フィリス・ガランの近衛生活

かざみはら まなか

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第4章 異世界転生した少年少女がガラン領を永久追放されて王都に移送後、何があった?

268.世界に1つしかない存在になったっぽいよ?不可抗力だけど。

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「遺体の回収はしていない。霊魂か?」
とデヒル。
「それだな。人間としてのフィリスへの感情にプラスして、赦しと救いを求めて、神の気配にまとわりついていた。」
とパパラン。
「まとわりつかれていたのは、フィリスだけか?」
とデヒル。
「他にも似たやつ、いたか?」
とパパラン。
「私と同じ年齢の大人の男で、4歳のフィリスを抱きしめて泣いていた。覚えていないか?」
フィリスと共に助かり、フィリスを婿に望んだ、マーゴットの婚約者。

「うん、分かるが、ありゃ、フィリスとは違う。アイツにはお守り程度にしか足されていない。」
とパパラン。
「フィリスが4歳で旅行に行ったのは、【神々の子どもたち】の6歳になる惣領娘の婿として、招かれたからだ。婿の資格が得られるかどうかの顔合わせに行った。」
とデヒル。
「【神々の子どもたち】がタダビトになるのは7歳からだ。6歳は神の域にいる。」
とパパラン。
「フィリスに何かを足したのは、6歳の惣領娘か?」
とデヒル。
「【神々の子どもたち】がタダビトになっていたら、嫁や婿に足す効果は、お守り程度。だが、6歳までは。」
とパパラン。
「言い淀んで、どうした。」

「6歳までの【神々の子どもたち】は、この世に、自らの意思でもって、現人神を作ることが出来る。」
とパパラン。
「フィリスは、人ではなくなったのか?」

「いや、フィリスは人だ。4歳まで人として生きていたことが、人の世に存在を押し留めた。」
とパパラン。
「現人神の力を宿している可能性があるなら、現人神ではないのか?」
とデヒル。
「現人神ではない。厳密に言うと、オレたちのような神獣でもない。タダビトでは、勿論ない。」
とパパラン。
「フィリスは、オレたちが知る限り、この世に1つだけ。」
とパパラン。
「いつの世の人間も、世界に1つしかない存在は、受け入れない。オレたち神獣は、違う。デヒル、フィリスはオレたちが育ててやるからな。」
とパパラン。

「いや、待て。元気づけようとするな。私の弟は、人間の世界に居場所があるから、持っていくな。」
とデヒル。

「大丈夫か?だめなら、いつでも、育ててやるからな。」
とパパラン。
「気持ちは、有り難くもらっておく。」
とデヒル。

「フィリスの周りの霊魂はどうなった?」
とデヒル。
「全部剥れて消えた。」
とパパラン。
「フィリスが苦しんで、思い悩むほどまとわりつくからな、むしゃっとした。」
とパパラン。
「むしゃっ?誰が?」
とデヒル。
「カバのやつ。」
とパパラン。
カバの姿の神獣、体長10メートルくらいのが、いる。

草食だけど、時々、肉食になる。苛々すると、肉を食いたくなるらしいが、霊魂も食うのか。
雑食だったんだな、とデヒルは思った。
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