フィリス・ガランの近衛生活

かざみはら まなか

文字の大きさ
853 / 1,496
第6章 コーハ王家の第4王子と高位貴族子弟の近衛は、同じ近衛である地味平凡の子爵子息の魅了で逆ハーレムを作っている、との情報が!

854.やってきました、龍の里。先駆者がいたら、続きたくなるものだよね。

しおりを挟む
龍の里に入るときは、入った、という感覚がある。

龍の里は、龍だらけ。

地中、水中、空中、龍。

どこを見ても、龍。

ダルクは、龍の里にいる龍に呼びかける。

「神性を失ったフェンリルと信者に捕まって、神性を失ったフェンリルの嫁にされそうになっている息子を一緒に助け出してくれないか?お礼は、相談して用意したいから、希望を出してほしい。」

ダルクの声に、水面を飛び石のように跳ねていた水龍が最初に反応した。

「神性を失ったフェンリルとは珍しい。人の世か?」
と水龍。

「そうだよ。人の世だ。龍の里とは次元が違うけれど、同じ世界に人は住んでいて、私はそこの住人なんだ。」
とダルク。

「フェンリルの嫁なら悪くなかろう。」
と水龍。

「悪いよ。息子は神気が使えるけれど人の身で、人の世に生きている。神性を失っていようがいまいが、フェンリルの嫁にはしないよ。息子も泣いて助けを求めているんだ。」
とダルク。

「息子は神気が使えるのか。ならば戦えるであろう?」
と水龍。

「息子は人の世で、人の身で生きているから、戦いに神気をドバドバ使うのは、何が起きるかわからなくて使いづらいんだ。家で遊ぶ分には使っているよ。」
とダルク。

「ふむ。遊ぶとは?」

「神獣や御神木と遊んでいるね。息子は歌ったり、踊ったりするのが好きなんだ。小さい時は、枯れ木に花が咲いたりしていたよ。」
とダルク。

「神獣がいるのか。」
と水龍。

「うちにはいるよ。人の世にはいない場所もある。」
とダルク。

「龍はいるか?」
と水龍。

「龍と呼んでいる神獣はいるよ。ただ、龍の里生まれかどうかは分からない。人の世の生まれかもしれない。」

「どのような龍だ?」

「空と池を行ったりきたりしているよ。」

「うちとやらに招待することを礼にするとよい。」

「来てくれるのかい?ありがとう。」
龍が呼びかけに応えてくれて、さらにガラン領に興味を持ってくれた。
ダルクは、両方とも嬉しい。

さて、ダルクが出発の話を水龍にしようとしたとき。

「楽しそうだな。」
近づいてくる龍がいる。

「息子を助けて、神格喪失したフェンリルを退治して、うちとやらによばれてくる。」
と水龍。
長い髭がひょろりと動く。

「楽しいのか?」
と近づいてきた龍は水龍に話しかける。

近づいてきた龍は火龍だ。

「初めてだから分からんな。」
と水龍。

「ふむ。では、共に行く。ヌシが心惹かれたなら、瑞兆。」
と近づいてきた火龍。

「旅の友とは風流な。風流というなら、わたしこそ行かねば。」
と空中に漂っていた龍。
こちらは、風龍だ。

「水、火、風、と並べば、我も行くほかあるまい。」
と地面から生えたように見える龍の頭が喋った。
地竜が、地面から体を出してきた。

「ふむ。水、火、風、土。4龍か。」
と水龍。

過剰戦力にならないかな?とダルクは思った。

神性を失ったフェンリルの実力を己の目で見たわけではないので、現地で考えるとしようと思い直す。

「そろそろ、出発していいかい?」
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

ヒーロー組織のサポートメンバーになりました!

はちのす
BL
朝起きたら、街はゾンビだらけ!生き残りたい俺は、敵に立ち向かうヒーロー組織<ビジランテ>に出逢った。 ******** 癖の強いヒーロー達の"心と胃の拠り所"になるストーリー! ※ちょっとイチャつきます。

氷の婚約者様に破談を申し出たら号泣された

楽矢
BL
目が覚めると、レースの牢獄のような天蓋付きベッドの上だった。 何も覚えていない出来損ない下級貴族ミラ。無能だクズだと冷酷な罵詈雑言を浴びせてくる氷の騎士セティアス。 記憶喪失から始まる、2人のファンタジー貴族ラブコメディ。 ---------- ※注) かっこいい攻はいません。 タイトル通りそのうち号泣しますのでご注意! 貴族描写は緩い目で雰囲気だけお読みいただけると幸いです。 ハッピーエンドです。 激重感情をこじらせた攻→受な関係がお好きな同志の方、どうぞよろしくお願いします! 全16話 完結済み/現在毎日更新予定 他サイトにも同作品を投稿しています。 様子を見ながらそのうち統合するかもしれません。 初めての一次創作でまだよく分かっておらず、何かおかしなことをしでかしていたら申し訳ないです!

【柳原学園】いやいや、俺は『俺様生徒会長』だから

西園 斎
BL
家の都合で『俺様』を演じてる生徒会長が、生徒会やら風紀やら教師やらから好かれるお話。 演技俺様会長総受け(愛され)/後固定CP *10年以上前の作品を、やや加筆修正していきます

身代わりにされた少年は、冷徹騎士に溺愛される

秋津むぎ
BL
第13回BL大賞奨励賞頂きました! 最終17位でした!応援ありがとうございます! あらすじ 魔力がなく、義母達に疎まれながらも必死に生きる少年アシェ。 ある日、義兄が騎士団長ヴァルドの徽章を盗んだ罪をアシェに押し付け、身代わりにされてしまう。 死を覚悟した彼の姿を見て、冷徹な騎士ヴァルドは――? 傷ついた少年と騎士の、温かい溺愛物語。

【完結】Restartー僕は異世界で人生をやり直すー

エウラ
BL
───僕の人生、最悪だった。 生まれた家は名家で資産家。でも跡取りが僕だけだったから厳しく育てられ、教育係という名の監視がついて一日中気が休まることはない。 それでも唯々諾々と家のために従った。 そんなある日、母が病気で亡くなって直ぐに父が後妻と子供を連れて来た。僕より一つ下の少年だった。 父はその子を跡取りに決め、僕は捨てられた。 ヤケになって家を飛び出した先に知らない森が見えて・・・。 僕はこの世界で人生を再始動(リスタート)する事にした。 不定期更新です。 以前少し投稿したものを設定変更しました。 ジャンルを恋愛からBLに変更しました。 また後で変更とかあるかも。 完結しました。

光る穴に落ちたら、そこは異世界でした。

みぃ
BL
自宅マンションへ帰る途中の道に淡い光を見つけ、なに? と確かめるために近づいてみると気付けば落ちていて、ぽん、と異世界に放り出された大学生が、年下の騎士に拾われる話。 生活脳力のある主人公が、生活能力のない年下騎士の抜けてるとこや、美しく格好いいのにかわいいってなんだ!? とギャップにもだえながら、ゆるく仲良く暮らしていきます。 何もかも、ふわふわゆるゆる。ですが、描写はなくても主人公は受け、騎士は攻めです。

拾われた後は

なか
BL
気づいたら森の中にいました。 そして拾われました。 僕と狼の人のこと。 ※完結しました その後の番外編をアップ中です

不遇な死を迎えた召喚勇者、二度目の人生では魔王退治をスルーして、元の世界で気ままに生きる

六志麻あさ
ファンタジー
異世界に召喚され、魔王を倒して世界を救った少年、夏瀬彼方(なつせ・かなた)。 強大な力を持つ彼方を恐れた異世界の人々は、彼を追い立てる。彼方は不遇のうちに数十年を過ごし、老人となって死のうとしていた。 死の直前、現れた女神によって、彼方は二度目の人生を与えられる。異世界で得たチートはそのままに、現実世界の高校生として人生をやり直す彼方。 再び魔王に襲われる異世界を見捨て、彼方は勇者としてのチート能力を存分に使い、快適な生活を始める──。 ※小説家になろうからの転載です。なろう版の方が先行しています。 ※HOTランキング最高4位まで上がりました。ありがとうございます!

処理中です...