【完結】神様WEB!そのネットショップには、神様が棲んでいる。

かざみはら まなか

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第4章 神様のいなくなった日常の始まり

21.神様、アバターになった?アバターじゃない?じゃあ、ホームページにいるのは、神様?ダブルブッキングで、常世に席がなかった?

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神様に出会えてめちゃくちゃ嬉しい。

嬉しいけど、目の前の出来事の意味がわからない。

「神様、なんで、俺の店のホームページにいるんだ?しかもアバターになって。常世に還ったんじゃなかった?
まさか。
波にさらわれたときに、かまぼこ板ごと遭難して、還っていない?」

救命胴衣がないなら、浮き輪の代わりになる何かぐらい探せば良かった。

発泡スチロールがあれば、ビート板みたいに。

俺が、神様との別れを思い返して、落ち込んでいると、陽気な声が話しかけてきた。

「案ずるな、志春(しはる)。還ったとも。還ったから、ここにいる。」
神様のアバターは、俺に、落ち着け、と手を振る。

常世に還ったのに、人の世で、アバターを作って、俺のホームページで、アバターを使う?

「神様、説明して。」

「常世に還ったら、ダブルブッキングで、席がなかった。」

「ダブルブッキング。」
予約の二重とり、神様の世界でもあるんだ?

常世は、座席指定?
座席を予約して、総入れ替え制の映画館?

「ダブルブッキングにより迷惑をこうむったから、人の世で、志春(しはる)と過ごすことを条件に、寿命を延ばしてきた。

安心するがよい。」
と神様。

「神様、今日から、また一緒に暮らせる?」

俺は、マグロのぬいぐるみから手を離して、くるくると手足を動かす神様のアバターを見つめる。

「席が空くまで、無為に時間をつぶすよりも、志春(しはる)といる方がよかろう?」
と神様。

嬉しいよ、神様。
ありがとう、神様。
会いたかったよ、神様。

俺は、うんうん頷く。
横に置いてあるマグロのぬいぐるみの頭を持ち上げて、マグロのぬいぐるみの頭を上下させてみた。

「マグロも、それがいいって。また一緒に住みたいって、言っている。」

「志春(しはる)。
小童は、生きていないものを動かして遊ぶものだ。
志春(しはる)は、存分に遊ぶとよい。」
と神様。

神様は、俺の好きにしたらいい、と言って、背中を押して、見守ってくれる。

いつもいつも。
最初から。

俺、神様に出会えて、良かった。

「俺の店のホームページにアバターを作ったのは、なんで?」

「志春(しはる)の言うアバターが、何を指すのか分からぬ。

志春(しはる)が生きている間、人の世で、志春(しはる)といるのに、棲む場所がいるのでな。

志春(しはる)が作った神棚があったから、棲んでおる。」
と神様のアバターが話す。

「俺の店のホームページにいる、神様のアバターに見えるデフォルメされた神様は、神様本人?

神様が、俺のネットショップに棲んでいる?

神様って、ネットショップに棲めるんだ?」

「棲めるとも。志春(しはる)が手作業で、心を込めて作った家だ。」
と神様。

「褒めてくれて、嬉しいけれど、神様が元々いた山のふもとの家には、帰ってくる予定はない?」

ネットショップで会えるだけでも、嬉しいけれど、また一緒に、神様と暮らしたい。

「その家との縁は、切れておる。」
と神様。

「そうだった。一度、縁が切れた家には、二度と神様は、戻らないんだった。もう神様は、うちに戻ってこないんだ。」

神様との暮らしを期待した後だけに、がっかり倍増。

気になることを聞こう。

「俺の店のホームページは、神棚になっていて、神様が棲んでいる、ということは。
俺が話しているのは、アバターじゃなくて、神様そのもの?」

「アバターというのが、何を指すのか、分からぬ。

志春(しはる)の作った家は住み心地が良い。

気に入った。」
と神様。

アバターじゃなくて、神様本人だ。

俺のネットショップには、神様が棲んでいる!

俺は、絶対に、俺の店をたたまないと決めた。

神様が褒めてくれた神様の家。

俺と神様を繋ぐ場所。

俺が寿命で、ぽくっと逝く日まで、店を続けるんだ。

まずは、売り上げ、一。

ほっとしたけど、売り上げ、一、だけじゃ、店を続けるには足りない。

売り上げ、二、になるように、神様と相談だ!
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