冒険者クラン新人選択希望会議でドラフト1位指名された無名最底辺の俺が、最強への道を歩みだす話!

東導 号

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第66話「俺はまたしても、驚き、のけぞってしまった」

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午前中のメニューは、全員参加で昨日と同じ基礎訓練。

改めて、準備運動、ストレッチ、を入念に行った後、

訓練場周回持久走を1周の10㎞、ほふく前進を500m、
回訓練場周回持久走を1周の10㎞、を無難にこなした。

ローラン様、バスチアンさん、セレスさん、クリスさんたち、
レギュラクランメンバーは、当然、難なくこなしたが、
俺、シャルロットさん、フェルナンさんの新人3人も、
回復魔法のケアもあり、さほど問題なくクリアした。

さてさて!
問題は午後、ローラン様と俺、マンツーマン指導で、
特に初めて行う魔法訓練だ。

いやあ、でも戸惑ってる。

魔法訓練って言っても、一体、何やるの?というのが本音だもの。
当然俺は、魔法の訓練など受けた事はない。

ここで補足します。
俺の一般的な浅い知識。

……そもそも魔法使いの才能を見出され、目指す者は、
魔法学校に入学し、学びつつ訓練する。

更に先を求める者は、魔法大学へ進み、
同じく学びつつ、訓練するのが王道なのである。

それぐらいは、さすがに俺でも知っている。

しかし、進路のイメージはあっても、
具体的にどのように学び、訓練を行うのかが、分からない。

まあ、良いや。
さすがにローラン様、もしくは誰かが教えてくれるだろう。

ちょっち、悩んでいるうちに、あっさり剣技訓練の開始である。

昨日と同じく、雷撃剣を構え、俺はローラン様と対峙した。

呼吸を整え、ダッシュし、打ち込んでいく。

むむむ!
昨日の戦いで、コツとローラン様の癖を見抜いた!
と思ったが甘かった。

ぶん!ぶん!ぶん!ぶん!

空振り!空振り!空振り!空振り!の嵐!!

身体能力、勘働き全開で挑むも、

当たらねえ!当たらねえ!当たらねえ!
俺の斬撃が、当たらねえよおお!!

バスチアンさんには良い勝負が出来たのに!

そうかあ!
分かったぞ!

バスチアンさん同様、ローラン様も、ギアを何段階か、上げたんだ。
まだまだ本気じゃなかったって事だ。

さすが英雄!
さすがカリスマ!
さすがランクS!
マエストロ、ローラン様!

ちっくしょ~!
遊ばれてたのか!

悔しい!
でも、負けねえぞ!俺!

結局、昨日より命中率は落ちてしまう。

……そんなこんなで、打ち合う事、約1時間、剣技の訓練は終了した。

互いにタオルで汗を拭く、ローラン様と俺。

う~ん。
満足とはいえないが、まあ積み重ねだし、
一歩、否、半歩くらいは前進したと信じたい。

という事で、遂に魔法使いとなる訓練へ。

切り替えて、集中しよう。

さあて、気になる指導方法はいかに?

「よし、エルヴェ君、まずは深呼吸してくれるか?」

え?
最初は深呼吸?

何、それ?
これが魔法の訓練?

確かに深呼吸すれば、落ち着いて精神統一出来るくらいは知ってるけど。
俺もよくやるし。

少し噛みながら、ローラン様へ尋ねてみる。

「し、深呼吸ですか? ローラン様。どのように深呼吸しますか?」

「ああ、エルヴェ君の思うまま、一番リラックス出来るよう、好きにやってくれて構わない」

ローラン様はそう言うと、にっこりと笑ったのである。

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

す~は~、す~は~、す~は~、す~は~、す~は~、
す~は~、す~は~、す~は~、す~は~、す~は~、

す~は~、す~は~、す~は~、す~は~、す~は~、
す~は~、す~は~、す~は~、す~は~、す~は~、

俺はひたすら、自由に思うがままに息を吸い、吐いた。

何回も、何回も、何回も、何回も。

……すると、いつもの通り、気持ちが落ち着き、精神集中する事が出来た。

俺が深呼吸する様子を、ローラン様は微笑みながら見つめている。

「ふむ、良いだろう。深呼吸をした事で、エルヴェ君の体内魔力がみなぎってきたようだ」

「え? ローラン様。俺の体内魔力が? みなぎってきた? それって、分かるのですか?」

「うむ、君が放つ波動から、体内魔力が活性化しているのが分かる」

成る程。
ローラン様は、俺が放つ波動から体内魔力の活性化が分かるのか。

俺の勘働きとは違うみたいだ。

いや、勘働きのスキルも持っている事も考えられるぞ。

つらつらと考える俺へ、ローラン様は言う。

「体内魔力が活性化しただけではない。君は集中力を増し、精神も良いバランスを保っているよ」

確かにと、言われてみれば俺も納得した。

戦う前等々、気合を入れなきゃと思う時、
いつも深呼吸をしている事は正しかったとも。

しかし!

ここで再び、いきなり、どかん!と、予備動作なしの衝撃発言がさく裂する。

「私には分かるんだ。エルヴェ君には、シャルロット君同様に、魔法使いとして、複数属性魔法使用者マルチプルの素質が眠っている」

「ええええ~~!!?? マママ、複数属性魔法使用者マルチプルううう!!??」

俺はまたしても、驚き、のけぞってしまった。

魔法使いの素質があると言うだけでも驚きなのに……
稀少な上級魔法使い、複数属性魔法使用者マルチプルの素質!!!

おいおいおい!

とんでもなくね!?

シャルロットさんの時と同じく、
ローラン様の持つスキル相人眼で、見抜いたのだろうか?

「ふふふ、これがどういう意味か、分かるかい? エルヴェ君」

ローラン様はそう言うと、意味ありげな笑みを俺へ向けて来たのである。
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