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第5章 コーハ王国の近衛には、わがまま姫がいる。フィリス・ガランという子爵家子息。コーハ王国のイイ男を侍らせて、手玉にとっているらしいよ?
573.『お兄様、お姫様役の時間は、終わりました。これからは、堂々と、姫としてお過ごし下さい。国が、お兄様を姫だと認めました。』
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屍と屍未満が累々している訓練所を見ながら、フィリスは呆然としている。
マーゴットの呼びかけに、了承の返事が飛び交ったけど、今、何か変じゃなかったかしら。
「さあ、お兄様。」
とマーゴットに促されて、フィリスは妹をエスコートして、その場を離れた。
マーゴットとフィリスの後ろから、サブリーとユージュアルが着いてきている。
後始末は、いつものようにハーマルにお任せだ。
マーゴットは、ご機嫌。
フィリスも妹をエスコート出来て幸せ。
でも、さっきの、引っかかる点を確認しなくては。
例え、マーゴットが勘違いだったと気づいて、恥ずかしく感じても。
マーゴットに恥ずかしいままでなんていさせない。
ボクは、マーゴットの兄だから。
こそっとね。
「マーゴット、さっき、ボクのことを可憐な姫君と呼んでいなかったかしら?」
「呼びましたわ。お兄様。」
やっぱり。
フィリスは、ちょっとマーゴットに申し訳ない気持ちになった。
「ボクがお姫様だったのは、ティリリ王国で、お姫様救出ゲームの姫役だったからで、もうお姫様じゃないの。」
マーゴットに、姫役はもう終わったんだと話していなかったフィリスのせいだ。
マーゴットは、誤解したまま今日まできてしまった。
マーゴットは、悪くない。
フィリスが、生きている近衛に後で訂正しておけばいい。
「今のボクは、マーゴットのお兄様なの。」
「お兄様は、ずっとわたしのお兄様です。」
と微笑むマーゴット。
フィリスも嬉しくてニコニコ。
笑顔で向き合う兄と妹。
妹が束の間の沈黙を破った。
「お兄様の姫役の時間は、終わりましたね。これからは、堂々と姫君としてお過ごしくださいませ。」
とマーゴット。
「マーゴット?」
フィリスは妹の発言についていけない。
「お兄様は、可憐な姫君でいらっしゃる。国も認めました。」
とマーゴット。
「え?」
国に認められた、とか初耳なの。
姫とか、認めてほしくないの。
近衛別働隊による姫呼びが広がらないように、フィリスを呼ぶときは、名前で呼ぶようにと総司令の権限を使ったとこだ。
総司令の権限の成果があり、一昨日から、姫呼びが消えた。
昨日も、姫呼びは聞かなかった。
「それは、知らなかったの。人違いだったりしないかしら?ボク、成人男性だもの。」
とフィリスは、ドキドキしながら、マーゴットに確認する。
「お兄様の二つ名を姫にすると、今朝、国から発表がありましたわ。」
とマーゴット。
「今朝?」
今朝のフィリスは、朝一で、王城にお使いに行った後、悲しい気持ちでいっぱいになり、近衛棟に引きこもっていた。
マーゴットが王城に来たから、とラウルに抱っこで連れ出され、今に至るまで、情報の更新をしていない。
「ボクじゃなくて、似た名前の方とか。」
フィリスは、控え目に確認する。
「いいえ。お兄様。お忙しかったから、チェック漏れがあったのですね。」
とマーゴット。
「フィリス・ガラン、23歳。近衛別働隊所属、総司令兼第4王子フィリップ殿下の護衛筆頭の二つ名を『姫』と認め、今後、このものの呼称の1つとする。と公示されています。」
「国にも姫と認められましたから、胸を張ってお過ごし下さい。」
全然、胸を張れないよ?
マーゴット。お姫様の役は、ただの役割なの。
「マーゴット、ボク、今から、異議申し立てをしにいかないと。」
とフィリス。
「お兄様?」
「姫の二つ名の撤回の異議申し立てをしなくちゃ。時間制限があったはず。異議申し立てを先にしてきていいかしら?」
とフィリス。
フィリスが慌てている様子を見て、副団長が口を挟んだ。
「異議申し立ての期間なら、公示前には終わっているぞ。公示前に掲示期間があっただろう?」
「公示前に?いつのことかしら?」
「公示の1週間か2週間前に掲示する期間は、異議申し立てをしても良いんだ。」
と副団長。
「掲示は、どこに?」
副団長は、掲示場所をフィリスに教えた。
フィリスは膝から崩れ落ちそうになった。
副団長に聞いた場所は、該当する期間中、何度か通っていた。
女の人によく話しかけられて、立ち止まった場所。
今から思えば。
フィリス達を呼び止めた女性陣は、掲示を見ていたのかもしれない。
そこへ、ちょうど、噂の本人が登場したから、呼び止めたのではないか。
そう考えると、女の人に悪意はなかったような気がしてくる。
「異議申し立てが終わっているなら、撤回の申立てはいつできるかしら?」
とフィリス。
「撤回?ないぞ。撤回しないための異議申し立てなんだから。」
と副団長。
「本当に、ボクの二つ名、『姫』になったの?辞退するか、誰かにお譲りするのは、可能かしら?」
とフィリス。
「二つ名『姫』は確定している。辞退は手遅れだな。譲るのは、代替りとか、何十年か先になるだろう。」
と副団長。
マーゴットの呼びかけに、了承の返事が飛び交ったけど、今、何か変じゃなかったかしら。
「さあ、お兄様。」
とマーゴットに促されて、フィリスは妹をエスコートして、その場を離れた。
マーゴットとフィリスの後ろから、サブリーとユージュアルが着いてきている。
後始末は、いつものようにハーマルにお任せだ。
マーゴットは、ご機嫌。
フィリスも妹をエスコート出来て幸せ。
でも、さっきの、引っかかる点を確認しなくては。
例え、マーゴットが勘違いだったと気づいて、恥ずかしく感じても。
マーゴットに恥ずかしいままでなんていさせない。
ボクは、マーゴットの兄だから。
こそっとね。
「マーゴット、さっき、ボクのことを可憐な姫君と呼んでいなかったかしら?」
「呼びましたわ。お兄様。」
やっぱり。
フィリスは、ちょっとマーゴットに申し訳ない気持ちになった。
「ボクがお姫様だったのは、ティリリ王国で、お姫様救出ゲームの姫役だったからで、もうお姫様じゃないの。」
マーゴットに、姫役はもう終わったんだと話していなかったフィリスのせいだ。
マーゴットは、誤解したまま今日まできてしまった。
マーゴットは、悪くない。
フィリスが、生きている近衛に後で訂正しておけばいい。
「今のボクは、マーゴットのお兄様なの。」
「お兄様は、ずっとわたしのお兄様です。」
と微笑むマーゴット。
フィリスも嬉しくてニコニコ。
笑顔で向き合う兄と妹。
妹が束の間の沈黙を破った。
「お兄様の姫役の時間は、終わりましたね。これからは、堂々と姫君としてお過ごしくださいませ。」
とマーゴット。
「マーゴット?」
フィリスは妹の発言についていけない。
「お兄様は、可憐な姫君でいらっしゃる。国も認めました。」
とマーゴット。
「え?」
国に認められた、とか初耳なの。
姫とか、認めてほしくないの。
近衛別働隊による姫呼びが広がらないように、フィリスを呼ぶときは、名前で呼ぶようにと総司令の権限を使ったとこだ。
総司令の権限の成果があり、一昨日から、姫呼びが消えた。
昨日も、姫呼びは聞かなかった。
「それは、知らなかったの。人違いだったりしないかしら?ボク、成人男性だもの。」
とフィリスは、ドキドキしながら、マーゴットに確認する。
「お兄様の二つ名を姫にすると、今朝、国から発表がありましたわ。」
とマーゴット。
「今朝?」
今朝のフィリスは、朝一で、王城にお使いに行った後、悲しい気持ちでいっぱいになり、近衛棟に引きこもっていた。
マーゴットが王城に来たから、とラウルに抱っこで連れ出され、今に至るまで、情報の更新をしていない。
「ボクじゃなくて、似た名前の方とか。」
フィリスは、控え目に確認する。
「いいえ。お兄様。お忙しかったから、チェック漏れがあったのですね。」
とマーゴット。
「フィリス・ガラン、23歳。近衛別働隊所属、総司令兼第4王子フィリップ殿下の護衛筆頭の二つ名を『姫』と認め、今後、このものの呼称の1つとする。と公示されています。」
「国にも姫と認められましたから、胸を張ってお過ごし下さい。」
全然、胸を張れないよ?
マーゴット。お姫様の役は、ただの役割なの。
「マーゴット、ボク、今から、異議申し立てをしにいかないと。」
とフィリス。
「お兄様?」
「姫の二つ名の撤回の異議申し立てをしなくちゃ。時間制限があったはず。異議申し立てを先にしてきていいかしら?」
とフィリス。
フィリスが慌てている様子を見て、副団長が口を挟んだ。
「異議申し立ての期間なら、公示前には終わっているぞ。公示前に掲示期間があっただろう?」
「公示前に?いつのことかしら?」
「公示の1週間か2週間前に掲示する期間は、異議申し立てをしても良いんだ。」
と副団長。
「掲示は、どこに?」
副団長は、掲示場所をフィリスに教えた。
フィリスは膝から崩れ落ちそうになった。
副団長に聞いた場所は、該当する期間中、何度か通っていた。
女の人によく話しかけられて、立ち止まった場所。
今から思えば。
フィリス達を呼び止めた女性陣は、掲示を見ていたのかもしれない。
そこへ、ちょうど、噂の本人が登場したから、呼び止めたのではないか。
そう考えると、女の人に悪意はなかったような気がしてくる。
「異議申し立てが終わっているなら、撤回の申立てはいつできるかしら?」
とフィリス。
「撤回?ないぞ。撤回しないための異議申し立てなんだから。」
と副団長。
「本当に、ボクの二つ名、『姫』になったの?辞退するか、誰かにお譲りするのは、可能かしら?」
とフィリス。
「二つ名『姫』は確定している。辞退は手遅れだな。譲るのは、代替りとか、何十年か先になるだろう。」
と副団長。
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