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第44話「俺は、シャルロットさんを、どんどん好きになっている」
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俺たち3人は、腹這いになって、手と足で地面をするように、
前進を開始した。
先頭をバスチアンさんが全く隙のないみのこなしで……
敵が出現しないか、周囲を注意しながら、ネコ科肉食獣のように音もなく歩き、
続いて、新人3人、俺、シャルロットさん、フェルナンさんの順。
最後方からセレスさんが、周囲に注意しながら歩いている。
バスチアンさんは前方で歩いているのが見え、様子が分かるが……
後の3人は肉眼で視認は出来ない。
見えない3人の様子がはっきりと分かるのは、『勘働き』のお陰。
位置、行動だけでなく、意識を集中すれば、意思、感情まで伝わって来る。
やはり、俺の勘働きは、どんどんスケールアップしているのが分かる。
俺がグランシャリオに指名されたのは、この『勘働き』が原因なのかな?
ローラン様が、この勘働きを見抜き、俺は見込まれた?
バスチアンさんの言っていた、ローラン様の持つ『相人眼』というのは、
隠された人間の特技や能力を見抜くものなのだろうか。
そんな事を思いつつ、俺は、泥まみれ、草まみれになり、ひたすらほふく前進。
後方のシャルロットさん、フェルナンさんからも同じく泥まみれ、草まみれだろう。
ふたりからは、もう嫌! 辛い! やめたい! 逃げたい! 帰りたい!
などという、厭世的な感情の波動が伝わって来る。
一方、俺はといえば、そうきつくはない。
そう、実はシーニュ仮所属時代に、ほふく前進は結構やった。
というか、やらされた。
なので、数百mくらいはほふく前進しても、平気かもしれない。
さすがに、10㎞やれと言われたら、参ってしまいそうだが。
……長いとも思える時間の中、俺たち新人3人はひたすらほふく前進。
ちなみに、俺は俺で、勘働きを使い、周囲の索敵を行ってはいた。
「よし! ここまででい~だろ! 本日の訓練は終了!」
とバスチアンさんがストップをかけたのは、ほふく前進を開始し、
1時間ほど経った頃だった。
ほふく前進した距離は多分、ざっと1㎞くらいだろう。
俺は回復魔法不要であったが、シャルロットさんは2回、フェルナンさんは1回、
セレスさんから、かけて貰っていた。
そうでなければ、同期ふたりは到底、1時間のほふく前進は無理だったと思う。
「はああ……」
「ふうう……」
訓練終了という解放感も合わせ、
疲れ切った様子で、大きなため息をつく、シャルロットさんとフェルナンさん。
そんなふたりを見て、俺はひとつ思いついた。
フェルナンさんには、申し訳ないが、
ここは俺の鍛錬を兼ね、彼女孝行させて貰おうと。
「バスチアンさん、セレスさん。もういっちょ、俺だけ訓練して構いませんか?」
「おう! 新人1号、内容にもよるが、構わないぜ」
「うふふ♡ エルヴェ君ったらまだまだ元気ね。どのような訓練かしら?」
「はい! 俺、訓練を兼ねて、ロッジまで、シャルロットさんをおぶり、走って戻ります」
と、言ったら、シャルロットさんはびっくり。
驚いた声が出ないよう、口に手をあててた。
でもバスチアンさん、セレスさんは面白がり、
「おう! お前なら、魔物、獣が襲って来ても問題ね~と思うし、やってみろや! 新人2号がおんぶを嫌がらねえって、条件付きでな」
「うふふ♡ 素敵ねえ♡ 青春よねえ♡」
と許可をくれたので、シャルロットさんに「どうか?」と聞けば、
「ぜひぜひ! よろしくお願いします!」
と頬をあからめながら、嬉しそうに快諾してくれたのである。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
俺が背を向け、少しかがむと、
シャルロットさんは、おずおずと、俺の背に乗って来た。
手を回し、シャルロットさんの身体を支えると、
彼女の小さなお尻の感触が伝わって来た。
と、同時に。
シャルロットさんは落ちないよう、俺の肩を強く強く、つかんだ。
ちょっち痛い。
「うぐぐ……」
言葉を出せず、唸るシャルロットさん。
でも、俺には分かる。
苦しいのではないと。
俺から優しくされて、嬉しくて、嬉しくて、感極まって、
エルヴェという俺の名前、そして愛の言葉を思いっきり呼びたくて、
一生懸命我慢しているみたい。
素直に、シャルロットさんが、可愛いと思う。
俺は、シャルロットさんを、どんどん好きになっている。
一途に、健気に、俺の事を想ってくれるからだ。
勘働きで分かる。
自分で言うと、べたで照れるが、俺を愛する波動が伝わって来るのだ。
俺は実家で血を分けたくそ兄貴たちから、厄介払いされ追い出され、
仮所属したクラン『シーニュ』では、ミランダを始め、クランメンバーから、
ゴミのように扱われ、ひとりの人間として、見て貰えなかった。
夢も希望もなく、世の中が嫌になった事が何回もある……
……そんな状況が、ドラフト一位指名され、がらりと変わりつつあった。
俺には目標が出来た。
ローラン様以下、クラングランシャリオのメンバーに認められ、本契約し、
クランメンバーになる事だ。
グランシャリオのクランメンバーになって、ざまあして、俺を馬鹿にした全ての奴らを見返してやりたい。
そして、愛する女性、シャルロット・ブランシュを慈しみ、守って行きたい。
俺はシャルロットさんを、しっかりおぶり直すと、
「では、お先に失礼します」
と言い、軽快に走り出したのである。
前進を開始した。
先頭をバスチアンさんが全く隙のないみのこなしで……
敵が出現しないか、周囲を注意しながら、ネコ科肉食獣のように音もなく歩き、
続いて、新人3人、俺、シャルロットさん、フェルナンさんの順。
最後方からセレスさんが、周囲に注意しながら歩いている。
バスチアンさんは前方で歩いているのが見え、様子が分かるが……
後の3人は肉眼で視認は出来ない。
見えない3人の様子がはっきりと分かるのは、『勘働き』のお陰。
位置、行動だけでなく、意識を集中すれば、意思、感情まで伝わって来る。
やはり、俺の勘働きは、どんどんスケールアップしているのが分かる。
俺がグランシャリオに指名されたのは、この『勘働き』が原因なのかな?
ローラン様が、この勘働きを見抜き、俺は見込まれた?
バスチアンさんの言っていた、ローラン様の持つ『相人眼』というのは、
隠された人間の特技や能力を見抜くものなのだろうか。
そんな事を思いつつ、俺は、泥まみれ、草まみれになり、ひたすらほふく前進。
後方のシャルロットさん、フェルナンさんからも同じく泥まみれ、草まみれだろう。
ふたりからは、もう嫌! 辛い! やめたい! 逃げたい! 帰りたい!
などという、厭世的な感情の波動が伝わって来る。
一方、俺はといえば、そうきつくはない。
そう、実はシーニュ仮所属時代に、ほふく前進は結構やった。
というか、やらされた。
なので、数百mくらいはほふく前進しても、平気かもしれない。
さすがに、10㎞やれと言われたら、参ってしまいそうだが。
……長いとも思える時間の中、俺たち新人3人はひたすらほふく前進。
ちなみに、俺は俺で、勘働きを使い、周囲の索敵を行ってはいた。
「よし! ここまででい~だろ! 本日の訓練は終了!」
とバスチアンさんがストップをかけたのは、ほふく前進を開始し、
1時間ほど経った頃だった。
ほふく前進した距離は多分、ざっと1㎞くらいだろう。
俺は回復魔法不要であったが、シャルロットさんは2回、フェルナンさんは1回、
セレスさんから、かけて貰っていた。
そうでなければ、同期ふたりは到底、1時間のほふく前進は無理だったと思う。
「はああ……」
「ふうう……」
訓練終了という解放感も合わせ、
疲れ切った様子で、大きなため息をつく、シャルロットさんとフェルナンさん。
そんなふたりを見て、俺はひとつ思いついた。
フェルナンさんには、申し訳ないが、
ここは俺の鍛錬を兼ね、彼女孝行させて貰おうと。
「バスチアンさん、セレスさん。もういっちょ、俺だけ訓練して構いませんか?」
「おう! 新人1号、内容にもよるが、構わないぜ」
「うふふ♡ エルヴェ君ったらまだまだ元気ね。どのような訓練かしら?」
「はい! 俺、訓練を兼ねて、ロッジまで、シャルロットさんをおぶり、走って戻ります」
と、言ったら、シャルロットさんはびっくり。
驚いた声が出ないよう、口に手をあててた。
でもバスチアンさん、セレスさんは面白がり、
「おう! お前なら、魔物、獣が襲って来ても問題ね~と思うし、やってみろや! 新人2号がおんぶを嫌がらねえって、条件付きでな」
「うふふ♡ 素敵ねえ♡ 青春よねえ♡」
と許可をくれたので、シャルロットさんに「どうか?」と聞けば、
「ぜひぜひ! よろしくお願いします!」
と頬をあからめながら、嬉しそうに快諾してくれたのである。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
俺が背を向け、少しかがむと、
シャルロットさんは、おずおずと、俺の背に乗って来た。
手を回し、シャルロットさんの身体を支えると、
彼女の小さなお尻の感触が伝わって来た。
と、同時に。
シャルロットさんは落ちないよう、俺の肩を強く強く、つかんだ。
ちょっち痛い。
「うぐぐ……」
言葉を出せず、唸るシャルロットさん。
でも、俺には分かる。
苦しいのではないと。
俺から優しくされて、嬉しくて、嬉しくて、感極まって、
エルヴェという俺の名前、そして愛の言葉を思いっきり呼びたくて、
一生懸命我慢しているみたい。
素直に、シャルロットさんが、可愛いと思う。
俺は、シャルロットさんを、どんどん好きになっている。
一途に、健気に、俺の事を想ってくれるからだ。
勘働きで分かる。
自分で言うと、べたで照れるが、俺を愛する波動が伝わって来るのだ。
俺は実家で血を分けたくそ兄貴たちから、厄介払いされ追い出され、
仮所属したクラン『シーニュ』では、ミランダを始め、クランメンバーから、
ゴミのように扱われ、ひとりの人間として、見て貰えなかった。
夢も希望もなく、世の中が嫌になった事が何回もある……
……そんな状況が、ドラフト一位指名され、がらりと変わりつつあった。
俺には目標が出来た。
ローラン様以下、クラングランシャリオのメンバーに認められ、本契約し、
クランメンバーになる事だ。
グランシャリオのクランメンバーになって、ざまあして、俺を馬鹿にした全ての奴らを見返してやりたい。
そして、愛する女性、シャルロット・ブランシュを慈しみ、守って行きたい。
俺はシャルロットさんを、しっかりおぶり直すと、
「では、お先に失礼します」
と言い、軽快に走り出したのである。
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