フィリス・ガランの近衛生活

かざみはら まなか

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第6章 コーハ王家の第4王子と高位貴族子弟の近衛は、同じ近衛である地味平凡の子爵子息の魅了で逆ハーレムを作っている、との情報が!

876.フェンリルは知力も体力も能力も、低くはない。

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元フェンリルに、ボクの神気が効かないのが、本当に戦い辛いの。

ボク、大将として立っているから、平気を装っているけれど、元フェンリルの前に立つのが怖いの。

気持ち悪いの。
舐められた感触も。
挿れられた感触も。
皮膚に、記憶に、べったり貼り付いて、剥がれない。

元フェンリルの姿なんて、見たくないの。

だって、ボク、元フェンリルに蹂躙されて、最後まで手も足も出なかった。

嫌で嫌でたまらないのに。

どう足掻いても、ボクの力じゃ勝てなかったことを思い知らされたの。


敵から目を逸らすわけにはいかないから、元フェンリルを意識して見ているの、ボク。

元フェンリルは、ボクが最初に会ったときから変態だったの。

元フェンリルは、変態だけど、他者と意思疎通する意思ははっきりしていた。
意思疎通していたの、最初は。

今の元フェンリルは。
炎を吐いていない今、半開きの口からよだれが止まらなくなっているの。

元フェンリルの様子が、まるで、薬物中毒になって、クスリがきれてきたかのようなの。

動きに落ち着きがなくなって、思考を伴う行動が無くなってきているの。

光や、音。
小手先の技で、驚かせて、攻撃範囲がズレるなんて、フェンリルの知能や能力を考慮すると、異常なの。

フェンリルの知能があれば、子供だましなんかに引っかからないと思うの。

力は、衰えていないのに、元フェンリルの知能か情緒に何かが起きているの。

元フェンリルの変化の原因も、これからどうなるかも、ボクには皆目見当がつかない。

「メス、戻れ。我のメスはやらん。誰にも。どこにも。我のメス。」
元フェンリルと目があった、と思った瞬間、元フェンリルは跳躍して、一気に距離をつめてきた。
勢いよく、ボクに飛びかかってきた。

防げないの。
真正面から、こられると、抵抗する術がないの。

ボクは、体が、震えないように大地を踏みしめる。

諦めないの、ボク。

でも、手立てが。
どうしたらいいかしら。

無抵抗では、のしかかられてしまうの。
また蹂躙されてしまう。
元フェンリルの口、牙、よだれが、ボクに迫る。
気持ち悪いの。
怖いの。
白い毛の塊が、ボクに振ってくる。

「お父様。お助け下さいませ。お父様。」
ボクは、力いっぱい、お父様を呼んだ。
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