正義が勝たないデスゲームから脱出しよう。【R15】

かざみはら まなか

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434.北白川サナの父方の祖父は、逃げ出すつもりがない俺に、俺以外の意思で逃げる場合を考えさせる。裏切ったと感じるような人間関係は、まだ。

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「戦いが始まると、逃げることも命がけになる。」
と北白川サナの父方の祖父。

「成功させるので、逃げる予定は俺にはありません。」

俺は、俺の人生を負け戦で終わらせない。

「今は、逃げる予定がない金剛くんだが、この先を考えなさい。

金剛くんの逃がしたい人や、一緒に逃げたい人が出来てから、逃げ出し方を調べていては、足元を見られるか、足を引っ張られて失敗する。

予定はなくとも、逃げ方を調べて準備は進めておくといい。」
と北白川サナの父方の祖父。

「逃げ出すことになると考えて勧めてくれているのですか?」

「戦いが始まってしまったら、逃げ出すことさえも、自分の意思で決められるとは限らない。」
と北白川サナの父方の祖父。

「逃げることが、撤退に追い込まれることだからですか?」

「金剛くんは、一人ではなく、誰かと協力して戦っていこうとしているだろう?」
と北白川サナの父方の祖父。

「俺がしたいことは、一人ですることではないので。」

「追い込まれていてもいなくても、逃げる選択をせざるを得ないということも考えなさい。

金剛くんに撤退を迫る可能性がある者は、敵だけではないんだ。」
と北白川サナの父方の祖父。

「身内といっても、家族とはろくに会話もしていませんが。」

「相手は家族と限らない。

協力関係から良好な仲に発展した人達に頼まれたり、周りの人が勝手に外堀を埋めて逃げるしかない状態になったとき。

自分の逃げ方を自分で選べるようにしておくと、後々、立て直しやすい。」
と北白川サナの父方の祖父。

「逃げる手段と逃げ出す先を押さえられた上で逃がされても、俺のやりたいようにやれなくなるからですか。」

「金剛くんのしようとしていることを始めたら、金剛くんの思考とは異なる人達との接点が増えていくだろう。」
と北白川サナの父方の祖父。

「正義が勝たないデスゲームに参加する前に接点があった人達にも、同じ思考の人がいたとは言いかねます。」

「仕事を通じて知り合い、仕事を頼んでくる人達は、金剛くんや金剛くんの仕事ぶりを承知した上で、金剛くんに依頼しているだろう?」
と北白川サナの父方の祖父。

「話が通じない相手とは、仕事をしないので。俺の仕事ぶりと仕事の成果が分からない相手と仕事の話をすることはしません。」

「これまで、話が通じない相手と関わらないことが徹底できたのは、金剛くんが金剛くんの生活のためだけに生きてきたからだ。」
と北白川サナの父方の祖父。

「それは、そうです。」

「金剛くんがこれから始めることは、金剛くんを直接知っている人達だけで回せるかな?」
と北白川サナの父方の祖父。

「一人で回す規模感ではありません。」

「金剛くんの人となりを知らない人達も金剛くんの始めることに関わっていくことは想像できたかな?」
と北白川サナの父方の祖父。

俺には、未知の世界だ。

「人間関係は、増えていくものだったのですか。

切っていくものだと思って生きてきました。」

「金剛くんの周りにいる何人かだけで回すには人手が足りない、となったとき、関係性の裾野は広がっていく。」
と北白川サナの父方の祖父。

支援団体にのせられて、支援団体と敵対する人達に嫌がらせをするやつらに仕事の提案をするシステムを作った。

支援団体に踊らされて踊り狂いたがるやつらを利用者に組み込んだシステムを作り運用を開始したときに、そのシステムに携わる人達ができた。

これは、俺の関係性の裾野の広がりと言っていい、か。

「実感は、これからだと思います。」

「先に、聞きなさい。

他の人には関係ないから他の人のことは気にしなくていいという割り切りは、金剛くんの心の中にあるものにすぎないんだ。」
と北白川サナの父方の祖父。

「関係ない他人という発想は、他の人を気にするのが嫌だからと割り切ろうとしたのが、発端だったかもしれません。

気にしたところで、思うようにはならないと知って。」

「金剛くんが何かを割り切っていようがいまいが、他の人には預かり知らぬことだ。」
と北白川サナの父方の祖父。

それは、否定しない。

「俺の生き方を他の人が知らないのは、俺に話す気がないからです。俺の意図の理解者はいました。一人ですが。」

「佐竹ハヤトくんか。」
と北白川サナの父方の祖父。

表に出てこない秘密を抱えることになりながら、今日まで漏らすことなく、支援団体の関係者を続けた、北白川サナの父方の祖父。

「今、もう一人いるかもしれないと思っています。」

北白川サナの父方の祖父は、俺の気付かなかった視点の話しをし、俺の理解度を確認しながら俺に諭すように教えていると感じるのは、気のせいではない。

「俺の示す金剛くんへの理解は、経験から語れることであって、金剛くんと同じ思考で物事を理解して語っているわけではない。」
と北白川サナの父方の祖父。

「俺は、俺の立ち位置からの話が通じると思っていました。」

北白川サナの父方の祖父のように、上でも下でも横でもない、斜め前の位置から、俺に手を伸ばして教えようとする人は、希少だ。

「話を合わせることや、話を通じさせることが出来きなかった失敗を経験して、今までやってこられたからな。」
と北白川サナの父方の祖父。

「失敗の経験も。

別の方向を見ている人から俺の見方を尊重する意見も。

聞くことはこれまでありませんでした。」

隣にいる北白川サナの父方の祖父の話しぶりは、ずっと調子が変わらない。

「金剛くんは、正義が勝たないデスゲームを脱出して人間関係を広げていく過程にいるのかな。

無関係な人より、関係性があった人が明確な敵にまわって与えてくるダメージの方が、的確で大きくなることは伝えておこう。」
と北白川サナの父方の祖父。

「信用している相手が敵になれば、手の内を知られているだけに、やり辛いと思います。」

「裏切られた、という精神的な苦しみが与える影響も大きい。」
と北白川サナの父方の祖父。

「裏切る、裏切らないというほど距離を詰めた付き合いをするかどうか、ですか。」

俺にそんな経験はない。

近くにいる誰かに、何の契約もなく俺の何かを任せる発想はなかった。

「最初は違っていても、いつの間にか、そんな関係性になっていることもある。」
と北白川サナの父方の祖父。

「関係性が出来上がった後から、一方的に壊されたら、奔走することになりそうです。」

推測の域を出ないのに、俺が想像して話すことは、苦渋を舐めて生きてきた人に対して失礼な気がする。

「裏切り者の処遇を甘くしないことは、組織を守り、組織の一員を守ることに繋がる。

支援団体のやり口のいくつかは、金剛くんの目と耳にも入っているだろう?」
と北白川サナの父方の祖父。
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