フィリス・ガランの近衛生活

かざみはら まなか

文字の大きさ
810 / 1,496
第6章 コーハ王家の第4王子と高位貴族子弟の近衛は、同じ近衛である地味平凡の子爵子息の魅了で逆ハーレムを作っている、との情報が!

810.侯爵令嬢フローレンと侯爵子息パラディは婚約している。互いに対等な関係で、気遣わない2人は、用事がなければ会話がない。

しおりを挟む
「フローレン嬢。」
とサージェ侯爵家の長男。
「パラディ様。」
とフローレン。

フローレンは、自分から話題を与えるつもりはなかった。

フローレンは、婚約者と話をしなくても、困りはしない。

婚約者と話すくらいなら、婚約者の父母と話す方が実のある話ができるとフローレンは考えている。

婚約者が話し始めるまで、フローレンは待つ。

「何か言うことがあるんじゃないか?」
というのが、婚約者からフローレンへの切り出しだった。

「特にないと思うわ。」
とフローレンは、ばっさり。

「あるだろう。おい。何だ、ジーンのあのザマは?」
とパラディ。

「パラディ。貴方は、わたしとわたしの兄に失礼すぎるわよ。」
とフローレン。

「失礼もクソもあるもんか。どうなっているんだ?」
とパラディ。

「一目瞭然だと思うけど。」
とフローレン。

「はあ?あのジーンだぞ?無害そうな面して、色々やっているジーンだぞ?」
とパラディ。

「貴方が何が言いたいのか、さっぱり分からないわよ。端的に言って。」
とフローレン。

「ジーンは、マジ恋なのか?」
とパラディ。

「見ての通りよ。」
とフローレン。

ジーンとフィリスがマジ恋なのか、演技なのか、フローレンにも分からない。

ただ、2人とも楽しそうということだけは、伝わってくる。

フローレンも段々見慣れてきて、肩の力が抜けてきた。

「はあ?どうするんだよ?おい!」
とパラディ。

どうもしなくていい、貴方の兄じゃないんだから。

フローレンは、心の中で呟いた。

「お祝いは、まだいらないと思うけれど?」
とフローレン。

いつか、必要になるかどうかも分からないが。

「祝いじゃねえよ。どういうつもりだ!ジーンには、マルビル様がいるだろう!」
とパラディ。

「いないわよ?」
とフローレン。

今まで、なし崩しで押してきたから、拒絶するタイミングがなかったが、婚約者がはっきり口にした今は、チャンスだ。

「パラディとわたしは、互いに婚約者よ。でも、パラディとわたしの兄は他人。図々しいわよ、貴方。」
とフローレン。

「失礼だぞ!」
とパラディ。

「互いに対等よ、わたし達。わたしに失礼と言う貴方が失礼よ。」
とフローレン。

フローレンの家と婚約者のパラディの家の家格に大きな差はない。

強いていうと、フローレンの父である侯爵家の当主が、若干上だ。
当主が国王陛下の従兄弟。サージェ侯爵より、王家の血が濃い。

「マルビル様の結婚相手なら、自派閥の貴族令嬢がいるわよ。まず、わたしの周りから聞いていくわ。マルビル様が、結婚相手として優良物件かどうか分かるわね。」
フローレンは、ご令嬢方に問いかける。
「貴女方、マルビル様と結婚したいと思う?わたしの兄よりも結婚に積極的で相手もいないから、この場で決めたら、すぐよ、きっと。」

「え?身分が。」
「荷が重いです。」
「畏れ多くて。」
「私ごときには務まりません。」
「ちょっと、なんというか。」

ご令嬢方は、うだうだ言ってから、最終的に沈黙した。

「パラディ。分かった?マルビル様は、自派閥のご令嬢方から結婚を嫌がられるような公爵子息よ?」
とフローレン。

「おい、ふざけてるのか。」
とパラディは唸る。

「パラディ。わたしも、わたしの兄も、貴方の派閥の人間ではない。」
フローレンは、婚約者をまっすぐに見つめた。

「結婚相手として、難があると自派閥内で認識されているような公爵子息を他派閥の人間に紹介するなんて、侯爵子息のすることなの?パラディ。」
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

ヒーロー組織のサポートメンバーになりました!

はちのす
BL
朝起きたら、街はゾンビだらけ!生き残りたい俺は、敵に立ち向かうヒーロー組織<ビジランテ>に出逢った。 ******** 癖の強いヒーロー達の"心と胃の拠り所"になるストーリー! ※ちょっとイチャつきます。

氷の婚約者様に破談を申し出たら号泣された

楽矢
BL
目が覚めると、レースの牢獄のような天蓋付きベッドの上だった。 何も覚えていない出来損ない下級貴族ミラ。無能だクズだと冷酷な罵詈雑言を浴びせてくる氷の騎士セティアス。 記憶喪失から始まる、2人のファンタジー貴族ラブコメディ。 ---------- ※注) かっこいい攻はいません。 タイトル通りそのうち号泣しますのでご注意! 貴族描写は緩い目で雰囲気だけお読みいただけると幸いです。 ハッピーエンドです。 激重感情をこじらせた攻→受な関係がお好きな同志の方、どうぞよろしくお願いします! 全16話 完結済み/現在毎日更新予定 他サイトにも同作品を投稿しています。 様子を見ながらそのうち統合するかもしれません。 初めての一次創作でまだよく分かっておらず、何かおかしなことをしでかしていたら申し訳ないです!

灰の底で君に出会う

鮭茶漬け
BL
両親を亡くした高校生、神崎透は叔母の家に引き取られて暮らしている。しかしその家は、家族と呼べる場所ではなかった。家事、雑用、そしてバイト。どれだけ働いても感謝されることはなく、透は「穀潰し」と呼ばれながら日々を過ごしていた。 それでも透は思っている。ここに置いてもらえるだけでありがたい、と。 これは――居場所を持たなかった少年が、初めて愛を知るまでの物語。

【柳原学園】いやいや、俺は『俺様生徒会長』だから

西園 斎
BL
家の都合で『俺様』を演じてる生徒会長が、生徒会やら風紀やら教師やらから好かれるお話。 演技俺様会長総受け(愛され)/後固定CP *10年以上前の作品を、やや加筆修正していきます

拾われた後は

なか
BL
気づいたら森の中にいました。 そして拾われました。 僕と狼の人のこと。 ※完結しました その後の番外編をアップ中です

妖精です、囲われてます

うあゆ
BL
僕は妖精 森で気ままに暮らしていました。 ふと気づいたら人間に囲まれてました。 でもこの人間のそばはとても心地いいし、森に帰るタイミング見つからないなぁ、なんて思いながらダラダラ暮らしてます。 __________ 妖精の前だけはドロ甘の冷徹公爵×引きこもり妖精 なんやかんやお互い幸せに暮らします。

光る穴に落ちたら、そこは異世界でした。

みぃ
BL
自宅マンションへ帰る途中の道に淡い光を見つけ、なに? と確かめるために近づいてみると気付けば落ちていて、ぽん、と異世界に放り出された大学生が、年下の騎士に拾われる話。 生活脳力のある主人公が、生活能力のない年下騎士の抜けてるとこや、美しく格好いいのにかわいいってなんだ!? とギャップにもだえながら、ゆるく仲良く暮らしていきます。 何もかも、ふわふわゆるゆる。ですが、描写はなくても主人公は受け、騎士は攻めです。

拝啓、目が覚めたらBLゲームの主人公だった件

碧月 晶
BL
さっきまでコンビニに向かっていたはずだったのに、何故か目が覚めたら病院にいた『俺』。 状況が分からず戸惑う『俺』は窓に映った自分の顔を見て驚いた。 「これ…俺、なのか?」 何故ならそこには、恐ろしく整った顔立ちの男が映っていたのだから。 《これは、現代魔法社会系BLゲームの主人公『石留 椿【いしどめ つばき】(16)』に転生しちゃった元平凡男子(享年18)が攻略対象たちと出会い、様々なイベントを経て『運命の相手』を見つけるまでの物語である──。》 ──────────── ~お知らせ~ ※第3話を少し修正しました。 ※第5話を少し修正しました。 ※第6話を少し修正しました。 ※第11話を少し修正しました。 ※第19話を少し修正しました。 ※第22話を少し修正しました。 ※第24話を少し修正しました。 ※第25話を少し修正しました。 ※第26話を少し修正しました。 ※第31話を少し修正しました。 ※第32話を少し修正しました。 ※第33話を少し修正しました。 ──────────── ※感想(一言だけでも構いません!)、いいね、お気に入り、近況ボードへのコメント、大歓迎です!! ※表紙絵は作者が生成AIで試しに作ってみたものです。

処理中です...