フィリス・ガランの近衛生活

かざみはら まなか

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第4章 異世界転生した少年少女がガラン領を永久追放されて王都に移送後、何があった?

329.手が、おいでおいでしているよ。偽名で不法入国して不法滞在しているから、外交部に投げる予定だった人じゃーん。逃げたいなー。

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「入るとき、なんか言うの?」
とフィリス。
「頼もう、だよ。行ったやつから聞いた。」
とサブリー。
「凄くストレートな言い方するんだな。」
とユージュアル。

フィリス、サブリー、ユージュアルの3人は、ワイワイ騒ぎながら、裏通りを歩いている。

一区画、二区画入り込んだところは、アンダーグラウンドな世界の入口だが、仕事の後のお楽しみに頭がいっぱいの3人は、入り込んだところまで行ってみようなんて思わない。

仕事をサクッと終わらせたら、自由だ!自由!

ひょいひょいと目的地へ。

3人は売春宿の前に立ち尽くしている。

「友達に聞いたシステムと違う。顔見せに今日の担当が、入口近くの部屋に入って、外から顔が見えるって聞いていたのに。顔の絵は並んでいるけど、違いわからなくない?」
とサブリー。
「外から中が全然見えない。窓も小さくて、鉄格子はまっている。火事になったら、死ぬじゃん。」
とユージュアル。
「この建物、なんか、おどろおどろしくない?」
とフィリス。

「どうする?」
「どうしよう?」
「やめる?入る?」
結論が出なくて、3人で、建物を見上げている。

「あれ?今、人の手が見えた。おいでおいで、してる。」
とユージュアル。
「手だけ?よし、止めよう。手のお化けと、仲良くなって、ついてきたら、嫌だ。」
とサブリー。
「手の上に肩、顔が見えた。男の人。顔はよく見えないけど、服着ているっぽい。裸じゃない。」
とフィリス。
「ほとんどの部屋が、外から見えない。外から姿が見える部屋があって、服を着た男の人がいる。多分、客だよな?」
とサブリー。
「客が俺たちにおいでおいで、したのか?行かなくてもいいよな。」
とユージュアル。

3人は、踵を返そうとして、足を止めた。
「見た?」
とサブリー。
「見ちゃった。」
とフィリス。
「見たくなかった。」
とユージュアル。

「あの紋章、見覚えある?」
とサブリー。
「ある。某国のだ。」
とユージュアル。
「不法入国と不法滞在の方。」
とフィリス。

「光の加減で見えなかったことにしよう。」
とユージュアル。
「報告だけ、しとけばいいか。」
とサブリー。
多分、関わったら面倒な気配がする、外交部に丸投げにするための報告はどうするかと3人が、頭を寄せて話し合っていると、肩を叩かれた。

振り返ると、無表情な男が後ろにいた。
「どうぞ。」
顔色が悪い男が店の入口から、3人を呼んでいる。
さっきまで、誰もいなかったのに。
なんというタイミングの悪さ。

「あー。えー。」
入りたい気持ちがゼロの3人は動かない。
「今日のところは、やめておこうかな?」
とユージュアル。
「今日じゃない気がする。」
とフィリス。
「なんか、気が変わった。」
とサブリー。
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