冒険者クラン新人選択希望会議でドラフト1位指名された無名最底辺の俺が、最強への道を歩みだす話!

東導 号

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第106話「ふむ、フェルナン君が伯爵の愛娘オレリア殿の幼馴染……それは素晴らしい事だ」

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門番兼警護役の笑顔のスルーと、当主ブラントーム伯爵以下、総出のお出迎え。

「何だ、何だ、何だよ。門番の態度といい、大勢の出迎えといい、俺の時とは大違いだ!」

フェルナンさんは、自分が訪問する時との格差を大いに嘆いていたが、
ローラン様、俺、シャルロットはついつい苦笑してしまった。

悔しがるフェルナンさんがこのブラントーム伯爵邸を訪問する際、
塩対応というまで、酷くはないが、大歓迎というわけではないらしい。

まあ、仕方がない。

片や、魔王退治を為しえた国民的な英雄。
こなた、子爵家子弟とはいえ、実績皆無で一介の無名冒険者。

扱いに大差がつくのは当然、致し方ないと思う。

そんなこんなで、馬車が玄関前に横付けされ、
扉が開き、まずローラン様が降り立った。

おお、降り立った姿も決まっていて、カッコイイ!

ローラン様の姿を認めたブラントーム伯爵以下、お出迎え軍団は、

「おおお!!!」と、どよめいた。

うお!
熱烈大歓迎!の波動が半端ねえ!

対して、微笑むローラン様も軽く片手を挙げて余裕しゃくしゃく。

まるで高貴な王族みたい。

スター感も半端ねえ!

続いて降りた、俺、シャルロット、そしてフェルナンさんは華麗にスルー。

まあ、そうなるだろうなあ。

ブラントーム伯爵が声を張り上げる。

「これはこれは、ローラン様。当家へ良くぞいらっしゃいました!」

さすがに名前は知ってるが、面識のなかったブラントーム伯爵を初めて見た。

栗毛の短髪、クラシックな彫りの深い顔立ちのイケメン。
年齢は、40代前半ってとこか。

ブラントーム伯爵の傍らに寄り添う、フェルナンさんの想い人、
伯爵令嬢彼女さんこと、オレリア・ブラントームさん。

お父さんがイケメンだけあって、端麗な顔立ちの栗毛美人。
年齢はフェルナンさんと同じ18歳だという。

ふたりは他のお出迎え同様、じっとローラン様を見つめていた。

フェルナンさんが馬車から降りた時、ちらっとオレリアさんの視線が向いたから、
少し安心した。

やはり気になるんだなあと。
でも、微笑んでいるから、フェルナンさんが本契約を勝ち取って嬉しいのだろう。

ブラントーム伯爵がオーバーアクションな身振り手振りで、

「さあ! どうぞ! ローラン様! 中へお入りくださいませ!」

こういう場合、家令さんとかが案内するが、当主自らご案内。

本館の中へ……

中へ入っても、相変わらず俺たち新人3人はスルー。

熱烈大歓迎されるローラン様の後につき、ゆっくりと歩いて行ったのである。

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

ブラントーム伯爵自らが先導。

ローラン様以下俺たちは、広い客間に通された。

かけるように言われた長椅子、椅子を始め家具、調度品は高価そうなものばかり置いてある。

どうやら、この屋敷で一番立派な、上客向きの部屋のようだ。

「俺、この部屋へ入るの……初めてだ」

などと、つぶやくフェルナンさん。

ブラントーム伯爵が仕切り、メインの長椅子へローラン様がひとりで座り、傍らに置かれた椅子3つに、俺、シャルロット、フェルナンさんが座った。

ローラン様の対面の長椅子に、ブラントーム伯爵とオレリアさんが座る。

ブラントーム伯爵が言う。

「改めて申し上げます。マエストロ、ローラン様。ようこそ、当ブラントーム家へいらっしゃいました」

「お会いするのは久しぶりですね、ブラントーム伯爵」

「はい、お久しぶりです。お元気にお過ごしでしょうか?」

「はい、元気ですよ。最近王宮では……」

などの世間話がしばらく続いた。

ローラン様は強いだけでなく、話術も巧みで座持ちも上手い。
場が盛り上がり、全員が笑顔になる。

俺も見習いたいと思う。

そして頃合いと見たのか、ローラン様は『本題』を切り出して来た。

「伯爵」

「はい」

「今日はこのたび我がグランシャリオへ入る事となった、新人3人を連れて来ました」

「はい、今、王都はその3人の噂で持ち切りですね」

「ええ、この3人は私が持つスキル相人眼で見込んだ素晴らしく有望な新人です」

「素晴らしく有望な……新人ですか」

「ええ、そうです。この中のひとり、フェルナン・バシュレ君は伯爵も良くご存じのようで」

「は、はい! フェルナンは、ウチの娘オレリアの幼馴染ですからな」

「ふむ、フェルナン君が伯爵の愛娘オレリア殿の幼馴染……それは素晴らしい事だ」

意味深なローラン様の言葉……
ブラントーム伯爵は意味をはかりかねたのか、首をかしげる。

「はあ、素晴らしい……ですか?」

「はい、フェルナン君は今回の研修でウチのバスチアンにみっちり鍛えられ、剣技が著しく上昇しました。今や師匠役のバスチアンとも互角に渡り合えるほど。私も何回か剣を交えましたが、相当な腕前です」

「おお、それはそれは、確かに素晴らしい! ……マエストロとともに、魔王軍を倒したバスチアン殿と……フェルナンがそこまでの腕になったとは……とても驚きました」

「はい、なので、私はフェルナン君とグランシャリオの本契約を締結しようと決めましたよ」

「成る程。話は聞いていましたが、そうだったのですか」

「はい、フェルナン君の強さは私ローラン・ケーリオが保証します。……ちなみにこれがフェルナン君の契約書です。写しですがね」

ローラン様はそう言うと、ブラントーム伯爵へ契約書の写しを渡した。

「え? 私が拝見してもよろしいのですか? ……おい、フェルナン?」

契約書は……個人情報である。
契約金を始め、様々な内容が記載されている。

驚いたブラントーム伯爵はまずローラン様へ、
そしてフェルナンさんへも尋ねたのである。
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