フィリス・ガランの近衛生活

かざみはら まなか

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第5章 コーハ王国の近衛には、わがまま姫がいる。フィリス・ガランという子爵家子息。コーハ王国のイイ男を侍らせて、手玉にとっているらしいよ?

432.ラウルとセドリックは、フィリスがティリリ王国から招待された理由を知っている。フィリス達3人は、お飾りとぬいぐるみがなくて、ウキウキ。

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今日は、朝から、頭上のお姫様ティアラも、背中のぬいぐるみもない一日が始まったの。

なんて開放的な気分。

フィリス、サブリー、ユージュアルの待ちに待ったティリリ王国行きの日。

3人は、小躍りするくらい嬉しい。

出発前日に、小型化したぬいぐるみリュックがラウル姉から届いた。

『普段使いには、小さい方を使うといいわよ。』と書かれた手紙を見つけたときは、特大サイズも使うの?と3人はショックを受けた。

でも、ティリリ王国にいる間は、頭上と背中は、フリーが約束されている。

なんて、素晴らしい。

浮かれても許されるはず。

頭上と背中に何もなければ、きっと男子扱いされる。

外国の女のコは、お飾りとぬいぐるみが標準装備の3人を知らない。

これは、チャンス。

結婚とか、恋人とか、欲深いことは願わない。

年頃の女のコに異性として、知り合いたい。

お友達、いいよね。お話しするのに、ちょっとドキドキしちゃう女友達。

仲の良い女友達から始まるイロイロがあってもいいよね!

甘酸っぱい青春とか、切ない気持ちとか、経験しちゃうんじゃない?

3人の期待は、どんどん高まっていく。

出発前から、3人ともニコニコである。

セドリックがラウルに確認している。

「3人とも気付いていないみたいだが、いいのか?」

「姉が言うには、夢を見る時間を持てることは、幸せなことらしい。」
とラウル。

ラウル姉が生まれる前に、王弟の父親が国王陛下から不興をかったために、ラウル姉は、侯爵家の嫡子でありながら、暗殺者を返り討ちにしてしまえる猛者である。

「巨大ぬいぐるみを成人男子に迷いなく背負わせる姉ぎみの台詞か。奈落へ突き落とされる前のぬか喜びを幸せとは、奥が深い。」
とセドリック。

なにしろ、とセドリックは続けた。
「招待理由が、『噂のわがまま姫に会いたい。』だからな。」
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