フィリス・ガランの近衛生活

かざみはら まなか

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第4章 異世界転生した少年少女がガラン領を永久追放されて王都に移送後、何があった?

114.ラウルの母は、実の兄の手による暗殺から助けた王弟を夫にした女侯爵。ケンカだって負けないよ?

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「わたしが婿入りしたので、兄の廃嫡は立ち消えになり、先代国王陛下は兄の再教育に本格的に乗り出した。同時に、兄と側近、主要貴族に対し、ガラン家とコーハ王家、コーハ王国の関係は対等であり、対等でいなくてはならないと説いた。

『王太子がガラン家の嫡子を貶めて、そのままにしていたことも、貴族がガラン家にまつわる悪評を利用していたことも、赦しを乞う時期は過ぎた。

行動で示さないと、未来はない。』とね。」

「わたしは、旧家とは何か、ガラン家とは何なのかを説明したよ。」

「旧家は、国の勃興期以前から形になっていた家ですよね?他に何か?」
とラウルは、話し合いの前に読んだ資料を思い出した。

「ガラン家は、世界最古、創世の十傑の1つにあげられる、旧家の中でも筋金入りの一族だったんだ。」

「十傑ということは、十あるんですか?」
とラウル。

「ある。先程の王家を温存した筆頭公爵家もその1つ。かの国で、王家を支えるのではなく、彼ら自身が最初から玉座に座っていたなら、コーハ王国は足元にも及ばなかった。」

「ガラン家が王家になっていても、おかしくなかったんですね。」
とラウル。

「そんな危ないものなら、絞り上げるか、削り取るかしていくべきという血気盛んな勢力と、大地をひっくり返す気がないトカゲなら、本性の大蛇に化けないように、国内で温存しておこうという勢力に分かれた。」

「『絞り上げるのも、削り取るのも、既に王太子として兄が試み、逆鱗に触れた。』と、わたしが説明すると、兄と兄の周囲から射殺す勢いで睨まれたなあ。暗殺につぐ暗殺のせいで、睨まれたくらいでは死なないと分かったから、睨み返したら、話が中断して怒られたよ。」

「怒られたんですか?」

「君たちの母にね。
『国存亡の危機を招いた王太子殿下の愚行は、余すところなく周知するとして、話を進めなさい。これ以上、悪手を繰り返す余裕は、この国にはない。ガラン家は、王太子殿下の首より使い途のある謝罪なら受け入れてくれるんだから』と。」

「お母様は、正直なところがたまに出すぎてしまうわよね。」
と姉。

「そこが彼女の長所だよ。」

「夫婦円満で良かったです。」
と姉。

「ガラン家自身が王家にならなかった理由はあるんでしょうか?」
とラウル。

「同じ質問をした人が過去にいたよ。その人には、こう返している。
『毒見ばかりで食べたいときに食べられないのも、胸糞悪い連中と会食するのも好かない。食べたいときに、出来立てを家族や友人と食べる食事に代わるものがあるか?』」

「子爵位でしたら、そういった煩わしさからは、距離をおけますね。」
とラウル。
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