冒険者クラン新人選択希望会議でドラフト1位指名された無名最底辺の俺が、最強への道を歩みだす話!

東導 号

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第144話「うわ! フェルナンさんが、凄くベタな事を言ってる」

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今回の依頼の完遂報告は終了した。

少なくとも公的な冒険者ギルドへの報告だけは。

ここからの段取りはこうだ。

まず冒険者ギルドのギルドマスターから、アングラ―ド侯爵へ、
依頼完遂の報告が行く。

その際に、虚偽申請の話となる。

ギルドマスターとやりとりした上で、アングラ―ド侯爵の態度、対応がカギとなる。

更にローラン様は、アングラ―ド侯爵と直接話すに違いない。

その結果、侯爵が殊勝な態度で反省し、対応するのならば、最低限の処罰で済む。

謝罪、報奨金の大幅な割り増し、シュエット村への支援等だ。

しかし、侯爵が指摘を素直に受け入れず、謝罪なし、
シュエット村への支援なしだと、ローラン様から、厳しい制裁を喰らう事となる。

その厳しい制裁の内容が知りたいところだが、
アングラ―ド侯爵家への対応、処罰に関しては、政治的な側面もあり、
俺たち新人は勿論、ローラン様以外のクランメンバーも関わらない部分のようだ。

ローラン様がこの場に俺たちを同席させたのは、
内情の認識だけはしておくようにとの配慮だろう。

今回の件で俺たち新人の仕事はこれで終わり。
ローラン様へ一任するって事に。

全員ホテルへ戻り、今日はゆっくり休んで、
明日から山積している用事を片付けよう。

俺、シャルロット、フェルナンさんは、
冒険者ギルドから馬車でホテルまで送って貰った。

車中で相談。

内々の話もあるので、各自の部屋で着替えた後、
俺の部屋において3人で飯を食おうという事になった。

本当はレストランで、打ち上げとか、ぱ~っと、やりたかったが、
つい話に夢中となり、内々にしている部分を、周囲の客に聞かれたらまずい。

ホテルのレストランはオープンな場所だし、
どこの誰が見て聞いているか、分からないからね。

という事で、自分の部屋へ戻った俺はささっとシャワーを浴び、部屋着に着替え、
シャルロットとフェルナンさんを待つ事に。

30分少し経って、フェルナンさんが、
1時間近く経って、シャルロットが俺の部屋へ来た。

料理が出来上がるまで、少々かかるので、先にルームサービスを頼んでおく。
相談した結果、メニューを見て、それぞれが好きなものを頼む事に決めた。
飲み物も一緒に頼み、30分かからずに持って来てくれるという。

しばし雑談の後、ルームサービスが来た。

フェルナンさんが、笑えない事を言う。

「エルヴェ君、仮所属時のクランリーダー、ミランダ・ベルグニウーさんが『私を召し上がれ』って、ルームサービスを届けに来たらどうする?」

うわ!?
何それ!?

想像するだけで悪寒がする。

「あの……フェルナンさん」

「ん?」

「お願いしますから、おぞましい冗談はやめてください。先日、このホテルのロビーで、あいつに凸されたんですから、あんたの彼女になってあげるって」

「あははは、悪い!」

「そんな事言ってると、アングラ―ド侯爵の息子ウジューヌが超ストーカー化して、大暴走しますよ」 

「い、いや! そ、それだけは勘弁だ! か、考えたくない! お、俺が悪かった!」

ここで俺たちの会話を聞き、ドン引きしていたシャルロットから、

「もう! ふたりとも、いい加減にして!」

めっ! と叱られてしまった。

そんな『冗談』を言い合いながら、俺たちは届けられた料理と飲み物で、
ささやかな『打ち上げ』を始めたのである。

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

3人で「お疲れ様」を言い合い、乾杯。

俺がふたりより2歳年下だが、クランの先輩も居ない、気兼ねのない宴会。

ざっくばらんな会話に、場が盛り上がる。

「フェルナンさん」

「ん?」

「俺とシャルロットは、明日から新居探しをしますよ」

「うふふ、エル君と一緒に住むんですう♡」

俺にぴったり寄り添い、甘えるシャルロット。

そんな俺とシャルロットを見ても、フェルナンさんは苦笑するだけ。

以前は、ぐぎぎぎぎ! と歯噛みして悔しがっていたが、
オレリアさんとの幸せをつかんだ今は、余裕のよっちゃんである。

「あはは、同棲の為に部屋探しかい? 羨ましいよ。俺の方はブラントーム伯爵家へ、婿入りする形になるから、いろいろと調整が必要なんだ」

「やっぱり婿入りですか?」

「成る程、じゃあ、フェルナンさんは、フェルナン・バシュレから、フェルナン・ブラントームになるのね」

「ああ、オレリアの下へ婿入りして、フェルナン・ブラントームになるよ」

「じゃあ、フェルナンさんは未来の伯爵様。フェルナン・ブラントーム伯爵閣下だ」

「上級貴族だから、気軽にフェルナンさんなんて言えないわね、ブラントーム伯爵様って申し上げないと」

「あはは、やめてくれよ、ふたりとも。俺たち3人はさ、心の絆を結んだ同期として、ず~っと忌憚のない意見を言い合える、素敵な友情を育んで行くんだ」

うわ!
フェルナンさんが、凄くベタな事を言ってる。

実は俺もほぼ同じ事を言いたかったけど、少し恥ずかしいから、やめたんだ。

そんなこんなで、場は一層盛り上がり……
最後には全員でハイタッチをしてお開き。

その晩は、ひさびさにぐっすりと、ホテルのベッドで眠ったのである。
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