異世界となった現実を生き残るために、俺は あのスキルを使います

眠過 遊魔

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第1章  学校編

第1話〜日常の崩壊〜

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「はぁまた今日も退屈な1日が始まるのか」
僕は繰り返すだけの退屈すぎる日常に、つい心の声が
漏れてしまっていた。

「今日も退屈そうな顔してるお前に昨日見つけてしまった素晴らしいエロ動画を教えてやろう!」
アホ丸出しな発言をしているこの男が僕の親友の
黒鉄武蔵だ。
「武蔵は人生に退屈しなさそうだな」

「おう!学校は部活と休み時間以外は正直つまらんが、帰りにゲーセン寄ってお前らとファミレスでだべるだけで幸せを感じられる男だからな!」
僕は正直こいつのおかげで学校が少しだけ楽しいと思えるのだ。
「武蔵は騒がしいけど一緒にいて退屈しないよ」

「なんだよ急に!照れるじゃねぇか」

「褒めてないんだが」
でも実際、こういうところが憎めないんだよな。

そんな会話に女子の声が混ざってきた。

「ちょっと!男同士でいちゃいちゃしすぎだから」

この声は…やっぱりお前か。彼女の名前は不破はる。不破と初めて出会ったのは入学式だったな。入学式会場の体育館まで行き方がわからずに途方に暮れているところを助けてくれたのだ。

僕は"普通"のいつもの通りの日常に戻りたいと思う日が来ることをこの時はまだ知らなかった。


ジリリリリリリリリ

警報が教室、いや、学校全体に響き渡った。
それまでの新作のタピオカや推しの話で騒がしかった教室が嘘のように、一気に沈黙へと変わった。

僕はふと廊下へと目をやる。
・・・化け物がいた。

だが、それはよく見るとSFや異世界漫画に出てくるあの”ゴブリン”だった。なんだあの化け物は…
次の瞬間。
「きゃあぁぁぁ!!」
その姿を見た女子生徒の悲鳴があちらこちらで聞こえる。


しかし次にゴブリンの動きがピタリと止まった。それと同時に脳内へ直接話しかけるような声が聞こえた。

「皆、この声が聞こえるか?私は未来の世界で現在、防衛軍という組織のトップを担っている者だ。
そして目の前に広がっている光景は夢などではない。現実である。もう一度言う。それは現実である」

「……え?」   
僕はつい言葉が溢れた。
この脳内に響くような謎の声は僕以外の人にも聞こえているようだ。
よかった。幻聴が聞こえ始めたのかと思った…


ーー「さて、私がこうして過去へ滞在できる時間も限られている。さっそくだが、100年後の未来からやって来た理由を話そう。いま我々の世界では魔物の出現に対してハンターの数が足りず、多発する被害に対処しきれていない。なぜなら人間は急激な変化にはすぐに適応できないからだ。だからもっと前の時代からこの世界の情報を得ることができていればら人類は何かしらの対策を立てることができるのではないかと考えた。」

「………」
教室にいた全員が口をポカンと開けている。まるで信じられないといったような顔だ。まぁそれは僕も例外ではないんだが。
ということは…つまりどういうことなんだ。

「なに、最初から信じてもらえるとも思っていない。それに今の時代で対策をしてもらわなくては困るからな。こうして時間操作の異能力を無理に使用してまで過去にやって来たというわけだ。
さて、魔物の出現に伴いそれに対抗することのできる力が全員に与えられたはずだ。
未来…つまり我々の世界では”異能力”や”スキル”と
呼ばれているものだ。強力な力を与えられた者はそれを使い、魔物を倒しながら未来への対策を立てて、
この世界と未来の平和を守ってくれ」


しばらくの沈黙の後、僕は言った。
「……え、なにこれモニタ◯ングの収録?」

「もし、そうだったらそれ言ったら多分だめだろ」
武蔵は冗談半分、真面目半分に答えた。

「それから言い忘れていたが、与えられた異能力やスキルは既に頭の中に思い浮かぶはずだ。そして生まれた時から使えたかのように、まるで呼吸をするように使える。
だが、その力には欠点もある。まず強化系や変身系の力には時間制限付きが多い。魔法系統の力は使う魔法の規模に応じて”魔力”というものを消耗する。
私の力のような例外もあるがな。
この魔力というのは、異能力とスキル、これらと同様、君たちに与えられたものだ。
そして体力のように、使えば使うだけ魔力の上限は
上がるという研究結果が出ている。

最後に異能力とスキル、この2つの違いを教えておく。
異能力はその者に固定された固有スキルのようなものだ。死んでもその者に結ばれ続ける。しかし、スキルは違う。そのスキル保持者が死ねばまたランダムに誰かへ与えられるというものだ。
あぁどうやら過去に滞在し続けられるのはここまでのようだな…では健闘を祈る。」


ここで脳内へ直接話しかける声は途切れた。

廊下を見るとゴブリンが再び動き出していた
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