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第6章 神様が棲むネットショップ〈神棚〉、営業中
62.人の流れに乗るには、人の行き来が少ない。通り過ぎていった人が二人、引き返してきて、上りエスカレーターに乗っている俺の真後ろにいる。
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進行方向に、駅が見えてきた。
人の流れに乗ると言っても。
俺がいる場所は、東京の大きな駅の交差点みたいに、人の流れが交通のメカニズムを作る程じゃない。
東京のとある駅は、就職活動で行って、びっくりした。
打ちのめされて、元気がないときじゃなく、やる気に満ちているときにこそ歩きたい場所だと思う。
俺は、駅までの道のりを見て、困った。
神様の指示するように、人の流れに乗れる?
俺が今いる場所は、駅を生活圏にしている人が生活するのに、ちょうどいいくらいの混まなさ。
混んでいないんだ。
人の流れというのは、確かにある。
でも。
その流れに従わないと歩くのが困難だったり、何人もの人の邪魔になる、という状況にはならない。
流れに逆走している人がいたら、逆走している人を咎めず、逆走している人に当たりそうな人が、避ける。
横断歩道を渡るとき、駅に向かう人と、駅から出る人が半分ずつ使っている。
ゆるやかな人の流れに乗るにしても、前から向かってくる人を避けないで歩くためには。
前の人との距離を開けすぎないようにして進むのが理想だけど。
俺の周辺は、横断歩道の手前から、既に、人がバラけている。
人の流れに乗れるほど、人がいない場合、どうする?
神様に相談すると、声が丸聞こえになる距離に、何人も人がいる。
神様に相談しないで、自分で考えないと。
人口密度が低い。
人と人の間の間隔が、あいている。
俺が人と人の間に入っても、俺の前後の人が左右にずれてしまえば、前後がガラ空きになる。
結論。
人の流れに乗るのは無理。
人の中に、埋没できないなら、突出する?
俺は、交通量と信号の変わる順番、信号の長さをなんとなく把握した。
まっすぐに駅に向かうと、信号にひっかかる。
信号に引っかかったときに囲まれるのは、避けたい。
俺が足を踏んだ三人組が、後ろから追いついてきたら。
さっき、三人組に追いかける気がなかったから、今、俺は、駅が見える場所まで、たどり着けている。
二回目の邂逅でも、おなじことが可能?
二回目は、捕まえにくる、と思う。
三人組が情報を集めて、伝えるだけで十分だったのは、追手が先に罠を仕掛てある場所だったから。
駅から先の、俺の行き先に確証が持てないなら。
追手は、駅に着くまでに、俺を捕まえることを望んでいると思う。
よし。
駅に最短距離に進むんじゃなく、右に渡って、直進して、左に渡って、と迂回しながら、歩く。
走って、突っ切ろうとすると、人が多くて、赤信号に引っかかる。
俺は、立ち止まらないように横断歩道を渡り続ける。
多分、そうだ、と見た目で分かる人を見つけた。
三人組や、追い込み役と似た雰囲気の人が、いる。
近づいてくる。
あれ?
通り過ぎて行った?
俺の影が後ろに伸びている。
「志春(しはる)。一度通り過ぎて、引き返してきた者が、二人、志春(しはる)の後ろについてきておる。」
と神様。
二人?
俺、一人しか、見えていなかった。
二人とも、ただの尾行?
それとも、ここから、動き出す?
駅の改札に入ってしまえば、一息つけるはず。
駅の改札に入るまでの距離で、追手に動きがあるとすれば。
追手が動くなら、どこ?
エレベーターは、密室になるから、乗らない。
階段は、行き来する人の数が、よめないから、今日は使わない。
前からぶつかられた場合、階段だと、踏みとどまれなければ、落ちる。
後ろから引っ張られて、引っ張った相手が、体をひけば、誰に引っ張られたかも分からずに、落ちる。
移動は、エスカレーターにしよう。
あとは、コンコース。
人の流れが決まるほど、人口密度が高くない。
人がいなくはない程度の密集具合で、混んでいる、とは言えないけれど、事件を起こすには、人目が無視できないと俺は思う。
俺は、涼しい顔で、エスカレーターへと進む。
「志春(しはる)、すぐ後ろにいる。
二人とも、間にいた者を追い越しておる。」
と神様。
俺のすぐ後ろにいるなら、エスカレーターをおりた瞬間が勝負。
エスカレーターのすぐ後ろなら、手を伸ばせば届いてしまう。
エスカレーターの手すりに添えている手に、力が入ってしまう。
エスカレーターが上がりきる前に、空いている場所を確認したい。
でも、俺のすぐ後ろに追手がいるなら、タイムラグは期待できない。
どうしよう。
人の流れに乗ると言っても。
俺がいる場所は、東京の大きな駅の交差点みたいに、人の流れが交通のメカニズムを作る程じゃない。
東京のとある駅は、就職活動で行って、びっくりした。
打ちのめされて、元気がないときじゃなく、やる気に満ちているときにこそ歩きたい場所だと思う。
俺は、駅までの道のりを見て、困った。
神様の指示するように、人の流れに乗れる?
俺が今いる場所は、駅を生活圏にしている人が生活するのに、ちょうどいいくらいの混まなさ。
混んでいないんだ。
人の流れというのは、確かにある。
でも。
その流れに従わないと歩くのが困難だったり、何人もの人の邪魔になる、という状況にはならない。
流れに逆走している人がいたら、逆走している人を咎めず、逆走している人に当たりそうな人が、避ける。
横断歩道を渡るとき、駅に向かう人と、駅から出る人が半分ずつ使っている。
ゆるやかな人の流れに乗るにしても、前から向かってくる人を避けないで歩くためには。
前の人との距離を開けすぎないようにして進むのが理想だけど。
俺の周辺は、横断歩道の手前から、既に、人がバラけている。
人の流れに乗れるほど、人がいない場合、どうする?
神様に相談すると、声が丸聞こえになる距離に、何人も人がいる。
神様に相談しないで、自分で考えないと。
人口密度が低い。
人と人の間の間隔が、あいている。
俺が人と人の間に入っても、俺の前後の人が左右にずれてしまえば、前後がガラ空きになる。
結論。
人の流れに乗るのは無理。
人の中に、埋没できないなら、突出する?
俺は、交通量と信号の変わる順番、信号の長さをなんとなく把握した。
まっすぐに駅に向かうと、信号にひっかかる。
信号に引っかかったときに囲まれるのは、避けたい。
俺が足を踏んだ三人組が、後ろから追いついてきたら。
さっき、三人組に追いかける気がなかったから、今、俺は、駅が見える場所まで、たどり着けている。
二回目の邂逅でも、おなじことが可能?
二回目は、捕まえにくる、と思う。
三人組が情報を集めて、伝えるだけで十分だったのは、追手が先に罠を仕掛てある場所だったから。
駅から先の、俺の行き先に確証が持てないなら。
追手は、駅に着くまでに、俺を捕まえることを望んでいると思う。
よし。
駅に最短距離に進むんじゃなく、右に渡って、直進して、左に渡って、と迂回しながら、歩く。
走って、突っ切ろうとすると、人が多くて、赤信号に引っかかる。
俺は、立ち止まらないように横断歩道を渡り続ける。
多分、そうだ、と見た目で分かる人を見つけた。
三人組や、追い込み役と似た雰囲気の人が、いる。
近づいてくる。
あれ?
通り過ぎて行った?
俺の影が後ろに伸びている。
「志春(しはる)。一度通り過ぎて、引き返してきた者が、二人、志春(しはる)の後ろについてきておる。」
と神様。
二人?
俺、一人しか、見えていなかった。
二人とも、ただの尾行?
それとも、ここから、動き出す?
駅の改札に入ってしまえば、一息つけるはず。
駅の改札に入るまでの距離で、追手に動きがあるとすれば。
追手が動くなら、どこ?
エレベーターは、密室になるから、乗らない。
階段は、行き来する人の数が、よめないから、今日は使わない。
前からぶつかられた場合、階段だと、踏みとどまれなければ、落ちる。
後ろから引っ張られて、引っ張った相手が、体をひけば、誰に引っ張られたかも分からずに、落ちる。
移動は、エスカレーターにしよう。
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人の流れが決まるほど、人口密度が高くない。
人がいなくはない程度の密集具合で、混んでいる、とは言えないけれど、事件を起こすには、人目が無視できないと俺は思う。
俺は、涼しい顔で、エスカレーターへと進む。
「志春(しはる)、すぐ後ろにいる。
二人とも、間にいた者を追い越しておる。」
と神様。
俺のすぐ後ろにいるなら、エスカレーターをおりた瞬間が勝負。
エスカレーターのすぐ後ろなら、手を伸ばせば届いてしまう。
エスカレーターの手すりに添えている手に、力が入ってしまう。
エスカレーターが上がりきる前に、空いている場所を確認したい。
でも、俺のすぐ後ろに追手がいるなら、タイムラグは期待できない。
どうしよう。
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