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第65話「冒険者ギルド訪問④」
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闘技場での模擬試合が終わり……
ここは、冒険者ギルドマスター室に隣接した会議室。
大きなテーブルの上には、冒険者ギルドが手配したケータリングの料理と飲み物が、いっぱい並べられている。
当初の予定通り、ランチを摂りながら、今後の為に懇親会をしようという趣旨だ。
「エレン、シモン君、心の底から非礼を謝罪しよう! 愚かな発言をして、本当に本当に申しわけなかった!」
「偉そうな事を言って申しわけないっ! 参った! 完敗だ! 動きが全く捉えられなかった! 俺はシモン君の力を完全に見誤っていたっ!」
冒険者ギルド、グランシャリオ支部のギルドマスター、バジル・クストーと、サブマスターのジョゼフ・オーバンは先ほどから平謝りだ。
シモンの圧倒的な強さを目の当たりにして、腰がぬけたようになったバジル。
そして雷撃3発と当て身を喰らい、意識を失ったジョゼフ。
ふたりはシモンの強力な治癒魔法により、完全に回復していた。
ちなみに、シモンは鎮静の魔法も合わせがけした。
なので、双方の怒りの感情と恐怖心も払拭され、気持ちも落ち着いていたのだ。
次官補のレナが言う。
バジルの物言いに怒っていた彼女もシモンの鎮静魔法により、表情は柔らかくなっている。
「誤解を認め、アレクサンドラの実力と我が省の理念をご理解していただけたら、ありがたいです。今後は協力しながら、共存共栄で行きましょう」
シモンも笑顔である。
「いろいろ分かり合えましたから、お互いざっくばらんに行きましょう」
笑顔で話すシモンを、秘書のエステルが「頼もしい」という表情で見つめていた。
先ほどまでは、シモンが心配で表情が曇っていたが、晴れ晴れとした顔つきに変わっている。
頃合いと見たのか、バジルが声を張り上げる。
「で、では、乾杯と行こう。グラスは行き渡っているな? では! 冒険者ギルドと王国復興開拓省の結びつきを強固にし、互いに発展、繁栄を目指そう! 乾杯っ!!」
「「「「「「乾杯っ!」」」」」」
全員がグラスを掲げ、ワインを飲み干した。
「冒険者ギルド様、今後とも、我が省へご協力、ご指導を宜しくお願い致しますっ!」
ぱちぱちぱちぱちぱちぱちぱちぱちぱちっっ!!
今度はシモンが大きな声を上げると、室内は全員が拍手。
場は更に和やかになったのである。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
ランチを摂りながら、話は大いに弾む。
ジョゼフが言う。
「マスター、宜しいでしょうか? 俺は約束を守りたい。王国復興開拓省へ出向させて貰えないだろうか?」
「うむ、約束を守る……すなわち契約をきちんと履行するのが冒険者ギルドの基本理念である。それにギルドとの連絡役となって貰うには、王国復興開拓省に在籍してくれた方が都合も良い」
「ありがとうございます、マスター!」
バジルに一礼したジョゼフは立ち上がった。
シモンへと向き直る。
「ではシモン君、いえ、シモン局長。不肖ジョゼフ・オーバン、これからは局長の忠実な部下となり、粉骨砕身頑張らせて頂きます!」
深々とシモンへ頭を下げるジョゼフ。
そんなジョゼフを見て、レナは言う。
「いや、サブマスター、賃金はきちんとウチの省から出す。だから、安心して欲しい」
しかし、ジョゼフは首を横に振る。
「いえ、次官補。約束は約束ですから、俺は1年間無償で働かせて頂きます」
ここでシモンが言う。
黙ってはいられなかった。
「いや、ジョゼフさん、それはいけない」
「で、でも」
「ジョゼフさん、貴方にも生活があるし、養う家族も居るだろう。王国復興開拓省規定の賃金となり、今よりも実入りは減るかもしれない。しかし、賃金は働いた分きちんと支払わせて貰う。これは次官補がおっしゃった決定事項だ。反論は受け付けない!」
シモンは前職で散々、タダ働きさせられ、搾取もされた。
同じ事を部下に強いる事など出来ないのだ。
きっぱりと言われたジョゼフは驚き、戸惑いながら言葉を戻す。
「は、はい! 局長のご命令とあらば、従わせて頂きます……お気遣い頂きありがとうございます」
これでシモンは、またも新たな『仲間』を得た事となる。
さすがに、シモンには瞬殺されてしまったが……
地属性の攻防魔法を使いこなす魔法剣士で、歴戦のつわものジョゼフは、とても頼もしいといえよう。
「シモン君」
「はい」
「先ほどの模擬試合で、君のランクも判定させて貰った」
「そうですか」
「うむ、シモン君はランクAのジョゼフを『瞬殺』した。となればランクAを遥かに超えるランクSと認定したい。でも残念ながら全くの新人をランクSと判定するのはギルドに前例がない。だからまずはシモン君をランクAとし、ウチの案件をいくつか完遂して貰ったら、Sとしよう」
「成る程ですね、ありがとうございます」
冒険者ギルドには所属しないが、シモンは冒険者の資格を得た。
それもランクA、上位と言われるランカーである。
今後、シモンがギルドと組み、事を為すのに便利となるだろう。
その後も話は弾み……
秘密厳守を含むいろいろな『約束事』が取り決められた。
すべての約束事はすべて契約書に記載され、後日正式な書面が取り交わされる。
また次官補のレナが、実務を行わないサブマスター職として、冒険者ギルドに籍だけを置く事もほぼ決まった。
今後、彼女がギルドとの交渉窓口となるのだ。
シモンが模擬試合に圧勝した事で交渉は王国復興開拓省サイドに有利な形で進められた。
新たな仲間を得た上、話し合いが上手く行き、こちらから出した要望は、ほぼ通ったのだ。
シモンとエステルは顔を見合わせ、互いに笑顔となったのである。
ここは、冒険者ギルドマスター室に隣接した会議室。
大きなテーブルの上には、冒険者ギルドが手配したケータリングの料理と飲み物が、いっぱい並べられている。
当初の予定通り、ランチを摂りながら、今後の為に懇親会をしようという趣旨だ。
「エレン、シモン君、心の底から非礼を謝罪しよう! 愚かな発言をして、本当に本当に申しわけなかった!」
「偉そうな事を言って申しわけないっ! 参った! 完敗だ! 動きが全く捉えられなかった! 俺はシモン君の力を完全に見誤っていたっ!」
冒険者ギルド、グランシャリオ支部のギルドマスター、バジル・クストーと、サブマスターのジョゼフ・オーバンは先ほどから平謝りだ。
シモンの圧倒的な強さを目の当たりにして、腰がぬけたようになったバジル。
そして雷撃3発と当て身を喰らい、意識を失ったジョゼフ。
ふたりはシモンの強力な治癒魔法により、完全に回復していた。
ちなみに、シモンは鎮静の魔法も合わせがけした。
なので、双方の怒りの感情と恐怖心も払拭され、気持ちも落ち着いていたのだ。
次官補のレナが言う。
バジルの物言いに怒っていた彼女もシモンの鎮静魔法により、表情は柔らかくなっている。
「誤解を認め、アレクサンドラの実力と我が省の理念をご理解していただけたら、ありがたいです。今後は協力しながら、共存共栄で行きましょう」
シモンも笑顔である。
「いろいろ分かり合えましたから、お互いざっくばらんに行きましょう」
笑顔で話すシモンを、秘書のエステルが「頼もしい」という表情で見つめていた。
先ほどまでは、シモンが心配で表情が曇っていたが、晴れ晴れとした顔つきに変わっている。
頃合いと見たのか、バジルが声を張り上げる。
「で、では、乾杯と行こう。グラスは行き渡っているな? では! 冒険者ギルドと王国復興開拓省の結びつきを強固にし、互いに発展、繁栄を目指そう! 乾杯っ!!」
「「「「「「乾杯っ!」」」」」」
全員がグラスを掲げ、ワインを飲み干した。
「冒険者ギルド様、今後とも、我が省へご協力、ご指導を宜しくお願い致しますっ!」
ぱちぱちぱちぱちぱちぱちぱちぱちぱちっっ!!
今度はシモンが大きな声を上げると、室内は全員が拍手。
場は更に和やかになったのである。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
ランチを摂りながら、話は大いに弾む。
ジョゼフが言う。
「マスター、宜しいでしょうか? 俺は約束を守りたい。王国復興開拓省へ出向させて貰えないだろうか?」
「うむ、約束を守る……すなわち契約をきちんと履行するのが冒険者ギルドの基本理念である。それにギルドとの連絡役となって貰うには、王国復興開拓省に在籍してくれた方が都合も良い」
「ありがとうございます、マスター!」
バジルに一礼したジョゼフは立ち上がった。
シモンへと向き直る。
「ではシモン君、いえ、シモン局長。不肖ジョゼフ・オーバン、これからは局長の忠実な部下となり、粉骨砕身頑張らせて頂きます!」
深々とシモンへ頭を下げるジョゼフ。
そんなジョゼフを見て、レナは言う。
「いや、サブマスター、賃金はきちんとウチの省から出す。だから、安心して欲しい」
しかし、ジョゼフは首を横に振る。
「いえ、次官補。約束は約束ですから、俺は1年間無償で働かせて頂きます」
ここでシモンが言う。
黙ってはいられなかった。
「いや、ジョゼフさん、それはいけない」
「で、でも」
「ジョゼフさん、貴方にも生活があるし、養う家族も居るだろう。王国復興開拓省規定の賃金となり、今よりも実入りは減るかもしれない。しかし、賃金は働いた分きちんと支払わせて貰う。これは次官補がおっしゃった決定事項だ。反論は受け付けない!」
シモンは前職で散々、タダ働きさせられ、搾取もされた。
同じ事を部下に強いる事など出来ないのだ。
きっぱりと言われたジョゼフは驚き、戸惑いながら言葉を戻す。
「は、はい! 局長のご命令とあらば、従わせて頂きます……お気遣い頂きありがとうございます」
これでシモンは、またも新たな『仲間』を得た事となる。
さすがに、シモンには瞬殺されてしまったが……
地属性の攻防魔法を使いこなす魔法剣士で、歴戦のつわものジョゼフは、とても頼もしいといえよう。
「シモン君」
「はい」
「先ほどの模擬試合で、君のランクも判定させて貰った」
「そうですか」
「うむ、シモン君はランクAのジョゼフを『瞬殺』した。となればランクAを遥かに超えるランクSと認定したい。でも残念ながら全くの新人をランクSと判定するのはギルドに前例がない。だからまずはシモン君をランクAとし、ウチの案件をいくつか完遂して貰ったら、Sとしよう」
「成る程ですね、ありがとうございます」
冒険者ギルドには所属しないが、シモンは冒険者の資格を得た。
それもランクA、上位と言われるランカーである。
今後、シモンがギルドと組み、事を為すのに便利となるだろう。
その後も話は弾み……
秘密厳守を含むいろいろな『約束事』が取り決められた。
すべての約束事はすべて契約書に記載され、後日正式な書面が取り交わされる。
また次官補のレナが、実務を行わないサブマスター職として、冒険者ギルドに籍だけを置く事もほぼ決まった。
今後、彼女がギルドとの交渉窓口となるのだ。
シモンが模擬試合に圧勝した事で交渉は王国復興開拓省サイドに有利な形で進められた。
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シモンとエステルは顔を見合わせ、互いに笑顔となったのである。
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