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第170話「グランシャリオの打合せ方法は、分かりやすいし、とても効率的だ」
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「これも念の為に言っておく。先に完遂したシュエット村のゴブリン討伐とは、全くレベルが違う。特に新人たちは、より一層の気合を持ち、臨んで欲しい」
ローラン様の言葉を聞き、俺とシャルロットは顔を見合わせた。
ちらと、フェルナンさんを見れば、やはり緊張気味のようだ。
ここで、ローラン様、クリスさんへ視線を向ける。
「一から十まで話す前に、この資料を渡しておく。クリスに作って貰ったものだ。……おい、クリス、全員へ配布してくれるか」
「はい、かしこまりました。ローラン様」
クリスさん、こういう資料の作成が大好きだと、
セレスさんから聞いた事がある。
「まずは、資料にざっくりと目を通してくれるか。それから詳しい説明に入ろう」
成る程。
その方が最初から最後まで説明するよりも話が早いか。
どれどれと、俺はクリスさんから渡された資料へ早速、目を通す。
こういう場合の俺の癖。
5W3Hで、内容を確認するのだ。
補足すると、5W3Hとは、
What:何を。
When:いつ。
Where:どこで。
Who:誰が。
Why:なぜ。
How:どのように。
How Much:いくら。
How Many:いくつ。
……である。
俺は、資料を読みながら、ひとつずつチェックをして行く。
まず何をやるか?
むむむ、何と!何と!何と!オーガ5千体の討伐かあ。
おお、さすがに、驚いた。
これは凄いや。
確かに、ゴブリン500体とは桁が違うぞ。
怖くはないかって?
びびるだろうって?
いや、不安は少しあるが、期待の方が大きい。
俺とシャルロットは、バージョンアップ、ビルドアップしているし、
ケルベロスを始め、頼りになる従士たちも得た。
フェルナンさんも、頼れる剣士となった。
そしていよいよ、魔王以下、魔王軍を倒した、
一騎当千たるローラン様たちグランシャリオの真髄に触れる事が出来る。
特にマエストロ、英雄ローラン様の実力を見る事が出来ると思うとわくわくする。
ちなみに分かりやすい冒険者的な強さの換算として、オークはゴブリンの3倍、
オーガはオークの5倍という数字がある。
あくまでも目安に過ぎないが、これから討伐するオーガ5千体は、
ゴブリンに換算すると、7万5千体、
オークに換算すると2万5千体相当にもなるのだ。
次にいつ?
……10日以内に着任する。
これはまた急だ。
次にどこ?
むむむ、王都から魔法で身体能力が強化された馬、『早馬』で5日、
馬車では8日間かかる、魔鏡に近い北の砦か。
補足すると、魔鏡というのはこの国のある大陸の北方に位置する未開の地。
魔境のどこかには次元の裂け目があるらしく、
魔物が際限なく湧き続けるという怖ろしい場所だ。
スフェール王国と、この魔鏡との国境にあるのが北の砦。
騎士隊、王国軍の誰もが赴任したがらない過酷な要衝なのである。
誰が?
というのは当然、俺たちグランシャリオ。
何故行くのか?
オーガ5千体は、北の砦の守備隊だけでは防ぎきれない。
グランシャリオは、北の砦の守備隊へ助勢し、
オーガ5千体を討伐、もしくは撃退するのだ。
どのように?
これはもうシンプルに戦う。
状況、条件により、戦法は異なって来る。
作戦は全員で、これから練るのである。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
次に、いくら?……なのか。
一番気になる報酬は、何と!何と!何と!
金貨10万枚である。
どのように分配するのか、ローラン様の判断だが、ひとりにつき、
金貨1万枚は貰えると思う。
これは本当に凄い。
そして、いくつは、オーガ5千体の討伐。
つまり5千である。
最後に、依頼主は、スフェール王国。
この依頼は、オーガ5千体から、王国を守る国家プロジェクトである。
……資料が配布されてから、約10分が経過。
ローラン様の声が降って来る。
「諸君! 今回の依頼内容はおおよそ理解出来たかね? 特に新人諸君。どうかね?クリスの作成した資料は、とても分かりやすいと思うが」
確かにローラン様の言う通りだ。
今回の依頼に関して、大体理解が出来た。
シーニュの時は、ほぼ口頭。
依頼に関して、最初から最後までミランダが説明。
時折、自分の自慢とか話が横道にそれるから、終わるまでやたら時間がかかった。
グランシャリオの打合せ方法は、分かりやすいし、とても効率的だ。
「出発は明後日の午前8時。この私の屋敷へ集合だ。ここから早馬で移動し、5日後までには着任。荷物は各自に収納の魔道具を配布するから、それに仕舞ってくれ」
ローラン様は、そう言うと軽く息を吐き、話を続ける。
「オーガ5千体に対し、現在、北の砦は専守防衛に徹している。奴らと、まともに戦えば、砦は陥落し、王国内へオーガどもがなだれ込むからだ。我々グランシャリオは、急ぎ現地へ駆け付け、北の砦の守備隊に助勢。オーガどもを蹴散らし、討伐する。……説明は以上。質問があれば、受け付ける」
こうしてローラン様の説明が終わると、質疑応答が行われ……
2日後、支度を整えた俺たちグランシャリオは、
北の砦へ向け、早馬で旅立ったのである。
ローラン様の言葉を聞き、俺とシャルロットは顔を見合わせた。
ちらと、フェルナンさんを見れば、やはり緊張気味のようだ。
ここで、ローラン様、クリスさんへ視線を向ける。
「一から十まで話す前に、この資料を渡しておく。クリスに作って貰ったものだ。……おい、クリス、全員へ配布してくれるか」
「はい、かしこまりました。ローラン様」
クリスさん、こういう資料の作成が大好きだと、
セレスさんから聞いた事がある。
「まずは、資料にざっくりと目を通してくれるか。それから詳しい説明に入ろう」
成る程。
その方が最初から最後まで説明するよりも話が早いか。
どれどれと、俺はクリスさんから渡された資料へ早速、目を通す。
こういう場合の俺の癖。
5W3Hで、内容を確認するのだ。
補足すると、5W3Hとは、
What:何を。
When:いつ。
Where:どこで。
Who:誰が。
Why:なぜ。
How:どのように。
How Much:いくら。
How Many:いくつ。
……である。
俺は、資料を読みながら、ひとつずつチェックをして行く。
まず何をやるか?
むむむ、何と!何と!何と!オーガ5千体の討伐かあ。
おお、さすがに、驚いた。
これは凄いや。
確かに、ゴブリン500体とは桁が違うぞ。
怖くはないかって?
びびるだろうって?
いや、不安は少しあるが、期待の方が大きい。
俺とシャルロットは、バージョンアップ、ビルドアップしているし、
ケルベロスを始め、頼りになる従士たちも得た。
フェルナンさんも、頼れる剣士となった。
そしていよいよ、魔王以下、魔王軍を倒した、
一騎当千たるローラン様たちグランシャリオの真髄に触れる事が出来る。
特にマエストロ、英雄ローラン様の実力を見る事が出来ると思うとわくわくする。
ちなみに分かりやすい冒険者的な強さの換算として、オークはゴブリンの3倍、
オーガはオークの5倍という数字がある。
あくまでも目安に過ぎないが、これから討伐するオーガ5千体は、
ゴブリンに換算すると、7万5千体、
オークに換算すると2万5千体相当にもなるのだ。
次にいつ?
……10日以内に着任する。
これはまた急だ。
次にどこ?
むむむ、王都から魔法で身体能力が強化された馬、『早馬』で5日、
馬車では8日間かかる、魔鏡に近い北の砦か。
補足すると、魔鏡というのはこの国のある大陸の北方に位置する未開の地。
魔境のどこかには次元の裂け目があるらしく、
魔物が際限なく湧き続けるという怖ろしい場所だ。
スフェール王国と、この魔鏡との国境にあるのが北の砦。
騎士隊、王国軍の誰もが赴任したがらない過酷な要衝なのである。
誰が?
というのは当然、俺たちグランシャリオ。
何故行くのか?
オーガ5千体は、北の砦の守備隊だけでは防ぎきれない。
グランシャリオは、北の砦の守備隊へ助勢し、
オーガ5千体を討伐、もしくは撃退するのだ。
どのように?
これはもうシンプルに戦う。
状況、条件により、戦法は異なって来る。
作戦は全員で、これから練るのである。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
次に、いくら?……なのか。
一番気になる報酬は、何と!何と!何と!
金貨10万枚である。
どのように分配するのか、ローラン様の判断だが、ひとりにつき、
金貨1万枚は貰えると思う。
これは本当に凄い。
そして、いくつは、オーガ5千体の討伐。
つまり5千である。
最後に、依頼主は、スフェール王国。
この依頼は、オーガ5千体から、王国を守る国家プロジェクトである。
……資料が配布されてから、約10分が経過。
ローラン様の声が降って来る。
「諸君! 今回の依頼内容はおおよそ理解出来たかね? 特に新人諸君。どうかね?クリスの作成した資料は、とても分かりやすいと思うが」
確かにローラン様の言う通りだ。
今回の依頼に関して、大体理解が出来た。
シーニュの時は、ほぼ口頭。
依頼に関して、最初から最後までミランダが説明。
時折、自分の自慢とか話が横道にそれるから、終わるまでやたら時間がかかった。
グランシャリオの打合せ方法は、分かりやすいし、とても効率的だ。
「出発は明後日の午前8時。この私の屋敷へ集合だ。ここから早馬で移動し、5日後までには着任。荷物は各自に収納の魔道具を配布するから、それに仕舞ってくれ」
ローラン様は、そう言うと軽く息を吐き、話を続ける。
「オーガ5千体に対し、現在、北の砦は専守防衛に徹している。奴らと、まともに戦えば、砦は陥落し、王国内へオーガどもがなだれ込むからだ。我々グランシャリオは、急ぎ現地へ駆け付け、北の砦の守備隊に助勢。オーガどもを蹴散らし、討伐する。……説明は以上。質問があれば、受け付ける」
こうしてローラン様の説明が終わると、質疑応答が行われ……
2日後、支度を整えた俺たちグランシャリオは、
北の砦へ向け、早馬で旅立ったのである。
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