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第5話「ご準備ですか…… 心のって事ですよね? 深呼吸でもしようかあ」
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「はい~? ミランダさん、何おっしゃっているんです? 辞退なんかするわけありませんよ」
俺はきっぱり断ると、
「失礼します」
と更に言い……
顔を真っ赤にし、鬼のような顔をしたミランダのそばをすいっと通り、
彼女に見えない角度で、思い切り、ざまあ!の、あかんべーをしてやった。
俺は勘が鋭いが、魔法使いも職業上勘は鋭い。
ミランダは「何か」を察知したようである。
声を張り上げて、俺の名を呼ぶ。
「エルヴェえ!! あんたあ!! 今、私にとんでもなく失礼な事したでしょおお!!」
おいおい、いつまで俺を忠実な部下扱いしてるんだ。
罵倒&ポイ捨てリリースされた俺は自由の身、もうあんたに縛られる「しもべ」じゃねえよ。
「ミランダさんへ失礼な事なんか、してませ~ん」
怒りのオーラを放つミランダの金切り声を背にして、俺は手をひらひら左右に動かしながら否定して告げ、運営本部へ。
「あの~、お忙しいところすいません。俺ドラフト会議で指名を受けた者なんですけど」
こんな俺の言葉に対して、ギルド職員は満面の笑みを浮かべ一気にまくしたてる。
多分、笑顔とトークの対応マニュアルがあるのだろう。
「はい、それはそれは、おめでとうございます! 申し訳ございませんが、どのクランで何位指名なのか、そしてお名前をおっしゃっていただけますか。後、冒険者ギルドの所属登録証のご提示もお願い致します」
……成る程。
指名の概要を告げ、名前を名乗って、身分を証明する所属登録証の提示ですか。
ようは本人確認って事ですよね。
まあ、ここは言われた通り、指示に従うのが吉。
いつでもファーストインプレッションが大切だから、元気にはきはきとした方が好印象だろう。
「はい! 自分はこのたびのドラフト会議において、クラン、グランシャリオから、第一位指名を受けました。スフェール王国騎士爵アルノー家の3男、エルヴェ・アルノーと申します。年齢は16歳で、冒険者ランクはFです」
求められた通り俺が答えると、ギルド職員はすぐ反応する。
闘技場に静寂をもたらした大番狂わせの張本人だという事を認識したらしい。
驚いたように大きく目を見開き、俺が提示した所属登録証を手にし、確認すると、
「おお、貴方がクラン、グランシャリオ第一位指名のエルヴェ・アルノーさんですか! 先ほどからマエストロがお待ちかねですから、すぐにご案内致します」
先述したが、マエストロとは、グランシャリオのリーダー元勇者の武闘派賢者、
「ローラン・ケーリオ」様の「ふたつ名」だ。
改めて、俺がグランシャリオから第一位指名された事が間違いではない。
冒険者ランクSのローラン様とランクAのメンバー3人から認められたという実感が湧いて来る。
「ありがとうございます! ローラン様へのご案内! 何卒宜しくお願い致しまあ~す!」
俺が大きく張り上げる声がしっかりと聞こえたのだろう。
「ちっきしょ~!!! 何がご案内だあ! エルヴェのクソガキぶっ殺してやるううう!!! 凍らせて!!! 打ち砕いて!!! 粉々にしてやるう!!!」
殺意に満ちたミランダの怒声を背に受け、心の中では再び「ざまああ!」した俺は、
先導するギルド職員へついて、リズムよく歩き出したのである。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
ギルド職員は足早に歩き、闘技場の内部への出入り口へ俺を誘った。
闘技場内にはいくつもの部屋があり、今回指名したクランの控室があるという。
おいおい、じゃあミランダもクラン『シーニュ』が指名した、
子爵家3男坊が来るのを待っててあげなきゃダメだろ。
まあ、この闘技場にその3男坊が居るのか、……知らんけど。
どちらにしても、俺に絡んで、逆切れしている暇などね~じゃんか!
苦笑した俺は、奥へ奥へと歩き……
とある部屋へ到着した。
闘技場のようなこういう建物には、基本的に貴賓室がある。
最上位の貴賓室は、王族専用。
その次には伯爵以上の上級貴族専用。
それ以外の身分用と続く。
ローラン様は爵位こそ辞退したが、スフェール王国においては、
公爵扱いされる超が付くVIPである。
扉は固く閉ざされているが、重厚で趣きのある仕様から、相当な貴賓室である事がわかる。
いかん!
ローラン様に対面すると思ったら、
ちょっち、否、だいぶ緊張して来た。
滝汗とはいわないが、額に汗がたらたらと。
何故俺を指名したのですかを始め、ローラン様へ尋ねたい事はたくさんあるのに。
そんな緊張気味の俺を見て、ギルド職員がにっこり。
「エルヴェさん、お疲れ様でした。到着致しました。こちらにローラン様以下、グランシャリオのメンバーがお待ちになっております。ご準備は宜しいですか?」
ご準備ですか……
心のって事ですよね?
深呼吸でもしようかあ。
す~は~、す~は~、す~は~、す~は~……
うん……何とか落ち着いて来た。
これなら大丈夫だろう。
「ええっと、職員様……準備オッケーです」
「分かりました。では……」
相変わらず笑顔のギルド職員は、トントントンと、リズミカルに扉をノックしたのである。
俺はきっぱり断ると、
「失礼します」
と更に言い……
顔を真っ赤にし、鬼のような顔をしたミランダのそばをすいっと通り、
彼女に見えない角度で、思い切り、ざまあ!の、あかんべーをしてやった。
俺は勘が鋭いが、魔法使いも職業上勘は鋭い。
ミランダは「何か」を察知したようである。
声を張り上げて、俺の名を呼ぶ。
「エルヴェえ!! あんたあ!! 今、私にとんでもなく失礼な事したでしょおお!!」
おいおい、いつまで俺を忠実な部下扱いしてるんだ。
罵倒&ポイ捨てリリースされた俺は自由の身、もうあんたに縛られる「しもべ」じゃねえよ。
「ミランダさんへ失礼な事なんか、してませ~ん」
怒りのオーラを放つミランダの金切り声を背にして、俺は手をひらひら左右に動かしながら否定して告げ、運営本部へ。
「あの~、お忙しいところすいません。俺ドラフト会議で指名を受けた者なんですけど」
こんな俺の言葉に対して、ギルド職員は満面の笑みを浮かべ一気にまくしたてる。
多分、笑顔とトークの対応マニュアルがあるのだろう。
「はい、それはそれは、おめでとうございます! 申し訳ございませんが、どのクランで何位指名なのか、そしてお名前をおっしゃっていただけますか。後、冒険者ギルドの所属登録証のご提示もお願い致します」
……成る程。
指名の概要を告げ、名前を名乗って、身分を証明する所属登録証の提示ですか。
ようは本人確認って事ですよね。
まあ、ここは言われた通り、指示に従うのが吉。
いつでもファーストインプレッションが大切だから、元気にはきはきとした方が好印象だろう。
「はい! 自分はこのたびのドラフト会議において、クラン、グランシャリオから、第一位指名を受けました。スフェール王国騎士爵アルノー家の3男、エルヴェ・アルノーと申します。年齢は16歳で、冒険者ランクはFです」
求められた通り俺が答えると、ギルド職員はすぐ反応する。
闘技場に静寂をもたらした大番狂わせの張本人だという事を認識したらしい。
驚いたように大きく目を見開き、俺が提示した所属登録証を手にし、確認すると、
「おお、貴方がクラン、グランシャリオ第一位指名のエルヴェ・アルノーさんですか! 先ほどからマエストロがお待ちかねですから、すぐにご案内致します」
先述したが、マエストロとは、グランシャリオのリーダー元勇者の武闘派賢者、
「ローラン・ケーリオ」様の「ふたつ名」だ。
改めて、俺がグランシャリオから第一位指名された事が間違いではない。
冒険者ランクSのローラン様とランクAのメンバー3人から認められたという実感が湧いて来る。
「ありがとうございます! ローラン様へのご案内! 何卒宜しくお願い致しまあ~す!」
俺が大きく張り上げる声がしっかりと聞こえたのだろう。
「ちっきしょ~!!! 何がご案内だあ! エルヴェのクソガキぶっ殺してやるううう!!! 凍らせて!!! 打ち砕いて!!! 粉々にしてやるう!!!」
殺意に満ちたミランダの怒声を背に受け、心の中では再び「ざまああ!」した俺は、
先導するギルド職員へついて、リズムよく歩き出したのである。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
ギルド職員は足早に歩き、闘技場の内部への出入り口へ俺を誘った。
闘技場内にはいくつもの部屋があり、今回指名したクランの控室があるという。
おいおい、じゃあミランダもクラン『シーニュ』が指名した、
子爵家3男坊が来るのを待っててあげなきゃダメだろ。
まあ、この闘技場にその3男坊が居るのか、……知らんけど。
どちらにしても、俺に絡んで、逆切れしている暇などね~じゃんか!
苦笑した俺は、奥へ奥へと歩き……
とある部屋へ到着した。
闘技場のようなこういう建物には、基本的に貴賓室がある。
最上位の貴賓室は、王族専用。
その次には伯爵以上の上級貴族専用。
それ以外の身分用と続く。
ローラン様は爵位こそ辞退したが、スフェール王国においては、
公爵扱いされる超が付くVIPである。
扉は固く閉ざされているが、重厚で趣きのある仕様から、相当な貴賓室である事がわかる。
いかん!
ローラン様に対面すると思ったら、
ちょっち、否、だいぶ緊張して来た。
滝汗とはいわないが、額に汗がたらたらと。
何故俺を指名したのですかを始め、ローラン様へ尋ねたい事はたくさんあるのに。
そんな緊張気味の俺を見て、ギルド職員がにっこり。
「エルヴェさん、お疲れ様でした。到着致しました。こちらにローラン様以下、グランシャリオのメンバーがお待ちになっております。ご準備は宜しいですか?」
ご準備ですか……
心のって事ですよね?
深呼吸でもしようかあ。
す~は~、す~は~、す~は~、す~は~……
うん……何とか落ち着いて来た。
これなら大丈夫だろう。
「ええっと、職員様……準備オッケーです」
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相変わらず笑顔のギルド職員は、トントントンと、リズミカルに扉をノックしたのである。
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