冒険者クラン新人選択希望会議でドラフト1位指名された無名最底辺の俺が、最強への道を歩みだす話!

東導 号

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第114話「何い!? ローラン様の従者ですって!?」

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玄関前には、出迎えの為、
アングラ―ド侯爵家のほぼ全員が大挙して、集まっていた。

馬車から降りたローラン様へ歓迎の声が投げかけられる。

これも既視感。
ブラントーム伯爵の時と同じだ。

「これはこれは、ローラン様! 我がアングラ―ド侯爵家へようこそいらっしゃいました!」

真ん中で歓迎のポーズを示しているのが、当主のアングラ―ド侯爵か。

さすが、面従腹背めんじゅうふくはい
つまり、表面的に服従する姿勢を示しつつ、内心は相手の命令に従う気がない。

ごり押しして、強権発動しようとした見合い話。
ブラントーム伯爵家と婚姻関係を結び、派閥を強化しようとしたらしい。

しかし、ローラン様の『フェルナンさん推薦』により、水泡と帰した。

アングラ―ド侯爵は、内心面白くないはずだ。

ふざけるなよ!と思っているに違いない。

しかし、しかし!
国王陛下と宰相に可愛がられ、王国貴族たちの支持を受け、王国民に絶大な人気を誇るローラン様に異を唱え、逆らうなど……

身を滅ぼしかねない自爆行為だと、分かり過ぎるくらいに分かっている。

だから笑顔で、大歓迎のポーズをするしかないのだ。

俺の勘働きのスキルで分かる。

アングラ―ド侯爵家は、心の内に秘めたる不満があるが、
それを自然に抑えつけている。

否、切り替えていると。

そう!
俺がこの訪問に同行を命じられた意味。

やりとりの場に同席し、アングラ―ド侯爵以下、相手の心情を探れというもの。

やばいか、やばくないか。
クロなのか、シロなのか。

ローラン様は俺の勘働きのスキル、全てを知るわけではない。

しかし、ローラン様の持つスキル『相人眼』により、
俺の勘が鋭い事により、相手の気持ちを読み取ったり、危機回避にも長けていると認識されていた。

「エルヴェは、アングラ―ド侯爵家のキーマンふたりの感情の動きに気を付けてくれ。お前の持つスキルなら、奴らの行動の先を予測出来るはずだ」

「わっかりました」

ちなみにアングラ―ド侯爵家のキーマンふたりとは、当主のアングラ―ド侯爵、
そして次期当主の息子だ。

まず当主のアングラ―ド侯爵だが……
勘働きで探ったところ、既出の通り、渋々だが、逆らおうとはしていない。
という事で、心境が変化する可能性はなくないが、今のところシロである。

ホッとしたのも束の間……

出迎えの人だかりの中から、とんでもない殺意を向けて来る者が居た。

父親のアングラ―ド侯爵に似た金髪巻き毛。
背はさほど高くないが、体重は100㎏を楽に超える巨漢。

手を振るローラン様を火が出るような視線でにらみつけていたのは、
トロールのボスとオークを足して2で割ったような風貌をした、
ウジューヌ・アングラ―ド、20歳。

オレリアさんと見合いをする予定だった、次期当主だったのである。

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

……ローラン様をにらみつけるウジューヌ・アングラ―ド。

普通なら、父親に倣い、内心はむかつくけど、表向きは笑顔で従う。
面従腹背めんじゅうふくはいするのが、まっとうな貴族……だと俺は思う。

それをこうまで露骨に、ローラン様をにらみつけるなんて、正気の沙汰ではない。

もしかして、ウジューヌ・アングラ―ドは、いわゆる無敵の人であろうか?

まあ、良い。

俺はアングラ―ド侯爵とウジューヌ・アングラ―ドを監視し、
奴らの感情の動きをローラン様へ報告するだけだ。

今回俺は、ローラン様の『従者』という立ち位置で随行している。

すすすっと、ローラン様の横へ行き、まじまじとウジューヌを見てやった。
いわゆる眼飛ばしだ。

差し支えなければ、ちょっち強めの『威圧』で、にらみ返してやりたい。

多分、シーニュのシーフ職同様、おしっこ漏らすだろうから。

それやったら、すっごく面白いと思う。
けど、大騒ぎ間違いなしだから、今はやらない。

なので、敢えて笑顔で見てやった。

そしたら、ウジューヌの奴、

「な、何だ? このガキは!?」

とか、ぬかしやがった。

ちなみに、俺とウジューヌは今回が初対面だ。

悔しいが、名誉貴族というか下級貴族の騎士爵3男ふぜいでは、
侯爵の息子と接する機会などないからね。

本来は、力関係から、うやうやしく接するところだが、
今の俺は、実家を追放され、冒険者になっているから、
貴族として、へりくだる必要はない……はず。

そもそもウジューヌは俺を知らない上に、興味もないだろうから。

と、ここでローラン様がフォロー。

「彼は、先のドラフト会議で一位指名し、このたび本契約したエルヴェ・アルノーです。本日は私の従者として、随行させています」

「何い!? ローラン様の従者ですって!?」

「ええ、そうです、ウジューヌ殿。今回ウチのクランがドラフト会議で指名した新人3名は、素晴らしい才能を見込み、全て本契約を締結しました。ちなみにフェルナン・バシュレもそのひとりですよ」

驚くウジューヌへ、ローラン様はにっこり笑い、言い放ったのである。
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