フィリス・ガランの近衛生活

かざみはら まなか

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第5章 コーハ王国の近衛には、わがまま姫がいる。フィリス・ガランという子爵家子息。コーハ王国のイイ男を侍らせて、手玉にとっているらしいよ?

446.『俺の姫、と呼びたい。』『姫、以外あり得ない。』『姫よりしっくりくる呼び名はない。』『再考して!』『別働隊で意見募る?』『待って!』

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後輩3人の感想をふむふむと聞いていたフィリスは、フィリスの背中で展開されていくトンデモ説が定説になる前に止めることに失敗した。

「待って。ボクの性別、忘れてないよね?ボクは、キミ達と同じ男だよ?」
とフィリス。

せめて、3人が他の誰かに話す前に止めなければ。

この3人は、子ども時代から、貴族社会で大人気。

3人がフィリスを姫と呼び始めたら、姫呼びが定着してしまう。

なんとしても、4人きりの今、考えを改めさせなければ。

『ボクを姫だと思われたら、お姫様ティアラが本物になっちゃう。』

「ボクは、姫じゃなくて、ただの偉い人だと思うの。ね?」
とフィリス。

「偉い姫って、言いにくいから、姫がいい。」
とロウウェル。

違う。言いにくいとかが、問題じゃない。

「偉い、は、いらないから、姫もなしにするのは、どうかな?」
凄くいいアイディアだよ。

「姫だから、姫と呼ばないのは、おかしい。」
とロウウェル。

「姫、に決めるのは、まだ早いんじゃない?
他に何か案が出てくるまで、待つのが良いと思うの。」
とフィリス。

「姫、以外あり得ないから、出てこないし、わかりやすくていいよ。」
とロウウェル。

「名は体を表すと言うけど、姫よりしっくりくる呼び名は、今後も出ない。」
とレイモンド。

「ダンシェル?」
フィリスは、静かなダンシェルに望みをかけた。

「ダンシェル、ボクをよく見て。ほら、姫じゃないよね?」
とフィリス。

「俺は、俺の姫と呼びたい。」
とダンシェル。
「だから、フィリスの呼び名は、姫がいい。」

「だ、ダンシェル?」
と狼狽するフィリスを尻目に後輩3人の意思は固い。

「いいじゃん、姫。」
とロウウェル。

ここで、フィリスがひくと、本当に、姫の呼び名がまかり通ってしまう。

「再考を要求する。」
とフィリス。
「今日が終わったら、もう1度考え直すこと。」

「考え直してもいいけど。」
とロウウェル。
「賛成多数で、姫に決定するから。」
とレイモンド。

「待って、待って。賛成多数って、何の話?」
いきなり不穏な展開に慌てるフィリス。

「別働隊で意見出し合うよ。議題にかけた方がいい?」
とロウウェル。

「ね、3人で再考しよう?
あ、ボクも含めて4人にしようか?
そうしようよ。」
とフィリス。

「俺達3人の意見は、決まっていて、フィリスの意見も決まっている。一致しないんだから、他の人の意見を取り入れるしかない。」
とダンシェル。

「そこは、ボクの意見を取り入れようよ。」
とフィリス。

「フィリスの呼び名だぞ?フィリスは自分で使わないだろ?使う俺達の意見を取り入れないと、不便だ。」
とレイモンド。

レイモンドが正論過ぎて、グウの音も出ないフィリス。

「姫、次は?」
とロウウェル。

「待って。もう使っちゃっているよ?」
とフィリス。

「いや、もう、姫でいいって。今さら、変更は不可だし。」
とロウウェル。

「姫、指示を。」
とレイモンド。

「俺の姫、ご命令を。」
とダンシェル。

フィリスは、あうあうしていたが、棚上げすることにした。

他の誰かに広まる前に、姫呼びから関心をそらさないと、とフィリスは決心した。
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