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第8章 魔法使いのいる世界で、魔力を持たないまま生きていく君へ。
593.マーゴットは、ナンシー・ボーンの母に貴族の名前を吐かせた。『ジョンストン伯爵よ!』ジョンストンと言えば、ナユカ・ジョンストンがいた。
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マーゴットは、突きつけていた剣を一旦ひくと、剣を構える。
「ナンシー・ボーンの母。わたしに負けるような貴族の名前だから、口に出さない?
わたしの交渉相手になれないような貴族を味方につけて、誰に利がある?
名前を出さないなら、ナンシー・ボーンの母をこのまま生かしておく必要はない。」
とマーゴット。
「何をするの!」
ナンシー・ボーンの母が、剣が引いたことに喜んだのは一瞬だった。
剣で切られる!
と思ったナンシー・ボーンの母は、一も二もなく、本物の貴族の名前を出した。
「ジョンストン伯爵、ジョンストン伯爵よ!」
マーゴットは、髪一筋手前で剣を止める。
「ジョンストン伯爵について、話しなさい。
男?女?
年齢は、いくつくらい?
見た目の特徴は?」
とマーゴット。
「ジョンストン伯爵本人は知らない。
30代だか、40代だかの使者がジョンストン伯爵の遣いだと言って、うちに来たのよ!」
とナンシー・ボーンの母。
「ジョンストン伯爵の使者を名乗る者は、自身が、ジョンストン伯爵の使者と分かるものを何か、ナンシー・ボーンの母に見せて、ナンシー・ボーンの母は、本物か確認した?」
とマーゴット。
「そんなこと、するわけないじゃない!
お貴族様の国は知らないけれど、ニンデリー王国の貴族に、他人の名前を名乗るような人はいないのよ。」
とナンシー・ボーンの母。
貴族社会では、使者はまず相手に身元を証明する。
貴族というものに疎ければ、知らないか?
マーゴットは、納得しかけて、そんなはずはない、と思い直した。
ドレマンの民は、ニンデリー王国の貴族ドレマン家と繋がりが深い。
シグル・ドレマンは、手順はすっ飛ばし気味だったが、振る舞いは貴族としてのそれだった。
ドレマンの民と言われてきた人と貴族との距離感は、シグル・ドレマンの影響ではない。
影響を与えた貴族は、他にいる。
ナンシー・ボーンの母の口から出てきた、ジョンストンという名前。
バネッサと一時期親しくしていたが、決裂したナユカ・ジョンストン伯爵令嬢は、ジョンストン伯爵家の嫡女である、伯爵ではない。
ジョンストン伯爵となると、ナユカ・ジョンストンの父ということになる。
ジョンストン伯爵がどんな人物かの情報は、今手元にない。
「ジョンストン伯爵本人の差し金かは、不明。」
とマーゴットは結論づけた。
貴族の名前を出したら、証書ぐらい見せる。
見せないということは、信用できる身元ではない、ということ。
「お貴族様は知らないのかもしれないけれど、ニンデリー王国の貴族は、困っている平民を見捨てないのよ。」
というナンシー・ボーンの母の台詞を聞いて、マーゴットは、思い出した。
ニンデリー王立学園に入学した当初、貴族は平民を大事にしろ、と主張する集団がいたことを。
平民を持ち上げる層と通じているのかもしれない。
「ナンシー・ボーンの母。わたしに負けるような貴族の名前だから、口に出さない?
わたしの交渉相手になれないような貴族を味方につけて、誰に利がある?
名前を出さないなら、ナンシー・ボーンの母をこのまま生かしておく必要はない。」
とマーゴット。
「何をするの!」
ナンシー・ボーンの母が、剣が引いたことに喜んだのは一瞬だった。
剣で切られる!
と思ったナンシー・ボーンの母は、一も二もなく、本物の貴族の名前を出した。
「ジョンストン伯爵、ジョンストン伯爵よ!」
マーゴットは、髪一筋手前で剣を止める。
「ジョンストン伯爵について、話しなさい。
男?女?
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とマーゴット。
「ジョンストン伯爵本人は知らない。
30代だか、40代だかの使者がジョンストン伯爵の遣いだと言って、うちに来たのよ!」
とナンシー・ボーンの母。
「ジョンストン伯爵の使者を名乗る者は、自身が、ジョンストン伯爵の使者と分かるものを何か、ナンシー・ボーンの母に見せて、ナンシー・ボーンの母は、本物か確認した?」
とマーゴット。
「そんなこと、するわけないじゃない!
お貴族様の国は知らないけれど、ニンデリー王国の貴族に、他人の名前を名乗るような人はいないのよ。」
とナンシー・ボーンの母。
貴族社会では、使者はまず相手に身元を証明する。
貴族というものに疎ければ、知らないか?
マーゴットは、納得しかけて、そんなはずはない、と思い直した。
ドレマンの民は、ニンデリー王国の貴族ドレマン家と繋がりが深い。
シグル・ドレマンは、手順はすっ飛ばし気味だったが、振る舞いは貴族としてのそれだった。
ドレマンの民と言われてきた人と貴族との距離感は、シグル・ドレマンの影響ではない。
影響を与えた貴族は、他にいる。
ナンシー・ボーンの母の口から出てきた、ジョンストンという名前。
バネッサと一時期親しくしていたが、決裂したナユカ・ジョンストン伯爵令嬢は、ジョンストン伯爵家の嫡女である、伯爵ではない。
ジョンストン伯爵となると、ナユカ・ジョンストンの父ということになる。
ジョンストン伯爵がどんな人物かの情報は、今手元にない。
「ジョンストン伯爵本人の差し金かは、不明。」
とマーゴットは結論づけた。
貴族の名前を出したら、証書ぐらい見せる。
見せないということは、信用できる身元ではない、ということ。
「お貴族様は知らないのかもしれないけれど、ニンデリー王国の貴族は、困っている平民を見捨てないのよ。」
というナンシー・ボーンの母の台詞を聞いて、マーゴットは、思い出した。
ニンデリー王立学園に入学した当初、貴族は平民を大事にしろ、と主張する集団がいたことを。
平民を持ち上げる層と通じているのかもしれない。
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