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第101話「新たなる出発」
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イザベラとの念話があった数日後の朝、ジュリアはとうとう全快した。
顔色も元通り、健康系爽やかを武器にした超絶美少女の復活だ。
愛するジュリアが回復して、俺は自分の事のように嬉しい。
ついつい声も大きくなる。
「おお! よかったなぁ、ジュリア」
「トールや皆には散々迷惑掛けたねぇ……でもさ、色々と面倒見てくれてありがとう! 本当に感謝しているよ」
俺が回復したお祝いの言葉を掛ける。
すると恐縮したジュリアからは謝罪され、御礼を言われてしまう。
まあ、でもそんな事は当然さ。
だって、俺達は夫婦なんだもの。
ああ、どこかで「爆発しろ、てめぇ」と言う声が聞こえる。
俺はおもむろに首を振る。
「旦那として、可愛い嫁の世話をするのは当り前だ」
「え!? あ、あううう、ありがとう、愛しているよ! トール!」
俺は思った事をそのまま言うと、ジュリアは思い出したのであろう。
生活の全てを、下の世話までして貰った事を……
ジュリアは目に涙を一杯溜めている。
何だか、最近どんどん涙もろくなっているようだ。
そんな俺とジュリアの甘々な会話をぶった切る。
お約束のアモンが、重々しい声でジュリアに尋ねる。
「ジュリア……お前は竜神族の血を引きし者だ。覚醒して何か自分の身に変わった事が起きているだろう?」
アモンに聞かれてジュリアは首を傾げた。
「覚醒? 変わった事?」
「そうだ……例えば勘が鋭くなったり、力が強くなったり、身体が軽くなったり等いろいろだ」
具体的なイメージが思い浮かばないようなのでアモンはいくつか例を挙げてジュリアに再度、問い質した。
「う~ん、勘の鋭さはある程度あったから分からないな……力は結構強くなった気がする。身体は凄く軽いよ」
いくつか思い当たる節があるようで、ジュリアは指折り数えている。
と、その時。
「もう良いかの……その娘も良くなったようだし、さっさと出発したいが」
ソフィアは「充分待ったぞ」という表情で出発を催促した。
それは「私の台詞だろう」とイザベラがソフィアを軽く睨む。
そりゃ、そうだ。
これから行くのは悪魔王国。
そんな所に宿敵だったガルドルド魔法帝国の魔法工作師が居るような可能性は限り無く低いのだから。
万が一、捕虜になっていたとしてもとっくに死んでいる筈。
まあ、ソフィアのような自動人形になって生き延びている可能性はゼロではないが……
ただソフィアの気持ちも分かる。
自分の身体が崩壊して行くのを黙って指を加えて見ているだけなんて俺だったら相当きつい状況だ。
それをソフィアは、泣き言もいわずに乗り越えようとしているのだから。
この前イザベラと話したせいもあり、改めて優しくしようと思う。
世界破滅の危機を回避する為にも、ソフィアとは分かり合っていた方が良い。
俺はソフィアの事も考えて、クランの皆に呼び掛け準備が出来次第、出発する事を決める。
つらつらとそんな事を考えていたら……
あれ?
部屋の外で客が騒ぐ声が聞こえる。
「た、大変だぁ! ダックヴァル商店が強盗に襲われたぞ~!」
な、何ですと~!
ダックヴァル商店と言えば、迷宮に潜る前に色々と商売した店だ。
その店が強盗に襲われた?
俺の脳裏にサイラス・ダックヴァルの気難しそうな顔が浮かぶ。
ドアを開けて廊下に出る。
男が居たのでつい詰め寄る。
ダックヴァル商店が襲撃されたと叫んでいたのはこいつだろう。
この宿に居るのだから、基本的には商人に違いない。
「おい、店主はどうなんだ? 無事なのか?」
俺は怖い顔をしていたかもしれない。
いきなりの勢いに吃驚して気圧されたように下がる男だったが、害意を持っていない事を理解すると、ぽつりぽつりと話し始める。
男によると……
店主のサイラス・ダックヴァルは重傷だが、何とか一命を取り留めたらしい。
そして店に押し入ったのは強盗の筈なのに、盗難にあった商品も無しだという。
むう、それって不思議な事件だ。
店内にはあんなに金目の商品が山積みなのに……これは何かあるかもしれない。
「変な事件だ。ダックヴァルさんは気になるけど……何か腑に落ちないな」
「ふむ……その店主には悪いが、今の我々には関係無い。ソフィアの言う通りにさっさと出発しよう。……時間が惜しい」
俺の思考を遮るようにアモンが言う。
むう、こいつはいつも「そう」だ!
だが、言っている事は正しい。
仕方がない、出発の準備をしよう。
「クラン戦仲買人は、皆の準備が整い次第出発する」
今は午前10時。
ここから俺達はイザベラとアモンに先導して貰い、急ぎ悪魔王国へ向かう事になったのであった。
顔色も元通り、健康系爽やかを武器にした超絶美少女の復活だ。
愛するジュリアが回復して、俺は自分の事のように嬉しい。
ついつい声も大きくなる。
「おお! よかったなぁ、ジュリア」
「トールや皆には散々迷惑掛けたねぇ……でもさ、色々と面倒見てくれてありがとう! 本当に感謝しているよ」
俺が回復したお祝いの言葉を掛ける。
すると恐縮したジュリアからは謝罪され、御礼を言われてしまう。
まあ、でもそんな事は当然さ。
だって、俺達は夫婦なんだもの。
ああ、どこかで「爆発しろ、てめぇ」と言う声が聞こえる。
俺はおもむろに首を振る。
「旦那として、可愛い嫁の世話をするのは当り前だ」
「え!? あ、あううう、ありがとう、愛しているよ! トール!」
俺は思った事をそのまま言うと、ジュリアは思い出したのであろう。
生活の全てを、下の世話までして貰った事を……
ジュリアは目に涙を一杯溜めている。
何だか、最近どんどん涙もろくなっているようだ。
そんな俺とジュリアの甘々な会話をぶった切る。
お約束のアモンが、重々しい声でジュリアに尋ねる。
「ジュリア……お前は竜神族の血を引きし者だ。覚醒して何か自分の身に変わった事が起きているだろう?」
アモンに聞かれてジュリアは首を傾げた。
「覚醒? 変わった事?」
「そうだ……例えば勘が鋭くなったり、力が強くなったり、身体が軽くなったり等いろいろだ」
具体的なイメージが思い浮かばないようなのでアモンはいくつか例を挙げてジュリアに再度、問い質した。
「う~ん、勘の鋭さはある程度あったから分からないな……力は結構強くなった気がする。身体は凄く軽いよ」
いくつか思い当たる節があるようで、ジュリアは指折り数えている。
と、その時。
「もう良いかの……その娘も良くなったようだし、さっさと出発したいが」
ソフィアは「充分待ったぞ」という表情で出発を催促した。
それは「私の台詞だろう」とイザベラがソフィアを軽く睨む。
そりゃ、そうだ。
これから行くのは悪魔王国。
そんな所に宿敵だったガルドルド魔法帝国の魔法工作師が居るような可能性は限り無く低いのだから。
万が一、捕虜になっていたとしてもとっくに死んでいる筈。
まあ、ソフィアのような自動人形になって生き延びている可能性はゼロではないが……
ただソフィアの気持ちも分かる。
自分の身体が崩壊して行くのを黙って指を加えて見ているだけなんて俺だったら相当きつい状況だ。
それをソフィアは、泣き言もいわずに乗り越えようとしているのだから。
この前イザベラと話したせいもあり、改めて優しくしようと思う。
世界破滅の危機を回避する為にも、ソフィアとは分かり合っていた方が良い。
俺はソフィアの事も考えて、クランの皆に呼び掛け準備が出来次第、出発する事を決める。
つらつらとそんな事を考えていたら……
あれ?
部屋の外で客が騒ぐ声が聞こえる。
「た、大変だぁ! ダックヴァル商店が強盗に襲われたぞ~!」
な、何ですと~!
ダックヴァル商店と言えば、迷宮に潜る前に色々と商売した店だ。
その店が強盗に襲われた?
俺の脳裏にサイラス・ダックヴァルの気難しそうな顔が浮かぶ。
ドアを開けて廊下に出る。
男が居たのでつい詰め寄る。
ダックヴァル商店が襲撃されたと叫んでいたのはこいつだろう。
この宿に居るのだから、基本的には商人に違いない。
「おい、店主はどうなんだ? 無事なのか?」
俺は怖い顔をしていたかもしれない。
いきなりの勢いに吃驚して気圧されたように下がる男だったが、害意を持っていない事を理解すると、ぽつりぽつりと話し始める。
男によると……
店主のサイラス・ダックヴァルは重傷だが、何とか一命を取り留めたらしい。
そして店に押し入ったのは強盗の筈なのに、盗難にあった商品も無しだという。
むう、それって不思議な事件だ。
店内にはあんなに金目の商品が山積みなのに……これは何かあるかもしれない。
「変な事件だ。ダックヴァルさんは気になるけど……何か腑に落ちないな」
「ふむ……その店主には悪いが、今の我々には関係無い。ソフィアの言う通りにさっさと出発しよう。……時間が惜しい」
俺の思考を遮るようにアモンが言う。
むう、こいつはいつも「そう」だ!
だが、言っている事は正しい。
仕方がない、出発の準備をしよう。
「クラン戦仲買人は、皆の準備が整い次第出発する」
今は午前10時。
ここから俺達はイザベラとアモンに先導して貰い、急ぎ悪魔王国へ向かう事になったのであった。
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