フィリス・ガランの近衛生活

かざみはら まなか

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第2章 フィリス、16歳の男子高校生を自分の家に連れてかえる

17.異世界人タマキが日本にいたころ

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タマキは思った。
今までの16年の人生で、こんなに必死に何かを覚えることあったかな?

初日は、フィリスのお家で暮らす使用人の中で、関わりが確実な数人を紹介してもらった。

午前中は、作業着に着替えて、掃除、洗濯、炊事、庭仕事を実践で学び、午後は学習。
夜は、明日の準備を済ませてから、速やかに就寝。
日本にいたときより、規則正しい生活しているな。
タマキは鏡に写る自分を見る。日本にいた頃より血色がよい。

日本にいたときは、規則正しい生活なんて知らなかったなー。

俺、異世界に来てから、日本を思い出して泣いたりしていないな。

毎日を乗り越えるのに必死だったのが良かった。

日本にいたときは、家族連れが羨ましかったのに。


タマキの父は、女性に人気の男だった。色んな女性に好かれながら、生きていたが、ある時、1人の女性が桁外れの財力でパトロンを申し出た。
タマキの父は、気安く、申し出を受け入れ、2人は楽しく過ごしていた。

しかし、タマキの父は、パトロンの女性の恋人や愛人になったつもりはなかったらしい。

オトナの関係を楽しめる気前の良いセフレだから、お金を出してもらう分は、接待して楽しませ、ついでに自分も楽しむ感覚でいた。

パトロンの女性からもらったお金を貯めて、一般人の他人と結婚した。

相手は既に妊娠していて、お金を貯めたいから、と役所に婚姻届を提出しただけで、式もなく、結婚したと誰かに話すこともなかった。

結婚後も、タマキの父は、パトロンの女性とデートを続けた。

タマキの父にとって、パトロンの女性との関係は、お金を稼ぎ、家族と自分を養うための大事なお仕事。

結婚後は、よりいっそう接待に励んだ。

事情を知らない他人からすると、
身重の妻がいる新婚の夫を侍らして不倫を楽しむ金持ち女と、金につられて、身重の妻をほったらかしている顔だけ男にしか見えない。

パトロンの女性は、周りから、人がいなくなるのを不思議に思い、調べさせていた。
疎遠にならなかった1人が匂わせたことで、不倫関係に陥っていると気付いた女性は、急いで、3人て話し合うことにした。

女性とタマキの父が出会ったとき、互いに独身で、特定の相手もいなかった。女性にとって、タマキの母は、妊娠を盾にタマキの父を奪った見ず知らずの泥棒猫。

タマキの父の口から、弁明でも、言い訳でも、謝罪でも、真心をもらいたかった。

3人で会ってみると、会話を切り出す前から、完全に2対1の図が出来上がっていた。

タマキの父のみならず母も、女性との関係をお仕事だと思っていた。

「高額なママ活だけど、しょせんママ活。
ママ活相手が誰と結婚しようが、関係なくない?
そういうの嫌だって言うなら、ママ活しなければ良かったじゃん。」

タマキの母はパトロン女性に言った。

「仕事なんだから、外で女とセックスするぐらい、擦り傷にもならないわ。」

タマキの母は夫の仕事に寛容だった。

タマキの父は、パトロンの女性に礼を言った。
「今までありがとう。あなたのお陰で、とても楽しかった。自分の家族も持てた。」

「今までうまくいっていたけど、俺が既婚者だと嫌だって言うなら、俺たちの関係はもう無理だと思う。今日で終わりにしよう。」

タマキの父は、何のためらいもなく女性を切り捨てた。

「主人がお世話になりました。」
タマキの母が頭を下げ、若夫婦は仲良く出ていった。



タマキの父とパトロン女性の関係はそこで終わったかに見えた。
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