2 / 37
コッチの世界
しおりを挟む
雪のように白い手に引かれ、陽菜はアスファルトで舗装されていない道を山に向かって歩いていた。
ウサギ耳の女の子の名前は、セツと言う。
髪の色も白く、身につけているのは、淡い黄色の生地にススキのような柄が描かれている膝丈の着物。桃色の帯を締め、鼻緒が臙脂色の下駄を履いている。
(どこの家の子だろう?)
こんな女の子とは、今まで会ったことがない。
どこの子だろうという疑問もさることながら、陽菜にとっては、あのウサギ耳は本物なのかカチューシャなのか、それが一番の関心事項になっていた。
「その耳は、つけてるの?」
陽菜の素朴な疑問を受け、前を歩くセツは首だけ捻って振り返る。耳の向きも、クルリと変わった。
(あっ、動いてる)
驚きにポカンと口が開き、ひと回りほど目が大きくなる。セツはわずかに目を細め、ふふふっと笑った。
「私の耳は、ホントのお耳よ。だって、私はウサギだから」
「え~嘘だぁ。人間の姿をしてるウサギなんて居ないよ」
陽菜の知るウサギは、白や茶色の小さいフワモコだ。
「ホントよ。恥ずかしいから見せないけど、ちゃんと尻尾だってあるんだから」
セツの言葉が本当なのか、思わずセツのお尻を凝視してしまう。陽菜の視線を遮るように、セツの手がサッとお尻に当てられた。
「そういうのは、失礼なのよ」
ムッとした表情に、プクッと膨らむ頬。純粋に、可愛いな、と陽菜は思った。
「ごめんね。でも、言われたら気になっちゃうよ」
「そうだよねぇ。自分と違う容姿だと、と~っても気になっちゃうよね」
理解はしているのよ、とセツはイタズラっ子な笑みを浮かべる。
「でもね。私にしてみれば、陽菜ちゃんの容姿が不思議なのよ。音がするほうにお耳も動かせないでしょ? 身に危険が迫っているときとか、どうやって察知するんだろ~って、知りたいもの」
「身の危険?」
危険の察知なんて、今まで意識したことはなかった。
例えるなら、死角から飛び出してくる自転車や、余所見運転をしている自動車、大人達の集団とすれ違うときにぶつかったり踏まれたりしないように気をつけるとか、そんな部分だろうか。
でも危ないときは、あらかじめ祖父母や両親が言い聞かせてくれるし、背後から突然襲われるなんてこともない。
人間と動物の生活環境の違いもあるだろう。
整備された中で生活している陽菜は、とても恵まれている、のかもしれない。
「それでさ、聞いてもいいかな? 陽菜ちゃんは、どうしてあんな所で泣いてたの?」
あんな所……とは、道の真ん中のことだ。
知っている道のりだから、覚えているとおりに歩けば、家に帰ることができる道。それでも泣いていたのは、暗くて怖くて心細かったから。そしてなにより、一緒に来ていた祖母の姿が、忽然と消えてしまったからだ。
陽菜の目の奥が、またジワリと熱くなってくる。
「ススキの中に走って行って、振り向いたら……おばあちゃんが居なくなっちゃってたの。どこにも居ないし、夜になっちゃったし……」
「あ~そうか。なるほどねぇ。そうなんだねぇ」
何度も肯定する言葉を口にするセツの物言いは、とてもおっとりしていた。
陽菜の告白に別段驚いた様子も無く、陽菜を安心させるような、朗らかな笑みを浮かべている。頬にできた笑窪が、とても可愛らしい。
「えっとねぇ。驚かないでほしいんだけど」
「なぁに?」
「陽菜ちゃんは、人間の世界から、コッチの世界に紛れ込んじゃったんだよ」
「コッチの、世界?」
セツの伝えんとすることが、いまいち分からない。コッチの世界とは、なんのことだろう。
うん……だからね、とセツは陽菜に向き直り、目線を合わせる。ルビーみたいな赤い瞳に、不安に押し潰されている陽菜の顔が映った。
「コッチの世界の道を辿っても、陽菜ちゃんの家には着けないのよ」
「えっ……?」
「同じ場所だけど、違う空間って言えばいいのかな? 私達は、よくソッチの世界にも干渉するから、普通に行き来してるのよね。でも、ソッチの世界の人達は、限られた人だけというか……知ってる人しか来ないの。あとは、陽菜ちゃんみたいに、突然なにも分からず来ちゃう人ね。聞いたことあるかな? 神隠しって言葉、知ってる?」
「……知ってる」
突然、人が居なくなってしまうこと。昔話で聞いたことがある。
「きっとアッチの世界では、陽菜ちゃんが居なくなっちゃったって、大騒ぎになってるんじゃないかな?」
祖母にしてみれば、突然姿が消えてしまったのは陽菜のほうなのだ。
血の気が、サーッと引いていく。
「大変! どうしよう……でも、どうやったら戻れるの?」
もう一度、走ってススキの中に突っ込んで行けばいいのだろうか。
急いで祖母の元へ帰らなければ。
優しい祖母は、きっと自分のせいだと己を責めてしまい、体調を崩してしまうかもしれない。そんなのは嫌だ。そんなことには、したくない。
必死な陽菜に、セツは困ったように眉を八の字にした。耳もペタンと垂れている。
「う~んとね、ごめんね。私一人だったら行って帰ってこられるんだけど……セツは、陽菜ちゃんを帰してあげる方法を知らないんだよね」
「そんな……」
絶望が押し寄せる陽菜に、でもね、とセツは月を指さす。
「ツクヨミ様なら、陽菜ちゃんのこと、どうにかしてあげられると思うんだよね」
「ツクヨミ様?」
「ツクヨミ様はね、夜を担当する神様なんだよ」
少しだけ見えてきた希望に、陽菜は頷く。
「どうやったら、ツクヨミ様のところへ行けるの?」
運がいいねぇ、とセツは微笑む。
「今日はこれから、セツ達みんなでツクヨミ様のところへ行くの」
「これから?」
「そうだよ。年に一度のお祭りなんだぁ。セツはね、ススキを採ってくる役目なの。だから、あの場所に居たのよ」
セツは、肩から斜めにかけているカバンをポンポンと叩いた。叩かれた衝撃で、頭を出しているススキの穂がユラユラと揺れる。
「そうなんだ……」
幸か不幸か、その行事があったおかげで、陽菜はセツに出会うことができた。
どうやらセツが言うように、運には見放されていなかったみたいだ。
「セツちゃん……私も、一緒に行っていい?」
「この状況で、ダメなんて意地悪なこと、セツは言わないよ」
「それじゃあ」
期待を込めた笑みを浮かべる陽菜に、うん、とセツは頷く。
「一緒に行こう。それでね、最初からそのつもりだったから、山に向かっていたのよ。セツってば優しいでしょ?」
セツは自らネタをばらし、ふふふ、と茶目っ気たっぷりに笑う。
妖なのか、ウサギの精なのか、なんなのか。まだ今のところ、セツの正体は謎だ。
けれど……信頼してもいい相手なんだと、頼れる人が一人も居なかった陽菜にとっては、心強い味方の登場だった。
ウサギ耳の女の子の名前は、セツと言う。
髪の色も白く、身につけているのは、淡い黄色の生地にススキのような柄が描かれている膝丈の着物。桃色の帯を締め、鼻緒が臙脂色の下駄を履いている。
(どこの家の子だろう?)
こんな女の子とは、今まで会ったことがない。
どこの子だろうという疑問もさることながら、陽菜にとっては、あのウサギ耳は本物なのかカチューシャなのか、それが一番の関心事項になっていた。
「その耳は、つけてるの?」
陽菜の素朴な疑問を受け、前を歩くセツは首だけ捻って振り返る。耳の向きも、クルリと変わった。
(あっ、動いてる)
驚きにポカンと口が開き、ひと回りほど目が大きくなる。セツはわずかに目を細め、ふふふっと笑った。
「私の耳は、ホントのお耳よ。だって、私はウサギだから」
「え~嘘だぁ。人間の姿をしてるウサギなんて居ないよ」
陽菜の知るウサギは、白や茶色の小さいフワモコだ。
「ホントよ。恥ずかしいから見せないけど、ちゃんと尻尾だってあるんだから」
セツの言葉が本当なのか、思わずセツのお尻を凝視してしまう。陽菜の視線を遮るように、セツの手がサッとお尻に当てられた。
「そういうのは、失礼なのよ」
ムッとした表情に、プクッと膨らむ頬。純粋に、可愛いな、と陽菜は思った。
「ごめんね。でも、言われたら気になっちゃうよ」
「そうだよねぇ。自分と違う容姿だと、と~っても気になっちゃうよね」
理解はしているのよ、とセツはイタズラっ子な笑みを浮かべる。
「でもね。私にしてみれば、陽菜ちゃんの容姿が不思議なのよ。音がするほうにお耳も動かせないでしょ? 身に危険が迫っているときとか、どうやって察知するんだろ~って、知りたいもの」
「身の危険?」
危険の察知なんて、今まで意識したことはなかった。
例えるなら、死角から飛び出してくる自転車や、余所見運転をしている自動車、大人達の集団とすれ違うときにぶつかったり踏まれたりしないように気をつけるとか、そんな部分だろうか。
でも危ないときは、あらかじめ祖父母や両親が言い聞かせてくれるし、背後から突然襲われるなんてこともない。
人間と動物の生活環境の違いもあるだろう。
整備された中で生活している陽菜は、とても恵まれている、のかもしれない。
「それでさ、聞いてもいいかな? 陽菜ちゃんは、どうしてあんな所で泣いてたの?」
あんな所……とは、道の真ん中のことだ。
知っている道のりだから、覚えているとおりに歩けば、家に帰ることができる道。それでも泣いていたのは、暗くて怖くて心細かったから。そしてなにより、一緒に来ていた祖母の姿が、忽然と消えてしまったからだ。
陽菜の目の奥が、またジワリと熱くなってくる。
「ススキの中に走って行って、振り向いたら……おばあちゃんが居なくなっちゃってたの。どこにも居ないし、夜になっちゃったし……」
「あ~そうか。なるほどねぇ。そうなんだねぇ」
何度も肯定する言葉を口にするセツの物言いは、とてもおっとりしていた。
陽菜の告白に別段驚いた様子も無く、陽菜を安心させるような、朗らかな笑みを浮かべている。頬にできた笑窪が、とても可愛らしい。
「えっとねぇ。驚かないでほしいんだけど」
「なぁに?」
「陽菜ちゃんは、人間の世界から、コッチの世界に紛れ込んじゃったんだよ」
「コッチの、世界?」
セツの伝えんとすることが、いまいち分からない。コッチの世界とは、なんのことだろう。
うん……だからね、とセツは陽菜に向き直り、目線を合わせる。ルビーみたいな赤い瞳に、不安に押し潰されている陽菜の顔が映った。
「コッチの世界の道を辿っても、陽菜ちゃんの家には着けないのよ」
「えっ……?」
「同じ場所だけど、違う空間って言えばいいのかな? 私達は、よくソッチの世界にも干渉するから、普通に行き来してるのよね。でも、ソッチの世界の人達は、限られた人だけというか……知ってる人しか来ないの。あとは、陽菜ちゃんみたいに、突然なにも分からず来ちゃう人ね。聞いたことあるかな? 神隠しって言葉、知ってる?」
「……知ってる」
突然、人が居なくなってしまうこと。昔話で聞いたことがある。
「きっとアッチの世界では、陽菜ちゃんが居なくなっちゃったって、大騒ぎになってるんじゃないかな?」
祖母にしてみれば、突然姿が消えてしまったのは陽菜のほうなのだ。
血の気が、サーッと引いていく。
「大変! どうしよう……でも、どうやったら戻れるの?」
もう一度、走ってススキの中に突っ込んで行けばいいのだろうか。
急いで祖母の元へ帰らなければ。
優しい祖母は、きっと自分のせいだと己を責めてしまい、体調を崩してしまうかもしれない。そんなのは嫌だ。そんなことには、したくない。
必死な陽菜に、セツは困ったように眉を八の字にした。耳もペタンと垂れている。
「う~んとね、ごめんね。私一人だったら行って帰ってこられるんだけど……セツは、陽菜ちゃんを帰してあげる方法を知らないんだよね」
「そんな……」
絶望が押し寄せる陽菜に、でもね、とセツは月を指さす。
「ツクヨミ様なら、陽菜ちゃんのこと、どうにかしてあげられると思うんだよね」
「ツクヨミ様?」
「ツクヨミ様はね、夜を担当する神様なんだよ」
少しだけ見えてきた希望に、陽菜は頷く。
「どうやったら、ツクヨミ様のところへ行けるの?」
運がいいねぇ、とセツは微笑む。
「今日はこれから、セツ達みんなでツクヨミ様のところへ行くの」
「これから?」
「そうだよ。年に一度のお祭りなんだぁ。セツはね、ススキを採ってくる役目なの。だから、あの場所に居たのよ」
セツは、肩から斜めにかけているカバンをポンポンと叩いた。叩かれた衝撃で、頭を出しているススキの穂がユラユラと揺れる。
「そうなんだ……」
幸か不幸か、その行事があったおかげで、陽菜はセツに出会うことができた。
どうやらセツが言うように、運には見放されていなかったみたいだ。
「セツちゃん……私も、一緒に行っていい?」
「この状況で、ダメなんて意地悪なこと、セツは言わないよ」
「それじゃあ」
期待を込めた笑みを浮かべる陽菜に、うん、とセツは頷く。
「一緒に行こう。それでね、最初からそのつもりだったから、山に向かっていたのよ。セツってば優しいでしょ?」
セツは自らネタをばらし、ふふふ、と茶目っ気たっぷりに笑う。
妖なのか、ウサギの精なのか、なんなのか。まだ今のところ、セツの正体は謎だ。
けれど……信頼してもいい相手なんだと、頼れる人が一人も居なかった陽菜にとっては、心強い味方の登場だった。
0
あなたにおすすめの小説
後宮なりきり夫婦録
石田空
キャラ文芸
「月鈴、ちょっと嫁に来るか?」
「はあ……?」
雲仙国では、皇帝が三代続いて謎の昏睡状態に陥る事態が続いていた。
あまりにも不可解なために、新しい皇帝を立てる訳にもいかない国は、急遽皇帝の「影武者」として跡継ぎ騒動を防ぐために寺院に入れられていた皇子の空燕を呼び戻すことに決める。
空燕の国の声に応える条件は、同じく寺院で方士修行をしていた方士の月鈴を妃として後宮に入れること。
かくしてふたりは片や皇帝の影武者として、片や皇帝の偽りの愛妃として、後宮と言う名の魔窟に潜入捜査をすることとなった。
影武者夫婦は、後宮内で起こる事件の謎を解けるのか。そしてふたりの想いの行方はいったい。
サイトより転載になります。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
【完結】使えない令嬢として一家から追放されたけど、あまりにも領民からの信頼が厚かったので逆転してざまぁしちゃいます
腕押のれん
ファンタジー
アメリスはマハス公国の八大領主の一つであるロナデシア家の三姉妹の次女として生まれるが、頭脳明晰な長女と愛想の上手い三女と比較されて母親から疎まれており、ついに追放されてしまう。しかしアメリスは取り柄のない自分にもできることをしなければならないという一心で領民たちに対し援助を熱心に行っていたので、領民からは非常に好かれていた。そのため追放された後に他国に置き去りにされてしまうものの、偶然以前助けたマハス公国出身のヨーデルと出会い助けられる。ここから彼女の逆転人生が始まっていくのであった!
私が死ぬまでには完結させます。
追記:最後まで書き終わったので、ここからはペース上げて投稿します。
追記2:ひとまず完結しました!
裏切りの代償
中岡 始
キャラ文芸
かつて夫と共に立ち上げたベンチャー企業「ネクサスラボ」。奏は結婚を機に経営の第一線を退き、専業主婦として家庭を支えてきた。しかし、平穏だった生活は夫・尚紀の裏切りによって一変する。彼の部下であり不倫相手の優美が、会社を混乱に陥れつつあったのだ。
尚紀の冷たい態度と優美の挑発に苦しむ中、奏は再び経営者としての力を取り戻す決意をする。裏切りの証拠を集め、かつての仲間や信頼できる協力者たちと連携しながら、会社を立て直すための計画を進める奏。だが、それは尚紀と優美の野望を徹底的に打ち砕く覚悟でもあった。
取締役会での対決、揺れる社内外の信頼、そして壊れた夫婦の絆の果てに待つのは――。
自分の誇りと未来を取り戻すため、すべてを賭けて挑む奏の闘い。復讐の果てに見える新たな希望と、繊細な人間ドラマが交錯する物語がここに。
クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…
つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました
蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈
絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。
絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!!
聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ!
ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!!
+++++
・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)
後宮の胡蝶 ~皇帝陛下の秘密の妃~
菱沼あゆ
キャラ文芸
突然の譲位により、若き皇帝となった苑楊は封印されているはずの宮殿で女官らしき娘、洋蘭と出会う。
洋蘭はこの宮殿の牢に住む老人の世話をしているのだと言う。
天女のごとき外見と豊富な知識を持つ洋蘭に心惹かれはじめる苑楊だったが。
洋蘭はまったく思い通りにならないうえに、なにかが怪しい女だった――。
中華後宮ラブコメディ。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる