フィリス・ガランの近衛生活

かざみはら まなか

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第4章 異世界転生した少年少女がガラン領を永久追放されて王都に移送後、何があった?

228.捕まえにくるやつを待ってやる必要はない。動けるうちに、逃げろ。

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元側仕え3人の声は、爆風が直撃したハーマルの耳では、拾えない。

ハーマルが今わかるのは、皮膚で感じる感覚だけ。触った感触を頼りに、頬に刺さるように吹き付ける何かを感じながら、じりじり進む。

懐かしいと思っても、分かたれた道は2度と交わらないのだ。

チャーチャが、ハーマルのすり足に合わせて、方向を教えてくれる。

暗闇でも、水の中でも、足場が不安定な高所でも、1人と1羽は負けなかった。
どうにかして、逃げ道を探してきた。

足の下には地面があって、陽の光も届く。溺死の心配もない。

体の自由も奪われていない。

さっき、ハーマルが1人で進んだ時間と距離は爆風で吹き飛んだかもしれない。

でも、まだ、負けじゃない。

じっと震えて捕まるのを待つことはない。

逃げろ、逃げろ。

ハーマルは、逸る心を宥めながら、チャーチャの指示通りに移動する。



突然ハーマルがすいすい動けるようになり、1人で進みだしたので、護衛と執事は追いかける形で進んでいた。

飛んでくる暗器を避けたり、落としたり。魔法の罠が発動したら、潰したり。
下手人をやっつけるのが、1番早いが、相手にするには、多すぎる。

攻撃を交わして、安全圏へ逃れ、反撃できる戦力が揃ったら、一斉に攻勢に出る。

敵の数や配置、種類は、おおよその検討をつけて、移動してきた。
蓋を開けてみれば、正規の戦力から傭兵、裏社会の仲間たちまで、職業色々、役職様々。襲撃者の見本市が出来そうな充実っぷり。

王都の使用人のうち、どうしても生き延びる必要がある者は、ハーマルに気づかれないように、姿を消し、進行方向をややずらして、進んでいる。

ハーマルの後を今も追っているのは、分家の子である執事と、動ける護衛のみ。

もう少しで、ガラン領というところで、ハーマルの動きがゆっくりになり、止まってしまった。

突如、巻き起こる爆風。

ハーマルの周りは、煙幕がはられたように視界が遮られてしまった。

「ハーマル様。」
一体、今、何が起きている!
どうか、ご無事で。

護衛と執事は、周囲に気を配りながら、距離を保つ。

何かが起きても、どちらかが、無事でいられるように。

必死で足掻く誇り高き主人のところへ。
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