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第107話「うお! これはローラン様のナイスフォロー」
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ローラン様から、フェルナンさんの『本』契約書を受け取ったブラントーム伯爵は、
念入りに読み始めた。
俺とフェルナンさんの契約書は、契約金、条件等々、
いろいろな部分が違っているだろう。
そう思ったのには理由がある。
じっくり話した上で、俺はシャルロットと契約書を交換し、互いの内容を見たが、
いくつも違う部分があった。
ドラフトの指名順位に基づいた各自の資質、研修の評価が、
加味されているに違いない。
だが、普通はこのように契約書を他人になど見せない。
俺とシャルロットは将来を誓い合ったから「見せっこ」したのだが。
ちなみに俺とシャルロットは、フェルナンさんの契約書を見てはいない。
なので、今ブラントーム伯爵が読み込んでいる契約書の内容を知らないのである。
「お、おい! フェルナン! お、驚いたぞ!」
「そうですか」
「ああ、グランシャリオの本契約だから高いとは思っていたが……け、契約金が金貨1万5千枚!? 年俸は基本給、金貨2千枚だって!? ほ、本当か!?」
「はい、伯爵。契約書に記載してある通りです。他にも諸手当が付きますし、依頼を完遂すれば随時、インセンティブを受け取る事も出来ます。頑張れば年俸も、もっとアップすると思います」
「そ、そうか! この条件はウチの従士長レベルだ。王国の新人騎士など、この1/5くらいだぞ」
補足しよう。
従士長とは貴族家でお抱え騎士を取りまとめる隊長という立場の役職である。
「はい、ありがたいと思います! 自分はローラン様の評価に報いるべく頑張ります!」
再び補足しよう。
その貴族家にもよるが、お抱え騎士の報酬は、推定で契約金が金貨3千枚。
年俸で金貨400~500枚程度。
ちなみに、冒険者でいえば他のクランのドラフト指名者の契約条件は千差万別だが、
こちらもほぼ同じく、推定で、大体契約金が金貨1千枚から3千枚、
年俸は金貨300枚から500枚だという。
念の為、俺が提示されたのはとんでもなく破格の条件。
だが、フェルナンさんの契約内容を比べても、
いかにグランシャリオの本契約が突出しているかが分かる。
ローラン様は、フェルナンさんの実力をブラントーム伯爵へ伝え、
更に高額の報酬も伝え……
オレリアさんの結婚相手として、
フェルナンさんが、いかに素晴らしいかと、高いステータスを認識させたのである。
ここでローラン様が手招き。
「フェルナン、こちらへ来なさい。そして座らず私の脇……オレリア殿の前で立ちなさい」
「は、はい!」
フェルナンさんは立ち上がると、ローラン様の座る長椅子の脇へ立った。
ちょうど、テーブルをはさみ、オレリアさんの対面となり、見下ろす形となる。
驚いたのはブラントーム伯爵である。
「え? ローラン様? な、何を?」
しかしローラン様は華麗にスルー。
「よし! フェルナン! そのままオレリア殿へ、自分の気持ちを述べなさい!」
「はいっ!」
大きく返事をしたフェルナンさんは、数回深呼吸し、
オレリアさんをじっと見つめ、一気に、
「オレリア・ブラントーム殿! 貴女を必ず幸せにすると! 創世神様へ誓います! どうか! このフェルナン・バシュレと! 結婚してくださいっ!」
はきはきと、プロポーズの言葉を言い放ったのである。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
何度も何度も練習したに違いない……
フェルナンさんがプロポーズの言葉を述べた瞬間!
シーンと部屋が静まり返り、まるで時間が止まったような感覚を覚えた。
ここで口を開いたのは、ローラン様である。
「オレリア殿」
「は、はい!」
「私が責任を持つ。何のしがらみも考えず、貴女の素直な気持ちで、フェルナンへ返事をしてあげてくれるかな」
うお!
これはローラン様のナイスフォロー。
万が一、いろいろしがらみがあったとしても……
ローラン様が責任を持つ、素直な気持ちで返事をと言えば、
オレリアさんも本心を言う決心がつく。
ローラン様の言葉を聞き、オレリアさんは、感極まったようだ。
目がうるうるしている。
涙があふれそうになっている。
さすがに、俺の勘働きで彼女の心を探ろうとは思わない。
そんな無粋な事はしない。
だが、オレリアさんは、父のブラントーム伯爵から、
侯爵家との見合い絡みで、何かを言われた可能性はあるかもしれない。
「ふう」と息を吐き、オレリアさんは、「すっく」と立ちあがる。
気持ちを決めたようだ。
じっと、フェルナンさんを見つめる。
対してフェルナンさんも、じっとオレリアさんを見つめていた。
ふたりの視線が交差。
「フェルナン・バシュレ様! 私オレリア・ブラントームはフェルナン様を心から、お慕いしております! 貴方様のプロポーズを謹んでお受け致します!」
やったあああ!!!
プロポーズ大成功!!!
思わず声が出そうになったのを俺は必死で抑え、シャルロットを見れば、
「良かったね」と言わんばかりに、うんうんと頷いていた。
そしてフェルナンさんとオレリアさんを見れば、
さすがに、ブラントーム伯爵の目の前で抱き合うわけにはいかなかったのだろう。
ふたりで見つめ合い、テーブル越しに手を伸ばし、
ぎゅぎゅぎゅ! と握り合っていたのである。
念入りに読み始めた。
俺とフェルナンさんの契約書は、契約金、条件等々、
いろいろな部分が違っているだろう。
そう思ったのには理由がある。
じっくり話した上で、俺はシャルロットと契約書を交換し、互いの内容を見たが、
いくつも違う部分があった。
ドラフトの指名順位に基づいた各自の資質、研修の評価が、
加味されているに違いない。
だが、普通はこのように契約書を他人になど見せない。
俺とシャルロットは将来を誓い合ったから「見せっこ」したのだが。
ちなみに俺とシャルロットは、フェルナンさんの契約書を見てはいない。
なので、今ブラントーム伯爵が読み込んでいる契約書の内容を知らないのである。
「お、おい! フェルナン! お、驚いたぞ!」
「そうですか」
「ああ、グランシャリオの本契約だから高いとは思っていたが……け、契約金が金貨1万5千枚!? 年俸は基本給、金貨2千枚だって!? ほ、本当か!?」
「はい、伯爵。契約書に記載してある通りです。他にも諸手当が付きますし、依頼を完遂すれば随時、インセンティブを受け取る事も出来ます。頑張れば年俸も、もっとアップすると思います」
「そ、そうか! この条件はウチの従士長レベルだ。王国の新人騎士など、この1/5くらいだぞ」
補足しよう。
従士長とは貴族家でお抱え騎士を取りまとめる隊長という立場の役職である。
「はい、ありがたいと思います! 自分はローラン様の評価に報いるべく頑張ります!」
再び補足しよう。
その貴族家にもよるが、お抱え騎士の報酬は、推定で契約金が金貨3千枚。
年俸で金貨400~500枚程度。
ちなみに、冒険者でいえば他のクランのドラフト指名者の契約条件は千差万別だが、
こちらもほぼ同じく、推定で、大体契約金が金貨1千枚から3千枚、
年俸は金貨300枚から500枚だという。
念の為、俺が提示されたのはとんでもなく破格の条件。
だが、フェルナンさんの契約内容を比べても、
いかにグランシャリオの本契約が突出しているかが分かる。
ローラン様は、フェルナンさんの実力をブラントーム伯爵へ伝え、
更に高額の報酬も伝え……
オレリアさんの結婚相手として、
フェルナンさんが、いかに素晴らしいかと、高いステータスを認識させたのである。
ここでローラン様が手招き。
「フェルナン、こちらへ来なさい。そして座らず私の脇……オレリア殿の前で立ちなさい」
「は、はい!」
フェルナンさんは立ち上がると、ローラン様の座る長椅子の脇へ立った。
ちょうど、テーブルをはさみ、オレリアさんの対面となり、見下ろす形となる。
驚いたのはブラントーム伯爵である。
「え? ローラン様? な、何を?」
しかしローラン様は華麗にスルー。
「よし! フェルナン! そのままオレリア殿へ、自分の気持ちを述べなさい!」
「はいっ!」
大きく返事をしたフェルナンさんは、数回深呼吸し、
オレリアさんをじっと見つめ、一気に、
「オレリア・ブラントーム殿! 貴女を必ず幸せにすると! 創世神様へ誓います! どうか! このフェルナン・バシュレと! 結婚してくださいっ!」
はきはきと、プロポーズの言葉を言い放ったのである。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
何度も何度も練習したに違いない……
フェルナンさんがプロポーズの言葉を述べた瞬間!
シーンと部屋が静まり返り、まるで時間が止まったような感覚を覚えた。
ここで口を開いたのは、ローラン様である。
「オレリア殿」
「は、はい!」
「私が責任を持つ。何のしがらみも考えず、貴女の素直な気持ちで、フェルナンへ返事をしてあげてくれるかな」
うお!
これはローラン様のナイスフォロー。
万が一、いろいろしがらみがあったとしても……
ローラン様が責任を持つ、素直な気持ちで返事をと言えば、
オレリアさんも本心を言う決心がつく。
ローラン様の言葉を聞き、オレリアさんは、感極まったようだ。
目がうるうるしている。
涙があふれそうになっている。
さすがに、俺の勘働きで彼女の心を探ろうとは思わない。
そんな無粋な事はしない。
だが、オレリアさんは、父のブラントーム伯爵から、
侯爵家との見合い絡みで、何かを言われた可能性はあるかもしれない。
「ふう」と息を吐き、オレリアさんは、「すっく」と立ちあがる。
気持ちを決めたようだ。
じっと、フェルナンさんを見つめる。
対してフェルナンさんも、じっとオレリアさんを見つめていた。
ふたりの視線が交差。
「フェルナン・バシュレ様! 私オレリア・ブラントームはフェルナン様を心から、お慕いしております! 貴方様のプロポーズを謹んでお受け致します!」
やったあああ!!!
プロポーズ大成功!!!
思わず声が出そうになったのを俺は必死で抑え、シャルロットを見れば、
「良かったね」と言わんばかりに、うんうんと頷いていた。
そしてフェルナンさんとオレリアさんを見れば、
さすがに、ブラントーム伯爵の目の前で抱き合うわけにはいかなかったのだろう。
ふたりで見つめ合い、テーブル越しに手を伸ばし、
ぎゅぎゅぎゅ! と握り合っていたのである。
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