フィリス・ガランの近衛生活

第4章 異世界転生した少年少女がガラン領を永久追放されて王都に移送後、何があった？

332.強制的にVIPルームへご案内された3人。VIPルームって、面倒な貴人の押し込み部屋でしたっけ？VIP待遇するなら、平和的に帰して。

3人とも全然嬉しくないことに、案内された部屋は、VIPルーム。

VIP待遇してくれるくらいなら、今すぐ、無事に帰してくれる？とサブリーは言いたい。

首の骨をへし折られそうだから、言わないけど。

逆らったら、バキ、ゴキ、って動けなくされそう。

周りの人、慣れているっぽいもん。

大怪我をしたら、近衛別働隊の管理プログラムが適用されてしまう。

管理されない、ぎりぎりをつくのが楽しいのに。

なんとしても、無事に帰らないと。


頼んでもいないのに、3人ともVIPルームに押し込まれる。

VIPルームの使い方が間違っているとユージュアルは思う。

VIPルームは、面倒な客の押し込み部屋だったりするのか？

面倒な先住者がいるんじゃないのか？

某国の関わりたくない方とか。

まさか、面倒な先住者の扱いに困ったから、呼ばれたんじゃないよなあ？


フィリスは、神獣パパランから歌と踊り以外の評価は辛いけど、仮にも神の恩寵をまとう身である。

売春宿の前に立った時も感じた。

この建物に入りたくない、という気持ち。
建物に入ってから、魔導具や魔法や呪術の他にも、色んな術が、互いの邪魔にならないように、幾重にも張り巡らされているのを感じている。

建物に術を施している、というより、建物自体が術で出来ているよう。
入れ物に術を入れた、のではなく、入れ物と術が一体化している感じ。

袋の口を開けておき、獲物が入ってきたら、口を閉じて、出さない。

そんなイメージ。

売春宿の在り方として、お客様が帰らないのは、利益があるのかしら？