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第5章 神様の新しい棲み家は、俺のネットショップ
28.鍵穴をガチャガチャするのは?
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俺が、返事をすると、扉の向こうの男は、え?という顔になった。
俺は、扉の向こうの男が、どう動くのか、待つ。
「えーと、誰?」
と扉の向こうの男は、俺に聞いてきた。
『お前。誰だよ?』は、俺のセリフだと思う。
冷静に、冷静に。
「そっちは?何しに来た?」
「用があるから来たんだけど。」
と扉の向こうの男。
俺は、呼んでいない。
空き巣が、仲間を呼んだ?
堂々としているのは、慣れているから?
もしかして、俺の名を騙って、誰かが呼んだ?
俺は、大学に来ていなかったから、俺のことを知らない誰かに騙された?
それとも、家を間違えただけ?
色々な考えが、頭の中をぐるぐるする。
「訪問先は、ここで合っている?」
「何度も来ているし、間違えない。てか、誰だよ?」
と扉の向こうの男。
『誰だよ?』の部分は、小さな声だった。
「何時に来ることになっていた?」
現在、朝の八時。
客が来る時間には、早いと思う。
小学校、中学校で、夏休み前に配られたプリントにも、朝の十時より前に、他所の家に行ってはいけません、と書いてあった。
犯罪に適した時間が合ったり?
「時間とか、別に関係ないだろ。いるんなら、開けろよ。寒いんだよ。」
と玄関ドアの向こうから、イライラした声がする。
「この部屋へ、何をしに来た?」
「なんだよ、しつこいな、中に入れろよ。」
「中に入れる理由は?」
「はあ?」
ドカっと音がした。
玄関ドアを蹴ったようだ。
男は、自分が誰かも言わないし、用件も言わない。
続くようなら、警察を呼ぶ、と俺は決めた。
「誰?何をしに来た?」
「お前こそ、誰だよ。ごちゃごちゃ言ってんなら、顔見せろ。」
と男が荒れてきた。
寒いんだろうな。
上着きていないから。
扉は開けないけど。
バタバタと、別の足音が近づいてくるのが聞こえた。
足音は、俺の部屋の近くで止まる。
増えた!
仲間か?
「変なやつがいて、入れないんだけど!」
と男は、新しい足音の主に文句を言う。
「え?そうなの?ごめんなさいね。交通トラブルで、来るのが遅くなったのよ。すぐ入れるようにするから。」
愛想よく返す女性の声には、聞き覚えがある。
この四年間に限っては、数えるほどしか、聞いていない。
でも、よく親しんだ声。
聞き間違えたりしない。
まさか。
女性は、扉に近づいて、鍵を取り出し、鍵穴に差し込もうとして、鍵穴をガチャガチャさせている。
俺は、インターホンのカメラにうつる女性の顔から目が離せなかった。
母さん。
母さん。どうして。
「あら、開かない。鍵が、だめになっているのかしら?」
と母さんは、困ったように呟く。
「はあ?貸せ。」
男は、母さんをどかして、鍵穴に無理やり鍵を突っ込もうとした。
「無理やりしたら、鍵穴が壊れるから!修理代がかかるから、止めて。」
と母さんが止めている。
母さんにとっては、修理代が大事なんだ?
俺が住んでいる部屋だけど、俺のこと、忘れていない?
「入れるようにしろよ!使えるようにするって話だろ。」
と男は、玄関ドアをまた蹴った。
警察を呼ぶ?
どうしよう。
「中に誰かいるんなら、開けてもらえばいいんじゃない?」
と母さんが、名案みたいに話している。
「馬鹿か?そいつが、開けないから、入れないんだろ!」
と男。
「中にいる人は、びっくりしているのかも。いきなり、人が来たから。」
と母さん。
「はあ?なんだよ。どんだけ部屋を使わせているんだよ!管理できていないじゃないか!」
と男。
どういう意味?
俺の部屋を使わせている?
「だって、空いている時間も稼げるから。勿体ないでしょ。時間単位での支払いだと、部屋を借りたい人はそこそこいるのよ。今までは、うまくいっていたの。時間超過なんて、今回が始めてなのよ。私もびっくりしているわ。」
と母さん。
母さんは、俺の部屋を、俺に無断で、第三者に貸し出していた?
「俺が入れない時間の支払いは、なしだからな。」
と男。
「ごめんなさいね。部屋代は、超過している人から、貰うからいいわよ。」
と母さん。
「インターホンで、聞いているんですよね?
時間超過しているんで、超過代金を払って、すぐに退出してもらいます。
次の方もお待ちですから。
とりあえず、私もいるんで、ドアの鍵を開けてください。」
と母さん。
俺は、扉の向こうの男が、どう動くのか、待つ。
「えーと、誰?」
と扉の向こうの男は、俺に聞いてきた。
『お前。誰だよ?』は、俺のセリフだと思う。
冷静に、冷静に。
「そっちは?何しに来た?」
「用があるから来たんだけど。」
と扉の向こうの男。
俺は、呼んでいない。
空き巣が、仲間を呼んだ?
堂々としているのは、慣れているから?
もしかして、俺の名を騙って、誰かが呼んだ?
俺は、大学に来ていなかったから、俺のことを知らない誰かに騙された?
それとも、家を間違えただけ?
色々な考えが、頭の中をぐるぐるする。
「訪問先は、ここで合っている?」
「何度も来ているし、間違えない。てか、誰だよ?」
と扉の向こうの男。
『誰だよ?』の部分は、小さな声だった。
「何時に来ることになっていた?」
現在、朝の八時。
客が来る時間には、早いと思う。
小学校、中学校で、夏休み前に配られたプリントにも、朝の十時より前に、他所の家に行ってはいけません、と書いてあった。
犯罪に適した時間が合ったり?
「時間とか、別に関係ないだろ。いるんなら、開けろよ。寒いんだよ。」
と玄関ドアの向こうから、イライラした声がする。
「この部屋へ、何をしに来た?」
「なんだよ、しつこいな、中に入れろよ。」
「中に入れる理由は?」
「はあ?」
ドカっと音がした。
玄関ドアを蹴ったようだ。
男は、自分が誰かも言わないし、用件も言わない。
続くようなら、警察を呼ぶ、と俺は決めた。
「誰?何をしに来た?」
「お前こそ、誰だよ。ごちゃごちゃ言ってんなら、顔見せろ。」
と男が荒れてきた。
寒いんだろうな。
上着きていないから。
扉は開けないけど。
バタバタと、別の足音が近づいてくるのが聞こえた。
足音は、俺の部屋の近くで止まる。
増えた!
仲間か?
「変なやつがいて、入れないんだけど!」
と男は、新しい足音の主に文句を言う。
「え?そうなの?ごめんなさいね。交通トラブルで、来るのが遅くなったのよ。すぐ入れるようにするから。」
愛想よく返す女性の声には、聞き覚えがある。
この四年間に限っては、数えるほどしか、聞いていない。
でも、よく親しんだ声。
聞き間違えたりしない。
まさか。
女性は、扉に近づいて、鍵を取り出し、鍵穴に差し込もうとして、鍵穴をガチャガチャさせている。
俺は、インターホンのカメラにうつる女性の顔から目が離せなかった。
母さん。
母さん。どうして。
「あら、開かない。鍵が、だめになっているのかしら?」
と母さんは、困ったように呟く。
「はあ?貸せ。」
男は、母さんをどかして、鍵穴に無理やり鍵を突っ込もうとした。
「無理やりしたら、鍵穴が壊れるから!修理代がかかるから、止めて。」
と母さんが止めている。
母さんにとっては、修理代が大事なんだ?
俺が住んでいる部屋だけど、俺のこと、忘れていない?
「入れるようにしろよ!使えるようにするって話だろ。」
と男は、玄関ドアをまた蹴った。
警察を呼ぶ?
どうしよう。
「中に誰かいるんなら、開けてもらえばいいんじゃない?」
と母さんが、名案みたいに話している。
「馬鹿か?そいつが、開けないから、入れないんだろ!」
と男。
「中にいる人は、びっくりしているのかも。いきなり、人が来たから。」
と母さん。
「はあ?なんだよ。どんだけ部屋を使わせているんだよ!管理できていないじゃないか!」
と男。
どういう意味?
俺の部屋を使わせている?
「だって、空いている時間も稼げるから。勿体ないでしょ。時間単位での支払いだと、部屋を借りたい人はそこそこいるのよ。今までは、うまくいっていたの。時間超過なんて、今回が始めてなのよ。私もびっくりしているわ。」
と母さん。
母さんは、俺の部屋を、俺に無断で、第三者に貸し出していた?
「俺が入れない時間の支払いは、なしだからな。」
と男。
「ごめんなさいね。部屋代は、超過している人から、貰うからいいわよ。」
と母さん。
「インターホンで、聞いているんですよね?
時間超過しているんで、超過代金を払って、すぐに退出してもらいます。
次の方もお待ちですから。
とりあえず、私もいるんで、ドアの鍵を開けてください。」
と母さん。
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