62 / 145
第62話「罠という名の旅⑥」
しおりを挟む
愚連隊鉄爪団の首領ブリアック・バズレールに見せた夢の中から帰還したディーノは……
魔獣兄弟ケルベロス、オルトロスと共に少し離れた繁みに身を潜めている。
ケルベロス達の咆哮で気絶したブリアック達――鉄爪団《タロン》一味はまだ意識を取り戻していなかった。
ディーノがケルベロスに聞けば、ブリアック達が目覚めるのも、もうまもなくだという。
咆哮《ほうこう》を加減《かげん》したから、後10分ほどで起き上がるのではないかと。
ケルベロスの言った通りであった。
10分経つ寸前に、ブリアック達は目を覚ました。
ディーノが見やれば……
ブリアックは先ほどディーノが見せた『悪夢』のせいか、ひどく怯えていた。
これから相手がどう動くのか、ディーノはブリアック達を観察する。
暫し経つと……
ブリアックが、想い出したようにディーノが居た場所を見やった。
しかし、誰も居ないのを見て、まだ「ぼうっ」としている子分達へ怒鳴り散らし、発破をかけ始めた。
何か指示を出しているようだ。
再び自分を襲うにせよ、態勢を立て直す為に、とりあえずは撤収する、
ディーノはそう読んでいた。
その『読み』はズバリ当たった。
ブリアック達は慌てて身支度《みじたく》を整え、急ぎ撤収して行ったのである。
とりあえず狙われる心配はない。
ブリアック達が去ったのを見届けると、ディーノ達はゆっくりと身を隠していた茂みから出た。
しかしディーノはブリアック達を放っておかず、王都まで追うと決めていた。
まずはブリアック達のアジトを突き止め、逆にこちらから反撃する為である。
悪事の証拠を掴んだら、最終的には背後に居る黒幕ロシュフォール伯爵へアプローチし、亡きグラシアン・ブルダリアス侯爵の仇を討つつもりだ。
ブリアック達の追跡役はケルベロスである。
相手に気付かれぬよう、少し距離を取って後を追うのだ。
ブリアック達が馬で移動する為、さすがにディーノ単独では追い切れない。
『よし、では奴らを尾け、王都でバカ猫と合流する』
『え? バカ猫? ジャンをそう呼んでるの?』
『いや、呼んでない。あいつは実力がない癖に、プライドだけは山のように高い。いちいち怒って面倒だからな』
『まあ、仲良くしてくれよ』
『ほどほどにやるわい。もしオルトロスがバカ猫を知っていれば、追跡役を頼むところだが、仕方がない。おい、オルトロス、ディーノをしっかり守れよ』
『分かってるって、兄貴こそ、しっかり逝《い》って来いや』
『な! 字が違うだろ、このたわけが!』
そんなこんなで、ケルベロスは出発し、
後にはディーノとオルトロスが残された。
『あはは、うるさい兄貴は逝っちまった、せいせいしたぜ』
『おいおい、逝っちまったって、行っちまっただろ? まだ字が間違ってるぞ』
『まあ、大勢に影響はないだろ。アホ兄貴にもたまには働いて貰わないと』
『……お前達兄弟は相変わらずだな。……でも助かったよ、ありがとう』
今回も上手く行ったのはこの魔獣兄弟のお陰だ。
ディーノは深く頭を下げた。
オルトロスはすぐに反応しなかった。
暫し経ってから、黙って背を寄せた。
『…………乗りなよ、戦友』
『馬代わりには出来ない』
『兄貴だって、お前を乗せただろ? 俺は負けたくねぇ』
『でもさ、悪いが、俺、最近太ったぜ……重いよ』
『馬鹿な事言ってるんじゃねぇ、ラブリーな第一形態ならともかく凛々しい第二形態だぜ! ほそっちぃお前を乗せるのなんか楽勝だ』
『おい! ちょっと待て! ラブリーな第一形態?』
『だろうが!』
『……まあ、そういう事にしておこう』
『こら! ちゃんと同意しろや!』
という他愛もないやりとりはあったが……
ディーノとオルトロスも、ケルベロスを追い、続いて出発したのである。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
ディーノを背に乗せたオルトロスは素晴らしい速度で走りに走る。
『なあ、ディーノ』
『ん、何だい? オルトロス』
『俺と兄貴はどちらが速い?』
『ノーコメント』
『はっ、兄貴から聞いてた通りだ。敢えて角を立てたくないか? とんだ安全策野郎だ、臆病者め』
オルトロスは口汚く罵るが、本意ではない。
その証拠に、言葉に悪意がこもっていない。
憎しみの波動も感じない。
逆に、ディーノに対する畏敬の念さえ、伝わって来るのだ。
『おい、ディーノ、知ってるか、その指輪の真の力をよ』
『ああ、ケルベロスから聞いたよ』
『じゃあよ、指輪の元の持ち主ルイ・サレオンはよ、その指輪の力を使って72柱の大悪魔と数多《あまた》の魔族を従えたという事は知ってるな』
『うん、認識はしている。でも俺はまだ指輪に力を認められていないようだから、ルイ・サレオンのようには行かないな』
ディーノが自嘲気味に言うと、オルトロスは同意する。
否、同意どころか強調だ。
『そうだな……お前は絶対、ルイ・サレオンには、なれねぇ』
オルトロスから厳しい事を言われたが、ディーノは腹が立たなかった。
その通りだと思うからだ。
『あはは、自覚してるよ。俺は所詮凡人だもの』
とディーノは自嘲気味に笑ったが……
何故か、オルトロスが否定する。
『違う! 俺が言ってるのはそういう意味じゃねぇ!』
『え?』
『お前はルイ・サレオンとは違う。……彼は指輪の力で魔族を押さえつけ、奴隷の如く絶対服従を強いたというぜ』
『…………』
『だが、お前は違うんだ! 指輪に頼らず、誠意と尊重、真心で俺達魔族と接してくれている』
『…………』
『俺は兄貴からお前の話を聞いていたが、珍しく同意見だ』
『…………』
『今回の幽霊の件で俺は更に確信した。もしもお前が指輪に全面的に認められたとしても、お前自身は全く変わらないとな』
『…………』
『うわ! 柄《がら》にもない事言っちまった。……というわけで、今後とも頼むぜ、戦友』
『……了解!』
短く言葉を戻しながら、ディーノは嬉しかった。
オルトロスだけではなく……
戦友全員との絆がまた深くなった事を感じたからである。
魔獣兄弟ケルベロス、オルトロスと共に少し離れた繁みに身を潜めている。
ケルベロス達の咆哮で気絶したブリアック達――鉄爪団《タロン》一味はまだ意識を取り戻していなかった。
ディーノがケルベロスに聞けば、ブリアック達が目覚めるのも、もうまもなくだという。
咆哮《ほうこう》を加減《かげん》したから、後10分ほどで起き上がるのではないかと。
ケルベロスの言った通りであった。
10分経つ寸前に、ブリアック達は目を覚ました。
ディーノが見やれば……
ブリアックは先ほどディーノが見せた『悪夢』のせいか、ひどく怯えていた。
これから相手がどう動くのか、ディーノはブリアック達を観察する。
暫し経つと……
ブリアックが、想い出したようにディーノが居た場所を見やった。
しかし、誰も居ないのを見て、まだ「ぼうっ」としている子分達へ怒鳴り散らし、発破をかけ始めた。
何か指示を出しているようだ。
再び自分を襲うにせよ、態勢を立て直す為に、とりあえずは撤収する、
ディーノはそう読んでいた。
その『読み』はズバリ当たった。
ブリアック達は慌てて身支度《みじたく》を整え、急ぎ撤収して行ったのである。
とりあえず狙われる心配はない。
ブリアック達が去ったのを見届けると、ディーノ達はゆっくりと身を隠していた茂みから出た。
しかしディーノはブリアック達を放っておかず、王都まで追うと決めていた。
まずはブリアック達のアジトを突き止め、逆にこちらから反撃する為である。
悪事の証拠を掴んだら、最終的には背後に居る黒幕ロシュフォール伯爵へアプローチし、亡きグラシアン・ブルダリアス侯爵の仇を討つつもりだ。
ブリアック達の追跡役はケルベロスである。
相手に気付かれぬよう、少し距離を取って後を追うのだ。
ブリアック達が馬で移動する為、さすがにディーノ単独では追い切れない。
『よし、では奴らを尾け、王都でバカ猫と合流する』
『え? バカ猫? ジャンをそう呼んでるの?』
『いや、呼んでない。あいつは実力がない癖に、プライドだけは山のように高い。いちいち怒って面倒だからな』
『まあ、仲良くしてくれよ』
『ほどほどにやるわい。もしオルトロスがバカ猫を知っていれば、追跡役を頼むところだが、仕方がない。おい、オルトロス、ディーノをしっかり守れよ』
『分かってるって、兄貴こそ、しっかり逝《い》って来いや』
『な! 字が違うだろ、このたわけが!』
そんなこんなで、ケルベロスは出発し、
後にはディーノとオルトロスが残された。
『あはは、うるさい兄貴は逝っちまった、せいせいしたぜ』
『おいおい、逝っちまったって、行っちまっただろ? まだ字が間違ってるぞ』
『まあ、大勢に影響はないだろ。アホ兄貴にもたまには働いて貰わないと』
『……お前達兄弟は相変わらずだな。……でも助かったよ、ありがとう』
今回も上手く行ったのはこの魔獣兄弟のお陰だ。
ディーノは深く頭を下げた。
オルトロスはすぐに反応しなかった。
暫し経ってから、黙って背を寄せた。
『…………乗りなよ、戦友』
『馬代わりには出来ない』
『兄貴だって、お前を乗せただろ? 俺は負けたくねぇ』
『でもさ、悪いが、俺、最近太ったぜ……重いよ』
『馬鹿な事言ってるんじゃねぇ、ラブリーな第一形態ならともかく凛々しい第二形態だぜ! ほそっちぃお前を乗せるのなんか楽勝だ』
『おい! ちょっと待て! ラブリーな第一形態?』
『だろうが!』
『……まあ、そういう事にしておこう』
『こら! ちゃんと同意しろや!』
という他愛もないやりとりはあったが……
ディーノとオルトロスも、ケルベロスを追い、続いて出発したのである。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
ディーノを背に乗せたオルトロスは素晴らしい速度で走りに走る。
『なあ、ディーノ』
『ん、何だい? オルトロス』
『俺と兄貴はどちらが速い?』
『ノーコメント』
『はっ、兄貴から聞いてた通りだ。敢えて角を立てたくないか? とんだ安全策野郎だ、臆病者め』
オルトロスは口汚く罵るが、本意ではない。
その証拠に、言葉に悪意がこもっていない。
憎しみの波動も感じない。
逆に、ディーノに対する畏敬の念さえ、伝わって来るのだ。
『おい、ディーノ、知ってるか、その指輪の真の力をよ』
『ああ、ケルベロスから聞いたよ』
『じゃあよ、指輪の元の持ち主ルイ・サレオンはよ、その指輪の力を使って72柱の大悪魔と数多《あまた》の魔族を従えたという事は知ってるな』
『うん、認識はしている。でも俺はまだ指輪に力を認められていないようだから、ルイ・サレオンのようには行かないな』
ディーノが自嘲気味に言うと、オルトロスは同意する。
否、同意どころか強調だ。
『そうだな……お前は絶対、ルイ・サレオンには、なれねぇ』
オルトロスから厳しい事を言われたが、ディーノは腹が立たなかった。
その通りだと思うからだ。
『あはは、自覚してるよ。俺は所詮凡人だもの』
とディーノは自嘲気味に笑ったが……
何故か、オルトロスが否定する。
『違う! 俺が言ってるのはそういう意味じゃねぇ!』
『え?』
『お前はルイ・サレオンとは違う。……彼は指輪の力で魔族を押さえつけ、奴隷の如く絶対服従を強いたというぜ』
『…………』
『だが、お前は違うんだ! 指輪に頼らず、誠意と尊重、真心で俺達魔族と接してくれている』
『…………』
『俺は兄貴からお前の話を聞いていたが、珍しく同意見だ』
『…………』
『今回の幽霊の件で俺は更に確信した。もしもお前が指輪に全面的に認められたとしても、お前自身は全く変わらないとな』
『…………』
『うわ! 柄《がら》にもない事言っちまった。……というわけで、今後とも頼むぜ、戦友』
『……了解!』
短く言葉を戻しながら、ディーノは嬉しかった。
オルトロスだけではなく……
戦友全員との絆がまた深くなった事を感じたからである。
0
あなたにおすすめの小説
元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~
おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。
どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。
そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。
その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。
その結果、様々な女性に迫られることになる。
元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。
「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」
今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。
罠にはめられた公爵令嬢~今度は私が報復する番です
結城芙由奈@コミカライズ連載中
ファンタジー
【私と私の家族の命を奪ったのは一体誰?】
私には婚約中の王子がいた。
ある夜のこと、内密で王子から城に呼び出されると、彼は見知らぬ女性と共に私を待ち受けていた。
そして突然告げられた一方的な婚約破棄。しかし二人の婚約は政略的なものであり、とてもでは無いが受け入れられるものではなかった。そこで婚約破棄の件は持ち帰らせてもらうことにしたその帰り道。突然馬車が襲われ、逃げる途中で私は滝に落下してしまう。
次に目覚めた場所は粗末な小屋の中で、私を助けたという青年が側にいた。そして彼の話で私は驚愕の事実を知ることになる。
目覚めた世界は10年後であり、家族は反逆罪で全員処刑されていた。更に驚くべきことに蘇った身体は全く別人の女性であった。
名前も素性も分からないこの身体で、自分と家族の命を奪った相手に必ず報復することに私は決めた――。
※他サイトでも投稿中
ボクが追放されたら飢餓に陥るけど良いですか?
音爽(ネソウ)
ファンタジー
美味しい果実より食えない石ころが欲しいなんて、人間て変わってますね。
役に立たないから出ていけ?
わかりました、緑の加護はゴッソリ持っていきます!
さようなら!
5月4日、ファンタジー1位!HOTランキング1位獲得!!ありがとうございました!
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
はずれスキル念動力(ただしレベルMAX)で無双する~手をかざすだけです。詠唱とか必殺技とかいりません。念じるだけで倒せます~
さとう
ファンタジー
10歳になると、誰もがもらえるスキル。
キネーシス公爵家の長男、エルクがもらったスキルは『念動力』……ちょっとした物を引き寄せるだけの、はずれスキルだった。
弟のロシュオは『剣聖』、妹のサリッサは『魔聖』とレアなスキルをもらい、エルクの居場所は失われてしまう。そんなある日、後継者を決めるため、ロシュオと決闘をすることになったエルク。だが……その決闘は、エルクを除いた公爵家が仕組んだ『処刑』だった。
偶然の『事故』により、エルクは生死の境をさまよう。死にかけたエルクの魂が向かったのは『生と死の狭間』という不思議な空間で、そこにいた『神様』の気まぐれにより、エルクは自分を鍛えなおすことに。
二千年という長い時間、エルクは『念動力』を鍛えまくる。
現世に戻ったエルクは、十六歳になって目を覚ました。
はずれスキル『念動力』……ただしレベルMAXの力で無双する!!
悪役令息、前世の記憶により悪評が嵩んで死ぬことを悟り教会に出家しに行った結果、最強の聖騎士になり伝説になる
竜頭蛇
ファンタジー
ある日、前世の記憶を思い出したシド・カマッセイはこの世界がギャルゲー「ヒロイックキングダム」の世界であり、自分がギャルゲの悪役令息であると理解する。
評判が悪すぎて破滅する運命にあるが父親が毒親でシドの悪評を広げたり、関係を作ったものには危害を加えるので現状では何をやっても悪評に繋がるを悟り、家との関係を断って出家をすることを決意する。
身を寄せた教会で働くうちに評判が上がりすぎて、聖女や信者から崇められたり、女神から一目置かれ、やがて最強の聖騎士となり、伝説となる物語。
99歳で亡くなり異世界に転生した老人は7歳の子供に生まれ変わり、召喚魔法でドラゴンや前世の世界の物を召喚して世界を変える
ハーフのクロエ
ファンタジー
夫が病気で長期入院したので夫が途中まで書いていた小説を私なりに書き直して完結まで投稿しますので応援よろしくお願いいたします。
主人公は建築会社を55歳で取り締まり役常務をしていたが惜しげもなく早期退職し田舎で大好きな農業をしていた。99歳で亡くなった老人は前世の記憶を持ったまま7歳の少年マリュウスとして異世界の僻地の男爵家に生まれ変わる。10歳の鑑定の儀で、火、水、風、土、木の5大魔法ではなく、この世界で初めての召喚魔法を授かる。最初に召喚出来たのは弱いスライム、モグラ魔獣でマリウスはガッカリしたが優しい家族に見守られ次第に色んな魔獣や地球の、物などを召喚出来るようになり、僻地の男爵家を発展させ気が付けば大陸一豊かで最強の小さい王国を起こしていた。
前世ブラックOLの私が転生したら悪役令嬢でした
タマ マコト
ファンタジー
過労で倒れたブラック企業勤めのOLは、目を覚ますと公爵令嬢アーデルハイトとして転生していた。しかも立場は“断罪予定の悪役令嬢”。だが彼女は恋愛や王子の愛を選ばず、社交界を「市場」と見抜く。王家の財政が危ういことを察知し、家の莫大な資産と金融知識を武器に“期限付き融資”という刃を突きつける。理想主義の王太子と衝突しながらも、彼女は決意する――破滅を回避するためではない。国家の金脈を握り、国そのものを立て直すために。悪役令嬢の経済戦争が、静かに幕を開ける。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる