勢』の話を丁寧に且つ、
簡潔に行ったのである。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
『増援、加勢』の対策をリオネルは、いくつか立ててある。
ひとつは『伏せ勢』を置くというもの。
補足しよう。
伏せ勢とは伏兵とも言う。
あらかじめ、ひそませておく軍勢、
敵の来るのを待ち伏せして、不意を襲う兵の事だ。
「想定外、思わぬ伏兵が現れて、立てていた計画が滅茶苦茶になる」のように、
全く予期していなかった障害の意味にも使われる。
リオネルの話は続く。
『基本的に戦い方は変えない』
『……………………』
『但し、伏せ勢を置く。別部隊のアスプ20体を10体ずつ2隊に分け、周辺に配置。もしも増援、加勢が現れたら、すぐ対処して貰う』
『……………………』
『アスプ隊には、俺達へ念話での連絡、報告を入れ、毒攻撃、睡眠誘因を行って貰う』
『……………………』
『万が一、増援、加勢に対するアスプ隊の反撃、鎮圧が困難な場合、時間を稼いでくれれば構わない』
『……………………』
『最悪、戦闘中でも、俺が転移魔法でその場を一旦離脱。現れた新手の背後へ移動し、攻撃魔法をぶち込む。行動不能のスキルを使っても良い』
『……………………』
『この戦いは、迷宮の探索を終えた地上他でも役に立つと思う。宜しく頼むぞ』
『……………………』
やはりというか、仲間達からの質問はなかった。
リオネルの話を理解しただけでなく、全幅の信頼を置いている証だ。
この先は、相手もますます強力になる。
加えて、地下151階層から先は人跡未踏、
はっきりとした地図もない未知の世界だ。
正直、不安はある。
死への恐怖がない事を否定は出来ない。
しかし、最下層地下300階層へ到達せんとする、リオネルの決意は揺るがない。
万全を期して臨む覚悟は出来ている。
但し、俺にはチャレンジする勇気とともに、万が一、命が危うい場合、
あと一歩、地下299階層まで行っても、ためらわず地上へ退く勇気がある!
そう! ダメでも何度も挑戦する。
だが、絶対、自身の命を無駄に投げ捨てたりはしない。
王都を出発する前、世話になった宿屋の主人アンセルムから教えられた、
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