冒険者クラン新人選択希望会議でドラフト1位指名された無名最底辺の俺が、最強への道を歩みだす話!

東導 号

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第22話「あんまし情けない事ばっか言ってると、てめえを原野へ叩き出すぞ!」

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魔法杖の試射もなんとか終了。
最後の3発は的のど真ん中へ当たり、手ごたえを感じていた俺。

魔法を撃つ楽しさもあり、「ふう」と軽く息を吐き、安堵していたら、
早速、バスチアンさんからGOが出る。

「おう! じゃあまず第一陣行ってみよう。新人1号! 同じく2号! とっとと出かけてくれや」

「はい! 了解っす!」

元気よく返事をした俺。
一方、シャルロットさんはだいぶ緊張していて、
大いに噛みながら返事をする。

「わ、わ、わ、分かりました」

ここでバスチアンさんから、補足説明があった。

訓練場1周といっても隅から隅までではないと。

石畳のメイン道路をぐるりと回り、このロッジへ戻って来るコースで、
1周で約10㎞。
10㎞なら、俺達の足で約2時間と少しである。

まあ、普通に歩けばという事と、無事に何事もなければという条件付きの2時間だ。

さっきのオーク、ゴブリンの襲撃を考えれば、何もないなんてありえない。

更に数か所、通過確認ポイントがあるという。

そのポイントには、魔法水晶付きのチェック装置があり、
ギルドの所属登録証をかざせば、通過確認が出来るようになっているらしい。
多分、さぼり&不正の防止の為であると思われる。

そして、俺とシャルロットさんが出発してから、
バスチアンさん、セレスさんも時間差で出発をするとの事。

万が一の場合、助けに入れるよう、少し離れた場所からついて行くのだろう。

ここで、フェルナンさんが騒ぎ出す。

「じゃ、じゃあ俺、みんなが戻って来るまで、このロッジで、たったひとり留守番ですかあ!!」

「ああ? 何言ってる新人3号。俺達は出るんだ。当然だろうよ。5マイナス4は1。算数覚えたての子供でも分かるこった」

「えええ!!??」

驚き、ひよるフェルナンさんへ、バスチアンさんは言う。

「ごら、新人3号。任務遂行中、ぼっちで待機ってのは良くあるケースだ。そういう訓練も兼ねてるんだ」

「げえ!!」

「何がげえだ。ここは全然良い方だぞ、新人3号。何せ破邪の魔法がかかっていて、魔物は基本入って来れねえ。入って来れるのは動物くらいだ」

「入って来れるのは動物くらいって……もしかしたら、猪とか、狼とか、熊が来るかもしれないじゃないっすか!!」

「ははははは、まあな! ちなみに、この訓練地の肉食獣は人間の味をおぼえているからよ。新人3号、狼や熊がてめえを襲って来る可能性は大だ!」

「げえええええ!!! 人間の味をおぼえているとか、襲って来る可能性は大って、じょ、冗談はやめてくださいよ!!! バスチアンさん!!!」

「がははは! こんな事、冗談言っても始まらねえ。もしもやばそうなら、このロッジは頑丈だから、扉を閉め、立てこもってれば良いさ。ま、そういう対応も、当然、てめえの評価にかかわって来るがな」

ここで、セレスさんがフォロー。

「フェルナンさん、さっき貸与した、魔法杖も動物の撃退用に使って構わないわよ。魔力を補填しておいたから、風弾が20発フルで撃てるわ。せいぜい死なないよう頑張ってね♡」

びびるヘタレなフェルナンさんを見て、にっこり笑うセレスさん。

せいぜい死なないよう頑張ってね♡って……

やっぱ『S』なのか?
性悪冷血女ミランダと同じく、綺麗なバラにはとげがあるってか!

こ、こえ~。

更にバスチアンさんも、

「おう! 狼は食用に向かねえが、猪や熊は煮込み料理にすれば、中々いける味だ。てめえが狩って、晩飯分を確保したら、それも評価してやるぜ。貴族家のぼっちゃんなら狩猟くらいしてただろ?」

おお、このコメントはズバリ正論。

俺の実家、騎士爵家は、名誉職っぽい貴族家だが、
フェルナンさんの実家、男爵家はスフェール王国では正式な貴族家。

王国貴族の趣味のひとつが狩猟なのだ。
一応、これは武道や戦闘の訓練も兼ねている。
多分、フェルナンさんに狩猟の経験はあるだろう。

但し、貴族の狩猟は自領内で行われ、雇われた大勢の勢子が獲物を追い立て、
ベストポジションで待機していた貴族が狩るという仕組み。

それ以外にスタッフを雇い、準備にもいろいろ時間と金がかかる。

猟師が生活の為に行うシビアな狩りとは違い、
貴族が行う狩猟は、すげえコストがかかる、ぜいたくな娯楽でお遊びなのだ。

だから、貧乏騎士爵家3男坊の俺は貴族が行う狩猟をやった事がないし、
派閥の親分である寄り親の狩猟に駆り出され、勢子役を務めたくらい。
なので、狩りの雰囲気、勝手くらいは知っている。

「はあ、まあ……狩りの経験はありますが」

口ごもるフェルナンさん。
そんなヘタレな態度を見て、遂にバスチアンさんが切れる。

まずは轟くような大声で一喝。

「ごらああ!!! 新人3号!!!」

「ひえ!!! ひえええ!!!」

そして恐れおののくフェルナンさんへ、悪鬼のような表情で言う。

「だったら! 今夜の晩飯は、俺に任せてください! 熊鍋にします! くらい、言ってみろや! あんまし情けない事ばっか言ってると、てめえを原野へ叩き出すぞ!」

「す、すびばせん~~!」

こうして……
涙目で謝るフェルナンさんを残し、まず俺とシャルロットさんが、『散歩』に出発。

続いて、時間差でバスチアンさん、セレスさんも、
俺たちのお目付役として出発したのである。
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