フィリス・ガランの近衛生活

かざみはら まなか

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第6章 コーハ王家の第4王子と高位貴族子弟の近衛は、同じ近衛である地味平凡の子爵子息の魅了で逆ハーレムを作っている、との情報が!

821.悪役令息と言われて怯える次男と話をしてみる。貴族の基礎を学習しないまま、コーハ王国の社交界で生きていくのは難しいと思うの。

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「次男呼びを続けるのと、名前で呼ばれるのと、どちらがお好き?名前で呼ばれたいなら、ご自身で名乗ってくださるかしら?」

「ビーイット公爵家のマルビル。」
と次男。
次男のマルビル殿は、向かいのソファに座った。

「ボク、ガラン子爵家のフィリス。」

名乗ったから、早速本題に入るの。

「マルビル殿。マルビル殿がジーンに断られなかったら、政治的に問題が起きていたと理解しているかしら?」

「政治的に?なぜ?公爵家と侯爵家なのに?」
と素直なマルビル殿。

「コーハ王国は、各公爵家を頭にした派閥がある。マルビル殿は、ビーイット公爵家の次男だから、ビーイット公爵家の派閥なの。」

「ジーンは、どこの派閥か、知っているかしら?」

マルビル殿は、知らないと答えてから、続けた。

「派閥なんてあったら、国を支える貴族が一丸となるのに邪魔じゃない?」
とマルビル殿。

「上意下達と、下の身分を守るという両面から、コーハ王国は、派閥があった方が良いの。コーハ王国は、国土が広くて、貴族の数も多い。」

「マルビル殿は、貴族としての学習が不足していると自覚しなさい。マルビル殿のせいで、ジーンが迷惑を被ったから。」

「迷惑だなんて。」
マルビル殿は、傷ついた表情をしている。
反省はしないのかしら?

「ジーンは、ビーイット公爵家の派閥ではないの。別の派閥の侯爵家のご子息なの。」

「マルビル殿は、別の派閥の侯爵子息の元に人目も憚らず押しかけ続けた。」

「ジーンにも、ジーンの家にも、ジーンの家の派閥の長である公爵家にも。マルビル殿は、どれだけの不利益をもたらしたかしら?」

「ジーンの妹のフローレンはパラディと婚約したじゃない。」
悲壮感溢れるマルビル殿。

「双方の派閥の長と家同士の話し合いで、双方が同意して、婚約は決まるの。先程、ジーンが妹の婚約の解消したのは、双方が同意した条件と現状が異なったから。」

やり手の侯爵家同士の婚約。
条件をつめていないわけがないの。

「マルビル殿。ジーンに迫る前に、両派閥の長の同意とジーンの家の同意は得たかしら?」

「同意?うちは公爵家なのに。」

ジーンとマルビル殿が同じ派閥なら、ね。

「ビーイット公爵家の子息マルビル殿と、ビーイット公爵家とは異なる派閥の侯爵家の子息ジーンが仲良くなることで、ジーンとジーンの家、ジーンの派閥にとって、どれ程の利をもたらし、そのことがビーイット公爵家にとっての利に繋がるかどうか。」

ボクは、ゆっくりと話す。

「マルビル殿。この場で、ボクにどんな答えを返せるかしら?」

「派閥間の融和を図れる。」
と自信満々。

「今現在、コーハは、派閥間の融和を図る必要がないの。
派閥間の融和をはかるなら、派閥内で影響力がないものが結婚しても意味がない。」

「公爵子息と侯爵子息に、影響力がないなんて、そんなはずがない。」

マルビル殿。その自信の根拠は、どこにあるのかしら?

「ジーンは影響力があるけれど、マルビル殿は?」

ボクの言葉を聞いて、不快だと言わんばかりに体を反らすマルビル殿。

社交界に出ている公爵家のご子息に、政治のイロハを説くのは、近衛の業務の範疇外だと思うの、ボク。

無知な大人は、無垢とは言わないの。

「マルビル殿は、ビーイット公爵派閥をまとめて動かしたことがあるかしら?」

「人を動かすなんて、人を物みたいに。」
とマルビル殿が、批判してくる。

見当外れなのは、ビーイット公爵家の特徴なのかしら。

「ビーイット公爵派閥からサージェ侯爵子息が、ジーンの妹の婚約者に割り当てられたのは、ビーイット公爵派閥を動かす次世代が、サージェ侯爵子息だから。先程の夜会では、そうだった。」

「マルビル殿。マルビル殿の周囲で、人を動かしてきたのはどなた?」
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