フィリス・ガランの近衛生活

かざみはら まなか

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第4章 異世界転生した少年少女がガラン領を永久追放されて王都に移送後、何があった?

189.ハーマルの茶色い小鳥チャーチャの危機察知能力と、フィリスが帰ってこなかった夜。

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学校に通うため、王都にきたときも、チャーチャはハーマルといた。
チャーチャは鳴かないけれど、羽やくちばし、体を動かして意思を伝えてくれる。

学校に通うようになると、ハーマルのポケットがチャーチャの定位置になった。

田舎からきた、掌サイズの鳴かない小鳥をポケットに入れている小鳥と同じ色の小柄な少年。
それが、ハーマルの第三者に与える第一印象であった。

クラスメイトに遠巻きにされていた期間。チャーチャは、ハーマルの言葉に耳を傾けて、心に寄り添ってくれた。

サバイバルが始まると、チャーチャは危険をいち早く察知してくれた。1人と1羽は、毎回、仲良く危険を回避した。
ハーマルは非力な子どもで、チャーチャは無力な小鳥。
1人と1羽は、自分達の戦闘能力に賭けたりしなかった。
生き延びるために、注意深く、慎重であったからこそ、死にかけるはずが、かすり傷で済んだり、薬品を被るはずが水を被るくらいで済んだ。

ハーマルにとって、チャーチャは、人生の苦楽を共にしてきた、信頼する一生の友である。

そのチャーチャが、急に、ハーマルに何やら訴え出した。

時計を見ると、成人の儀の昼の部が終了し、人々が三々五々にバラけている時間帯である。

ハーマルがチャーチャを見つめていると、動かないハーマルに痺れを切らし、チャーチャは、ポケットから出て、ハーマルの頭上に立ち、足でハーマルの髪の毛を引っ張り始めた。

ハーマルを今いる場所から連れ出したいときの行動だ。

ここにいたら、危ないのか。

その日、ハーマルは、外交部に割り当てられている王城の1室で、雑用をしていた。

王城にいるのが危ないのか、今いる部屋にいるのが危ないのかまでは、分からない。

残念ながら、チャーチャもハーマルも、そんな高性能な危機回避能力を備えていなかった。

ただ今いる場所にいたら危ないのだけは、確か。

ハーマルは、1言断りを入れると、予定より早くガラン子爵家の王都邸に戻ってきたのである。

ガラン子爵家の王都邸に戻るとチャーチャは、ハーマルの髪の毛に構わなくなった。

ここは安全なんだ。

ハーマルは安心して、フィリスの帰りを待ちながら、帰領の準備をした。

どこに行こう?
何をしよう?
何を見よう?
何を食べよう?

3歳差の仲の良い弟が帰るのをハーマルは今か今かと待った。
フィリスが帰ってきたら、その足で出発出来るように、荷物も綺麗にまとめてある。
待ちきれなくて、屋敷をうろうろしながら、チャーチャに話しかけてしまう。
チャーチャは、ハーマルがとりとめのない旅行計画を垂れ流すのを機嫌よく聞いていた。

朝、日が高くなる前に父と出かけた弟。

その日、日が落ちて、夜会の時間帯に入っても、弟フィリスは帰ってこなかった。
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