冒険者クラン新人選択希望会議でドラフト1位指名された無名最底辺の俺が、最強への道を歩みだす話!

東導 号

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第105話「何だ、何だ、何だよ。門番の態度といい、大勢の出迎えといい、俺の時とは大違いだ!」

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ローラン様は、ブラントーム伯爵との会見の段取りをすぐつけてくれた。

すぐ出かけようと言う話となり、ローラン様は家令さんへ命じ、
馬車の支度をしてくれた。

ローラン様の屋敷から、ブラントーム伯爵邸はさほど離れてはいない。

歩いて行ける距離ではある。

だが魔王を倒した英雄、マエストロと称されるローラン様が、
上級貴族の家へ訪問するのだ。

さすがに徒歩というわけにいかない。 

というわけで、4人で馬車に乗り込み、出発する。

馬車の客室内で、少し打合せをする。

ローラン様から話を聞き、『準備の良さ』に少し驚く。

全員驚いていたが、俺が見習いたいのはローラン様の深謀遠慮。

まず、ブラントーム伯爵家とアングラ―ド侯爵家へ綿密な調査をかけていた事。
聞けば、フェルナンさんの事情を聞いてから、すぐ某秘密のルートへ頼み、
詳しく調べて貰ったという。

また推薦書もすぐに書いて、用意してくれていた。
勿論、持参してくれていた。

他に、フェルナンさんの契約書の写しもあった。

ローラン様が言う。

「フェルナン」

「は、はい」

「いくつか、確認させて欲しい」

「は、はいっ」

「まずは、推薦状とともに、君の本契約書の写しを伯爵に渡す。構わないな?」

「はい! 構いません! 本契約の確認という形になりますから!」

「よし! 次に先方で伯爵とお会いした時、オレリアさんも同席して貰う形になると思う。同席しない場合、私はオレリアさんの同席を求めるが、こちらも構わないな?」

「はい! 全然構いません! 大丈夫です!」

「うむ、そこでだ。万が一、オレリアさんが、君との結婚の意思がないと言った場合……」

「そ、そんな事はありえません!」

「フェルナン、私の話を最後まで聞きなさい」

ローラン様は、ぴしゃりと言い、話を続ける。

「も、申し訳ありません……」

「うむ、万が一、オレリアさんが君との結婚の意思を否定した場合、そのままだと、今回の話はなかったこととなってしまう。だから、お父上の伯爵に不条理に彼女の意思を曲げられていないか等々、念の為、いろいろ確認をさせて貰う」

「そ、それは……」

「いろいろ確認というのは、何かイレギュラーな事が起こった場合、原因には、様々な可能性があるという事だ」

「何かイレギュラーな事が起こった場合、原因には、様々な可能性がある……」

「ああ、そうさ。結婚を拒否するのが、彼女本人の意思なのか? 伯爵本人の意思なのか? それともアングラ―ド侯爵の外圧なのか? もしくは全く違う原因なのか、確かめねばならない。それぞれで対処方法が違ってくる」

「は、はい……分かりました」

「まあ、そんな事がなければ、私はフェルナンを才能と将来性のある男だと伯爵に告げ、推薦状と契約書の写しを渡し、その場で君が結婚を申し込むのを良縁だと言うのみさ」

……そうだよなあ。

世の中に絶対はない!

と、良く言われるし。

万が一、オレリアさんが、フェルナンさんとは結婚しませんとか言い出したら……
フェルナンさんの勘違いじゃね?とかいう話にもなってしまう。

そんな事は起こりませんようにと、俺は祈っていたのである。

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

ややこしい話にはならないように……

当事者のフェルナンさんは勿論、深謀遠慮のローラン様、
そしてシャルロットも同じ気持ちだろう。

……やがて馬車は、ブラントーム伯爵邸に到着した。

お約束というか、正門の前には詰め所があり、騎士数名が門番兼警護役として、
来訪者をにらみつけるようにして、確認を行っていた。 

伯爵邸への来訪者は、名乗り、身分証等身元がはっきりするものを提示し、
用件を伝えなければならない。

しかし!しかし!しかし!

御者がローラン様だと告げ、ローラン様自身も窓から、ローランだと言い放つと、
即座にOKが出て、ほぼ顔パス。

「これはこれは、ローラン様!! お顔を拝見出来て光栄でございます!! 伯爵がお待ちかねです!! どうぞお通りくださいませ!!」

成る程!
ほぼ顔パスなのに加え、来訪が伝わっていたら、問題なくスルーって感じなのだ。

正門が大きく開かれ……馬車が邸内へ入る。

大勢の気配を感じていたが……どうしてかすぐに分かった。 

伯爵邸本館の玄関には、ブラントーム伯爵以下、オレリアさんらしき女性、
数多の使用人たちが勢ぞろい?レベルで並んでいたのだ。

更に全員が、にこにこにこと満面の笑みを浮かべており、
文句なしに大歓迎!という雰囲気である。

その様子を見たフェルナンさん。

「何だ、何だ、何だよ。門番の態度といい、大勢の出迎えといい、俺の時とは大違いだ!」

苦々しい表情で吐き捨てるように言い、

「ははははは」

「ははははは」

「うふふふふ」

と、ローラン様、俺、シャルロットに笑われてしまったのである。
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