92 / 1,496
第4章 異世界転生した少年少女がガラン領を永久追放されて王都に移送後、何があった?
93.日常に宮廷文化を突っ込んでみたよ?
しおりを挟む
フィリス1人のところに、もう2人、手のかかる子爵子息が増えた。
配置する職員が1人じゃ足りない。2人追加で。
職員達は、目と指で会話しながら、そつなく配置につく。
フィリスを案内してきた職員が、フィリスの名前と年齢、家の爵位を告げる。
ノーマとシエルの案内をした職員が、続けて2人分を。
ジーン、シドニー、ラウル、エスターの4人の側にいる職員が4人分の名前と年齢、家の爵位を言い終わる。
着席の合図で全員が座った。
「フィリス様、ノーマ様、シエル様、先程のやり取りは、一体何だったのでしょう?」
職員が会話の切り口として聞いた。
フィリスは、気にかかる子どもを見つけられたので、喜んでいる。
ノーマとシエルも話が分かるかもしれない子どもがいて嬉しい。
先程のやり取り、と言われて、なんのことだかわかっていない3人を見て、エスターが間に入った。
「初めまして。私は、エスター・カンダンテ。先程のやり取りというのが、この場所に来る前に3人で何かしたことじゃないかと思うんだけど、思い当たることはないかな?」
エスターはまともに会話をする気がある人間と気づいたノーマが話した。
「フィリス様が、古い叙情詩のある1節を詠み、シエルと私が2節返したことでしょうか?」
エスターはちらっと職員を見た。
職員が軽く頷いたのを見て、それのことだよ、と答える。
「古式ゆかしき作法の1つです。誘いは、1節。諾なら2節。否なら、5節。」
「つまり、フィリス殿が誘い、ノーマ殿とシエル殿がそれを受けた。」
「はい。」
「初めて聞いたけれど、よく使われるもの?」
「ご存知の方は。ただ、どちらも、叙情詩そのものと作法を知らないと通用しません。」
「言葉遊びのようなものかな?」
「いいえ。旧家の方々には常識の範疇ですので。雅な宮廷文化が生きている場所では、日常的に使用されます。」
旧家とは、世界的な国家の勃興期の前から存在していた家を指す。
ガラン子爵家は、コーハ王国建国前から一大勢力を保持しているので、旧家に分類される。
「旧家で、となると、ガラン子爵家では、普段から使っているの?フィリス殿。」
とエスター。
「家中では、あまり。外で。」
名指しに答えるフィリス。
「領民相手に?」
「外つ国の。」
「ガラン子爵家は、独自の外交ルート持っているものね。」
フィリスはエスターとの受け答えよりも、ノーマとシエルが気になる。
「旧き家ではなく?」
シエルが答える。
「ノーマの家もうちも違う。祭典、式典に特化してきたから、詳しくなった。」
「嬉しい。」
とフィリス。
話が合いそうで気持ちのよい人は友達になってみたらいいよ、とお父様もお許しくださっている。
「旧き家だと思ったから、叙情詩を?なんでそう思った?」
「衣の意匠が、叙情詩の。」
とフィリス。
「服?どこ?」
「背。流るる川にかんざし。」
ノーマが、シエルの背を確認し、確かに、と言った。
「そんな意味が。知らずに着たわ。」
とシエル。
「私のも?」
とノーマ。
「叢雲に小鳥。」
とフィリス。
シエルは、ノーマの背中を見て、あーと言った。
「言われてみないとわからないけれど、言われたら、そうとしか見えない。」
とシエル。
「私ら旧き家じゃないけど、良かった?」
とノーマ。
「気に入れば、とお父様が。」
フィリスはふんわりと笑った。
「それは良かった。」
「誠に。」
とフィリス。
配置する職員が1人じゃ足りない。2人追加で。
職員達は、目と指で会話しながら、そつなく配置につく。
フィリスを案内してきた職員が、フィリスの名前と年齢、家の爵位を告げる。
ノーマとシエルの案内をした職員が、続けて2人分を。
ジーン、シドニー、ラウル、エスターの4人の側にいる職員が4人分の名前と年齢、家の爵位を言い終わる。
着席の合図で全員が座った。
「フィリス様、ノーマ様、シエル様、先程のやり取りは、一体何だったのでしょう?」
職員が会話の切り口として聞いた。
フィリスは、気にかかる子どもを見つけられたので、喜んでいる。
ノーマとシエルも話が分かるかもしれない子どもがいて嬉しい。
先程のやり取り、と言われて、なんのことだかわかっていない3人を見て、エスターが間に入った。
「初めまして。私は、エスター・カンダンテ。先程のやり取りというのが、この場所に来る前に3人で何かしたことじゃないかと思うんだけど、思い当たることはないかな?」
エスターはまともに会話をする気がある人間と気づいたノーマが話した。
「フィリス様が、古い叙情詩のある1節を詠み、シエルと私が2節返したことでしょうか?」
エスターはちらっと職員を見た。
職員が軽く頷いたのを見て、それのことだよ、と答える。
「古式ゆかしき作法の1つです。誘いは、1節。諾なら2節。否なら、5節。」
「つまり、フィリス殿が誘い、ノーマ殿とシエル殿がそれを受けた。」
「はい。」
「初めて聞いたけれど、よく使われるもの?」
「ご存知の方は。ただ、どちらも、叙情詩そのものと作法を知らないと通用しません。」
「言葉遊びのようなものかな?」
「いいえ。旧家の方々には常識の範疇ですので。雅な宮廷文化が生きている場所では、日常的に使用されます。」
旧家とは、世界的な国家の勃興期の前から存在していた家を指す。
ガラン子爵家は、コーハ王国建国前から一大勢力を保持しているので、旧家に分類される。
「旧家で、となると、ガラン子爵家では、普段から使っているの?フィリス殿。」
とエスター。
「家中では、あまり。外で。」
名指しに答えるフィリス。
「領民相手に?」
「外つ国の。」
「ガラン子爵家は、独自の外交ルート持っているものね。」
フィリスはエスターとの受け答えよりも、ノーマとシエルが気になる。
「旧き家ではなく?」
シエルが答える。
「ノーマの家もうちも違う。祭典、式典に特化してきたから、詳しくなった。」
「嬉しい。」
とフィリス。
話が合いそうで気持ちのよい人は友達になってみたらいいよ、とお父様もお許しくださっている。
「旧き家だと思ったから、叙情詩を?なんでそう思った?」
「衣の意匠が、叙情詩の。」
とフィリス。
「服?どこ?」
「背。流るる川にかんざし。」
ノーマが、シエルの背を確認し、確かに、と言った。
「そんな意味が。知らずに着たわ。」
とシエル。
「私のも?」
とノーマ。
「叢雲に小鳥。」
とフィリス。
シエルは、ノーマの背中を見て、あーと言った。
「言われてみないとわからないけれど、言われたら、そうとしか見えない。」
とシエル。
「私ら旧き家じゃないけど、良かった?」
とノーマ。
「気に入れば、とお父様が。」
フィリスはふんわりと笑った。
「それは良かった。」
「誠に。」
とフィリス。
12
あなたにおすすめの小説
ヒーロー組織のサポートメンバーになりました!
はちのす
BL
朝起きたら、街はゾンビだらけ!生き残りたい俺は、敵に立ち向かうヒーロー組織<ビジランテ>に出逢った。
********
癖の強いヒーロー達の"心と胃の拠り所"になるストーリー!
※ちょっとイチャつきます。
氷の婚約者様に破談を申し出たら号泣された
楽矢
BL
目が覚めると、レースの牢獄のような天蓋付きベッドの上だった。
何も覚えていない出来損ない下級貴族ミラ。無能だクズだと冷酷な罵詈雑言を浴びせてくる氷の騎士セティアス。
記憶喪失から始まる、2人のファンタジー貴族ラブコメディ。
----------
※注)
かっこいい攻はいません。
タイトル通りそのうち号泣しますのでご注意!
貴族描写は緩い目で雰囲気だけお読みいただけると幸いです。
ハッピーエンドです。
激重感情をこじらせた攻→受な関係がお好きな同志の方、どうぞよろしくお願いします!
全16話 完結済み/現在毎日更新予定
他サイトにも同作品を投稿しています。
様子を見ながらそのうち統合するかもしれません。
初めての一次創作でまだよく分かっておらず、何かおかしなことをしでかしていたら申し訳ないです!
【柳原学園】いやいや、俺は『俺様生徒会長』だから
西園 斎
BL
家の都合で『俺様』を演じてる生徒会長が、生徒会やら風紀やら教師やらから好かれるお話。
演技俺様会長総受け(愛され)/後固定CP
*10年以上前の作品を、やや加筆修正していきます
身代わりにされた少年は、冷徹騎士に溺愛される
秋津むぎ
BL
第13回BL大賞奨励賞頂きました!
最終17位でした!応援ありがとうございます!
あらすじ
魔力がなく、義母達に疎まれながらも必死に生きる少年アシェ。
ある日、義兄が騎士団長ヴァルドの徽章を盗んだ罪をアシェに押し付け、身代わりにされてしまう。
死を覚悟した彼の姿を見て、冷徹な騎士ヴァルドは――?
傷ついた少年と騎士の、温かい溺愛物語。
【完結】Restartー僕は異世界で人生をやり直すー
エウラ
BL
───僕の人生、最悪だった。
生まれた家は名家で資産家。でも跡取りが僕だけだったから厳しく育てられ、教育係という名の監視がついて一日中気が休まることはない。
それでも唯々諾々と家のために従った。
そんなある日、母が病気で亡くなって直ぐに父が後妻と子供を連れて来た。僕より一つ下の少年だった。
父はその子を跡取りに決め、僕は捨てられた。
ヤケになって家を飛び出した先に知らない森が見えて・・・。
僕はこの世界で人生を再始動(リスタート)する事にした。
不定期更新です。
以前少し投稿したものを設定変更しました。
ジャンルを恋愛からBLに変更しました。
また後で変更とかあるかも。
完結しました。
光る穴に落ちたら、そこは異世界でした。
みぃ
BL
自宅マンションへ帰る途中の道に淡い光を見つけ、なに? と確かめるために近づいてみると気付けば落ちていて、ぽん、と異世界に放り出された大学生が、年下の騎士に拾われる話。
生活脳力のある主人公が、生活能力のない年下騎士の抜けてるとこや、美しく格好いいのにかわいいってなんだ!? とギャップにもだえながら、ゆるく仲良く暮らしていきます。
何もかも、ふわふわゆるゆる。ですが、描写はなくても主人公は受け、騎士は攻めです。
不遇な死を迎えた召喚勇者、二度目の人生では魔王退治をスルーして、元の世界で気ままに生きる
六志麻あさ
ファンタジー
異世界に召喚され、魔王を倒して世界を救った少年、夏瀬彼方(なつせ・かなた)。
強大な力を持つ彼方を恐れた異世界の人々は、彼を追い立てる。彼方は不遇のうちに数十年を過ごし、老人となって死のうとしていた。
死の直前、現れた女神によって、彼方は二度目の人生を与えられる。異世界で得たチートはそのままに、現実世界の高校生として人生をやり直す彼方。
再び魔王に襲われる異世界を見捨て、彼方は勇者としてのチート能力を存分に使い、快適な生活を始める──。
※小説家になろうからの転載です。なろう版の方が先行しています。
※HOTランキング最高4位まで上がりました。ありがとうございます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる