冒険者クラン新人選択希望会議でドラフト1位指名された無名最底辺の俺が、最強への道を歩みだす話!

東導 号

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第146話「ねえねえ! ひと目で彼氏持ちって分かるよう、指輪を買いたいな」

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俺とシャルロットは、現場担当らしき職員さんを手伝い、
お茶の用意をした。

まあ、普通はありえない。

いくら若輩の小僧と小娘でも、『客』がお茶の用意を手伝うなど。

これは実は俺の作戦。

グランシャリオのメンバーだからと、気をつかわれすぎて、
堅苦しくやりたくないからだ。

案の定、ブルレック部長は大慌てした。

俺たち3人でお茶とお茶菓子の用意をするところへ乱入。

あれやこれやと指示をし、何とかテーブルに並べる事が出来た。

結果、一緒にお茶の用意をした事が幸いしたのか、
現場担当らしき職員さんは勿論、ブルレック部長とも話しやすくなる

という事で仕切り直し。

俺とシャルロットは、ざっくばらん、フレンドリーに訪問の趣旨を話した。

こういう場合、本来は現場担当らしき職員さん、
ニコラ・ボージェと名乗った彼が担当で説明すると思うのだが、
やはり業務部長直々の応対である。

でも部長は客商売の王道を貫き、俺とシャルロットに対して敬語。

俺とシャルロットの話を聞き、

「エルヴェ様、シャルロット様が一緒にお住まいになる、物件をご提案すればよろしいのですね?」

「そうです、部長。基本は賃貸物件を考えていますが、もし販売物件で良いものがあれば、検討したいとは思います」

「成る程! 承知致しました。で、ご予算はどれくらいでしょうか?」

予算……これが一番肝心だ。
グランシャリオの本契約書の記載には、住宅費支給とある。
ある程度はカバーしてくれると思うが、
大豪邸を購入し、クランが肩代わりしてくれるとは思えない。

なので俺は無難な返事を戻す事に。
ちなみに予算の金額はシャルロットと相談し、ふたりで決めたものだ。

「はい、クランの福利厚生費との兼ね合いもありますが、販売物件なら金貨5,000枚以内、賃貸なら月額家賃金貨30枚から50枚くらいですかね」

相談した通りに伝えた俺の返事を聞き、
シャルロットは納得したように、うんうんと頷いている。

うん!
俺も納得。

俺が貰う金貨10万枚の契約金を考えて、
この金額なら万が一、クランからの補助金なしでも、販売物件が無理なく買える。

賃貸の家賃もこの範囲内なら、補助金でカバー出来るだろう。

対して、ブルレック部長は笑顔である。

結構な上客だ!
という歓喜の波動が伝わって来た。

合わせて、ローラン様のおぼえめでたいように、
予算内で、俺たちへ大サービスしようという波動も。

おお!
これなら、良い案件が見つかりそうだ。

場所は王都内で、ギルドからは徒歩10分以内。
治安が良く、隣人含め、近所付き合いに問題のない場所。

安全、防犯対策がしっかり為されている事。

他にもいろいろな条件を伝えた。

必須のもの、あればいいなと思うもの等々。

対してブルレック部長は言う。

「成る程! かしこまりました。ご予算には一応幅を持たせ、案件は販売、賃貸とも各、複数件数を、ご提案させていただきますよ。当然、ギルドの所属冒険者割引適用で、他に特典もたくさん、ばっちりつけさせていただきます!」

「部長! ニコラさん! ありがとうございます」
「ありがとうございます」

「はい、エルヴェ様、シャルロット様、普通ならばこの場でご提案案件を決め、すぐにおふたりを現地へご案内致しますが、申し訳ございません。本日1日だけお時間をいただき、より優良案件をご提案出来るよう、精査させていただきます。明日以降、改めておふたりへ、こちらからご連絡をさせていただきます」

「分かりました。では現在このホテルへ宿泊しておりますので、作業終了後、ご連絡をお願い致します」

俺はメモ用紙を貰い、宿泊しているホテル名と部屋番号を渡した。

「かしこまりました! 作業終了次第、すぐにホテルへご連絡をさしあげますね!」

という事で……ブルレック部長とニコラさんへ任せ、
俺とシャルロットは、冒険者ギルド不動産部を後にしたのである。

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

冒険者ギルド不動産部を後にした俺たちは、王都の街中へ……

デートを兼ね、新居用の家具と日用品を下見しようという事になった。

物を大切にするシャルロットは、今ひとり暮らしで使っているものは、
そのまま新居で大事に使いたいとも言う。

そういう心がけも好ましい。

さてさて!
既に店に目星はつけてある。

家具等の趣味の一致の問題はあるが、シャルロットの好みに重きを置き、
折り合いをつけるつもりだ。

まあ、あまり乙女チックにはならないよう、ブレーキはかけるつもりだが。

というわけでいくつも店を回って、いろいろと見た。

あれがいい、これがいいと、ふたりで大いに盛り上がる。

しかし……
改めて実感した。

愛する女子とのウインドウショッピングは実に楽しいと。

良く「女子の買い物はやたら長い」と言われるが、俺は全く苦にならなかった。

ここでひとつ、シャルロットから提案が。

「ねえねえ! ひと目で彼氏持ちって分かるよう、指輪を買いたいな。左手の薬指につけるの。エル君とお揃いでペアリングにするのよ」

うむむ、シュエット村のナンパ事件の影響かな?

成る程。
左手の薬指に指輪は、ナンパ防止には不十分だが、一応の抑止にはなるか。

こうして……
俺とシャルロットは、アクセサリー屋へ行き、魔法使いらしく、
防御と治癒効果のあるペアリングを購入したのである。
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