いなくなって、若返ったお父さんは、私のヒーローになって、永遠の共犯者になった。

かざみはら まなか

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第3章 混じり気のない黒は、濁りのない白と同じくらい純粋で強烈。だから、惹きつけられる。

25.頭を握り潰したがる医者は、家族と離れざるをえなかった。医者は、家族を安心させるために誹謗中傷をはねのけようと挑戦し、成功したのに。

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私は、大きな口を手に入れた。

大きな口は、私に真っ白な清らかさを求めない。

大きな口は、私が私のために家族といるという目的を貫き通す強欲さが好き。

私は、次の段階にいこうと思う。

お母さんと妹が、バラバラになる前に、私から逃げられないようにしてしまうの。

お父さんには、私の協力者になってもらう。

大きな口を従えた私。

大きな口は、私の姿を隠すことができる。

頭を握り潰したがる医者の職場に見学に行った。

頭を握り潰したがる医者は、施術のときは、頭を握り潰したがらない。

患者に寄り添う誠意あるお医者さん。

医者ではなく、セラピストを名乗っている。

私は、医者の職場をみているうちに、誹謗中傷まみれの医者を頼ってくる人が途絶えないことに気づいた。

医者の元にくる患者を見ると、大きな口は、必ず人物評をする。

「心がくすんでいる。」
「心が濁っている。」
「心が淀んでいる。」
「心が支離滅裂。」

こういう人物評をされた患者に対して、頭を握り潰したがる医者は、丁寧だけど、一線をひいて対応している。

大きな口のお眼鏡にかなう人には、お父さんが受けたのと同じ施術。

お父さんと同じ施術をしても、最後まで諦めなかった人は一人もいなかった。

大きな口は、不満げに、歯を鳴らす。

大きな口は、施術が成功した人からじゃないと、諦めない心を食べたがらない。

大きな口は、頭を握り潰したがる医者が施術という加工をして、成功したものだけを食べていた。

味が全然違うんだそう。

大きな口は、美食家らしい。

空腹は感じなくても、食欲はある、と大きな口は言う。

頭を握り潰したがる医者は、精神科医として真摯に患者と向き合っている。

精神科医の仕事内容について、誹謗中傷されていたけれど、患者と向き合うことを止めなかった。

医者との出会いが転機になっただろう人がいる。

私は、頭を握り潰したがる医者の仕事ぶりを見ているうちに、分からせたくなってきた。

私の自分勝手な思いつき。

医者を追い詰めた人達に、医者の凄さを分からせたい。

医者を追い詰めたのは、誰?

頭を握り潰したがるようになったのは、どうして?

大きな口に聞いてみた。

「大きな口。頭を握り潰したがる医者が、頭を握り潰したがるようになった経緯を知っているなら、教えて。」

大きな口とは、意思疎通ができるようになった。

私の心の黒さが、大きな口との意思疎通をスムーズにさせるらしい。

「施術の正しさを証明することを求められ、自らに試して証明したら、家族が逃げた。」
と大きな口。

「家族が逃げた原因は何?」

「彼らは、施術をまやかしだと罵った。

まやかしに傾倒する愚か者と共にいることはできない。
あげつらわれるような、恥ずべき行いをやめるように、と。

施術が成功したと主張すると、付き合いきれない、と逃げ出した。」
と大きな口。

大きな口は、頭を握り潰したがる医者の側で、姿を消して見ていた。

医者は、家族に安心を与えようと挑戦し、成功したことで、家族に捨てられた。

医者は、絶望したのかもしれない。

医者は、家族に捨てられたせいで、頭を握り潰したがる危険人物になった。

私は、医者の頭を握り潰したがる衝動に迷惑している。

製造物責任法というのを振りかざして、医者の家族に思い知らせるのは、私の権利。

「大きな口。頭を握り潰したがる医者の家族を突き止めよう。」
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