フィリス・ガランの近衛生活

かざみはら まなか

文字の大きさ
141 / 1,464
第4章 異世界転生した少年少女がガラン領を永久追放されて王都に移送後、何があった?

142.女性人気ナンバーワンが好きな相手が、意外な人だったとき、どんな反応する?

しおりを挟む
第4王子フィリップ殿下の婚約者はなかなか決まらない。
女性に等しく親切な態度なので、自分は特別だと思ったら、別の人にも優しい現場を見て、憤ったり、落ち込んだり、キャットファイトに発展したりして、未成人の社交の場であるお茶会は、大変賑やかになっていた。

15歳で成人なのに、14歳になられても見初められたご令嬢がいない。

『変わったご趣味なのか、ご自身と同じくらいハイレベルでないとお相手になれないのか。』

社交界にささやかれ始めた噂は、王妃陛下の新しい悩みになった。

「フィリップ。あなたは、ご令嬢のどなたにも興味を示さないわね。気になる娘はいないのかしら?」

「母上。女性は、皆、一様に美しいもの。差をつけることなど愚の骨頂。」

「そうは言っても1人くらい、いないのかしら?」

「1人だけ、もう1度会いたいと思っています。」

「まあ、どこのお家のどなたかしら?」

「母上、私もたった1度、4年前にお会いしたきり。私は、忘れられませんでしたが、お相手も同じだとは限りません。4歳差ですから、当時、私が11歳、あの子は7歳。それ以降、機会をうかがっていましたが、残念なことに、これまで1度も機会に恵まれませんでした。」

「そんなに気になる方とは、どこで?」

「交流会です。母上。4年前の。」

「あなたが参加した回?」

「いいえ。その回、私は、見に行っただけで、参加はしませんでした。始まる前から注目していましたが、それ以上でした。」

王妃は愛息子フィリップ殿下のスケジュールは全て把握している。
よくよく思い返しても、1人もヒットしない。
「参加者のご家族のご令嬢かしら?」

「参加者自身です。」
愛息子は涼しい顔。
王妃はとうとう白旗をあげた。
「フィリップが見学した会のご令嬢クラスは、全員、面識があるはずよ?誤魔化さないで教えてちょうだい。」

「ご令嬢だなんて、ひどい間違いです。母上。ご令嬢に違いなんてあるわけないでしょう。」
愛息子はあっけらかんと答えた。
王妃は、まじまじと愛息子を見つめる。
「フィリップ、もしや男性なの?」

「母上は、虫の顔面を並べて、優劣をつけられますか?
7歳での彼の完成度をお見せしたかったですよ。4年経った今、どんな成長を見られるだろうか。」
愛息子の凛々しい顔が、妄想で崩れている。
7つの男子を4年も思っていたですって!
子どもの癖に王子を誘惑するなんてろくでもない。男を手玉にとるような天性の男娼なんだわ。
なんとか、フィリップから遠ざけないと。

「どこの男がわたくしのフィリップを誑かしたの?」

「母上。私は誑かされてなどいませんよ。」

「そうよ。そう、フィリップが、男に。7つの子どもに引っかかるなんて、そんなこと。そんなつまずき、許されるわけがないわ。私が手ずから育てたのよ。間違いなんて。」
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

ユキ・シオン

那月
BL
人間の姿をした、人間ではないもの。 成長過程で動物から人間に変わってしまう”擬人化種”の白猫青年と、16歳年上のオッサンとのお話。 出会ったのは猫カフェ。白猫従業員としての青年と客としてやってきたオッサン。 次に再会したのは青年が人間として通う大学。オッサンは保健室の先生だった。 青年が金のためにヤバいことをしていて、あるトラブルが起こる。 そこへ見計らったかのようにオッサンが飛び込んで救出したのをきっかけに2人の距離は縮まり…… ※表紙絵は自作。本編は進むにつれてどんどん動物園と化します(笑)

異世界転生目立ちたく無いから冒険者を目指します

桂崇
ファンタジー
小さな町で酒場の手伝いをする母親と2人で住む少年イールスに転生覚醒する、チートする方法も無く、母親の死により、実の父親の家に引き取られる。イールスは、冒険者になろうと目指すが、周囲はその才能を惜しんでいる

異世界転移した先は陰間茶屋でした

四季織
BL
気が付いたら、見たこともない部屋にいた。そこは和洋折衷の異世界で、俺を拾ってくれたのは陰間茶屋のオーナーだった。以来、俺は陰間として働いている。全くお客がつかない人気のない陰間だけど。 ※「異世界に来た俺の話」と同じ世界です。 ※謎解き要素はありません。 ※ミステリー小説のネタバレのようなものがありますので、ご注意ください。

公爵家の末っ子に転生しました〜出来損ないなので潔く退場しようとしたらうっかり溺愛されてしまった件について〜

上総啓
BL
公爵家の末っ子に転生したシルビオ。 体が弱く生まれて早々ぶっ倒れ、家族は見事に過保護ルートへと突き進んでしまった。 両親はめちゃくちゃ溺愛してくるし、超強い兄様はブラコンに育ち弟絶対守るマンに……。 せっかくファンタジーの世界に転生したんだから魔法も使えたり?と思ったら、我が家に代々伝わる上位氷魔法が俺にだけ使えない? しかも俺に使える魔法は氷魔法じゃなく『神聖魔法』?というか『神聖魔法』を操れるのは神に選ばれた愛し子だけ……? どうせ余命幾ばくもない出来損ないなら仕方ない、お荷物の僕はさっさと今世からも退場しよう……と思ってたのに? 偶然騎士たちを神聖魔法で救って、何故か天使と呼ばれて崇められたり。終いには帝国最強の狂血皇子に溺愛されて囲われちゃったり……いやいやちょっと待て。魔王様、主神様、まさかアンタらも? ……ってあれ、なんかめちゃくちゃ囲われてない?? ――― 病弱ならどうせすぐ死ぬかー。ならちょっとばかし遊んでもいいよね?と自由にやってたら無駄に最強な奴らに溺愛されちゃってた受けの話。 ※別名義で連載していた作品になります。 (名義を統合しこちらに移動することになりました)

クールな義兄の愛が重すぎる ~有能なおにいさまに次期当主の座を譲ったら、求婚されてしまいました~

槿 資紀
BL
イェント公爵令息のリエル・シャイデンは、生まれたときから虚弱体質を抱えていた。 公爵家の当主を継ぐ日まで生きていられるか分からないと、どの医師も口を揃えて言うほどだった。 そのため、リエルの代わりに当主を継ぐべく、分家筋から養子をとることになった。そうしてリエルの前に表れたのがアウレールだった。 アウレールはリエルに献身的に寄り添い、懸命の看病にあたった。 その甲斐あって、リエルは奇跡の回復を果たした。 そして、リエルは、誰よりも自分の生存を諦めなかった義兄の虜になった。 義兄は容姿も能力も完全無欠で、公爵家の次期当主として文句のつけようがない逸材だった。 そんな義兄に憧れ、その後を追って、難関の王立学院に合格を果たしたリエルだったが、入学直前のある日、現公爵の父に「跡継ぎをアウレールからお前に戻す」と告げられ――――。 完璧な義兄×虚弱受け すれ違いラブロマンス

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

ギルド職員は高ランク冒険者の執愛に気づかない

Ayari(橋本彩里)
BL
王都東支部の冒険者ギルド職員として働いているノアは、本部ギルドの嫌がらせに腹を立て飲みすぎ、酔った勢いで見知らぬ男性と夜をともにしてしまう。 かなり戸惑ったが、一夜限りだし相手もそう望んでいるだろうと挨拶もせずその場を後にした。 後日、一夜の相手が有名な高ランク冒険者パーティの一人、美貌の魔剣士ブラムウェルだと知る。 群れることを嫌い他者を寄せ付けないと噂されるブラムウェルだがノアには態度が違って…… 冷淡冒険者(ノア限定で世話焼き甘えた)とマイペースギルド職員、周囲の思惑や過去が交差する。 表紙は友人絵師kouma.作です♪

真祖竜に転生したけど、怠け者の世界最強種とか性に合わないんで、人間のふりして旅に出ます

難波一
ファンタジー
"『第18回ファンタジー小説大賞【奨励賞】受賞!』" ブラック企業勤めのサラリーマン、橘隆也(たちばな・りゅうや)、28歳。 社畜生活に疲れ果て、ある日ついに階段から足を滑らせてあっさりゲームオーバー…… ……と思いきや、目覚めたらなんと、伝説の存在・“真祖竜”として異世界に転生していた!? ところがその竜社会、価値観がヤバすぎた。 「努力は未熟の証、夢は竜の尊厳を損なう」 「強者たるもの怠惰であれ」がスローガンの“七大怠惰戒律”を掲げる、まさかのぐうたら最強種族! 「何それ意味わかんない。強く生まれたからこそ、努力してもっと強くなるのが楽しいんじゃん。」 かくして、生まれながらにして世界最強クラスのポテンシャルを持つ幼竜・アルドラクスは、 竜社会の常識をぶっちぎりで踏み倒し、独学で魔法と技術を学び、人間の姿へと変身。 「世界を見たい。自分の力がどこまで通じるか、試してみたい——」 人間のふりをして旅に出た彼は、貴族の令嬢や竜の少女、巨大な犬といった仲間たちと出会い、 やがて“魔王”と呼ばれる世界級の脅威や、世界の秘密に巻き込まれていくことになる。 ——これは、“怠惰が美徳”な最強種族に生まれてしまった元社畜が、 「自分らしく、全力で生きる」ことを選んだ物語。 世界を知り、仲間と出会い、規格外の強さで冒険と成長を繰り広げる、 最強幼竜の“成り上がり×異端×ほのぼの冒険ファンタジー”開幕! ※小説家になろう様にも掲載しています。

処理中です...