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第5章 神様の新しい棲み家は、俺のネットショップ
29.父さん母さんには、期待しないでおこうと決めていた。拒絶が怖くて、対面する勇気は出ないけど、扉の向こうにいるかと思うと期待してしまう。
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俺は、インターホン越しに、母さん、と呼びかけるのをためらった。
『ここは、俺の家なんだから、誰かが家にいるとしたら、俺しかいない。
どうして、家にいるのが俺だと、考えないんだ?
俺の家で、俺の了解を取らずに、何をしていたか、正直に話して。』
そんな風に、母さんに、言えたらいいのに。
母さんには、大学一年生のとき、2回助けを求めて、2回とも拒絶されている。
2回とも電話だったから、母さんに拒否されたダメージは、声で残った。
声だけでも、察するものがあって、辛かった。
母さんは、俺の母さんでいることを辞めたがっていることが、伝わってきたんだ。
インターホン越しに母さんと呼びかけて、カメラ越しとはいえ、母さんの反応を直接受け止める勇気が、俺には、もう出せない。
俺には、神様がいるから、父さんと母さんには、もう期待しないと決めていた。
でも。
お互いが認識できる距離にいて、母さんの顔を見て、声を聞いたら。
期待しないという決意は、砂浜の砂山のようにさらさらと崩れていく。
俺の部屋だから、俺が使っているという当たり前のことに、母さんが思い至ったら。
部屋の中にいるのは、俺だときっと気づく。
俺だと気づいたとき、母さんが、驚いた後に喜んでくれると分かっていたら、俺は、母さんと呼びかけることをためらわない。
インターホンのカメラ越しに、母さんを見ていないで、鍵をあけて、今頃、母さんに対面している。
母さんに呼びかけるのをためらってしまうのは、母さんが俺を意図的に見ないようにしているんじゃないかと、疑わずにはいられないから。
母さんが、この部屋の合鍵を持っているのは、息子の俺が住んでいる部屋で、万が一のときのため、だったと、俺は記憶しているんだけど、母さんの記憶ではどうなっている?
俺が万が一になりかけたとき、母さんは合鍵を使うのを拒否したから、母さんが持っている合鍵には、意味のないものだ、と昨日までの俺は思っていた。
直接対面する勇気が出ない俺は、インターホンのカメラ越しに、母さんの反応を見ることにした。
母さんは、俺の声を聞いたら、どんな反応をするんだろう?
「この部屋に、何か?」
俺は、何でもない、世間話をしているかのように、淡々と話してみた。
母さんからは、どんな返事が返ってくる?
スマホを持つ側の俺の手は、変な汗をかいていた。
『ここは、俺の家なんだから、誰かが家にいるとしたら、俺しかいない。
どうして、家にいるのが俺だと、考えないんだ?
俺の家で、俺の了解を取らずに、何をしていたか、正直に話して。』
そんな風に、母さんに、言えたらいいのに。
母さんには、大学一年生のとき、2回助けを求めて、2回とも拒絶されている。
2回とも電話だったから、母さんに拒否されたダメージは、声で残った。
声だけでも、察するものがあって、辛かった。
母さんは、俺の母さんでいることを辞めたがっていることが、伝わってきたんだ。
インターホン越しに母さんと呼びかけて、カメラ越しとはいえ、母さんの反応を直接受け止める勇気が、俺には、もう出せない。
俺には、神様がいるから、父さんと母さんには、もう期待しないと決めていた。
でも。
お互いが認識できる距離にいて、母さんの顔を見て、声を聞いたら。
期待しないという決意は、砂浜の砂山のようにさらさらと崩れていく。
俺の部屋だから、俺が使っているという当たり前のことに、母さんが思い至ったら。
部屋の中にいるのは、俺だときっと気づく。
俺だと気づいたとき、母さんが、驚いた後に喜んでくれると分かっていたら、俺は、母さんと呼びかけることをためらわない。
インターホンのカメラ越しに、母さんを見ていないで、鍵をあけて、今頃、母さんに対面している。
母さんに呼びかけるのをためらってしまうのは、母さんが俺を意図的に見ないようにしているんじゃないかと、疑わずにはいられないから。
母さんが、この部屋の合鍵を持っているのは、息子の俺が住んでいる部屋で、万が一のときのため、だったと、俺は記憶しているんだけど、母さんの記憶ではどうなっている?
俺が万が一になりかけたとき、母さんは合鍵を使うのを拒否したから、母さんが持っている合鍵には、意味のないものだ、と昨日までの俺は思っていた。
直接対面する勇気が出ない俺は、インターホンのカメラ越しに、母さんの反応を見ることにした。
母さんは、俺の声を聞いたら、どんな反応をするんだろう?
「この部屋に、何か?」
俺は、何でもない、世間話をしているかのように、淡々と話してみた。
母さんからは、どんな返事が返ってくる?
スマホを持つ側の俺の手は、変な汗をかいていた。
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