正義が勝たないデスゲームから脱出しよう。【R15】

かざみはら まなか

文字の大きさ
67 / 520

67.悪魔の証明を求められた加地さんは、加地さんの仲間の男三人に守られている。加地さんと加地さんに預けられた人達。戦いの火蓋が今、切られた。

しおりを挟む
「加地さん、そういうわけだ。蚊にさされないために、加地さんが何をしたか、話してもらおう。」
と苦情を言うようにと加地さんに勧めた男。

加地さんも、気づいてはいたのだろう。

蚊が寄ってこない謎を指摘される可能性に。

「私は、何もしていない。蚊にさされないのは、私もなぜかわからない。」

加地さんは、自身も分からないと、正直に、困惑気味に答えた。

誰に詰め寄られても、加地さんは、自身に蚊が寄ってこない理由を知らない。

この部屋の中で、理由を知っているのは、俺と、俺の隣で、俺に腕を絡めている女だけ。

「加地さん、嘘はいけない。この期に及んで、嘘を重ねないでもらえないか。」
と苦情を言うようにと加地さんに勧めた男。

「嘘ではない。嘘だとは心外。ずっと一緒に行動してきた私が、隠れて何かをするのを見たとでも?」
と加地さんは、強く否定して、聞き返した。

「隠れて何かをしたところは、見ていない。」
と苦情を言うようにと加地さんに勧めた男。

「ほら。」
と加地さんは、勝ち誇った顔になった。

「我々と合流する前に何かをしていた、ということではないか。」
と苦情を言うようにと加地さんに勧めた男。

加地さんの顔は強張った。

加地さんは、悪魔の証明を求められている。

「していない。私が何もしていないことは、私の仲間が見ている。」
と加地さんは、強く言い切る。

「加地さんの仲間は、我々の仲間ではないから、信用できない。」
と苦情を言うようにと加地さんに勧めた男は、鼻で笑う。

「あなた達が誰も見ていない場所で、やっていないことを証明することはできない。できても、意味がない。あなた達が、私を信用しないんだから。」
と加地さんは、強気に出た。

「加地さんが証明できないなら、我々が納得できるまで、我々自身で加地さんに確認すればいい。」

苦情を言うようにと加地さんに勧めた男は、にやりと笑った。

「それがいい。加地さんを確認しよう」

「賛成。確認したいやつ、集まれ。」

蚊の大群にたかられながら、加地さんの周りに集合する人達。

仲間の男達に囲まれている加地さんを囲む。

「加地さんが証明する代わりに、有志が確認してくれることになった。」

苦情を言うようにと加地さんに勧めた男に、加地さんは抗議した。

「私は、確認させるとは言っていない。私に近づくとどうなるか、分かっているはず。」

加地さんは、加地さんの仲間を示す。

俺が加地さんに近づいたり、加地さんの提案を拒否したりしたことが気に入らない男達の本領発揮か。

「我々は、同じ志を胸にここまで共にきた。

加地さんの潔白を証明するための、有志の確認に、加地さん自身が協力するつもりがない、となると。」
と苦情を言うようにと加地さんに勧めた男。

「実力行使だ。」

「実力行使!実力行使!」

「そういうことで、加地さんも異論は。」
と苦情を言うようにと加地さんに勧めた男が、まとめようとした。

「ある。異論はある。」
と加地さん。

加地さんの仲間は、三人。加地さんの確認する有志は、三倍以上。

加地さんの仲間の一人一人が、喧嘩に強かろうと、加地さんとの隙間ができたら、数の力で加地さんを取られる。

殴り合いするにしても、仲間同士で同士討ちになる距離から動けないとなると、仲間の男にできることは少なくなる。

「私の確認は不要。私に対する嫌がらせを、私が黙って受ける謂れはない。」
と加地さん。

加地さんは、対決姿勢を打ち出した。

「加地さんに協力してもらえないことが確定したが、異論はあるか?」
と苦情を言うようにと加地さんに勧めた男が、声を張り上げた。

「なし。異論なし。」
という声があがる。

「ジャーナリズムだ、ジャーナリズムだ。」

加地さんの吊るし上げに参加しない人もいる。

「いつも言っている台詞を言われているのって、間抜けね。」

「まさしくブーメラン。」

ジャーナリズムだ、ジャーナリズムだ、という掛け声は、加地さんのチャンネル内での決めセリフといったところか。

チャンネルでのキャラ作りのためか、加地さんの本心か。

センセーショナルで覚えやすい言葉は、広がるのが早い。

アンチも信者も倍々ゲーム。

両方増えるから盛り上がる。

加地さんに預けられた人達は、預けられたのであって、加地さんを慕って、自分から加地さんについてきていない。

加地さんに預けられた人達の表に出さない嫌悪感は、くすぶっている間に、右肩上がりを続けて、今、爆発した。

「やってしまえ。」
一人の言葉が決め手となり、始まった。

加地さんに預けられた人達は、ぶつかりあいながら、加地さんへと押し寄せた。

加地さんに預けられた人達は、手を伸ばして、三人の男の隙間から、加地さんの体を掴もうとする。

蚊の大群ごと。

加地さんに預けられた人達も、加地さんの周りを固める三人の男も。

蚊の大群を払っていない。

顔面が蚊で黒くなっても、顔に手を伸ばしたりしなくなった。

「うおお、痛い、腕が!」

「くっそ。腕を折りやがった!」

二人は、腕をひねり上げられて、離されるときに、負傷したようだ。

加地さんに預けられた人達のうち、加地さんを囲む人達の目的は、加地さんを引きずり出すこと。

腕を出せば、腕を掴まれると学習した、加地さんに預けられた人達は、腕を折られないように、体の横に腕をつけて、何回も体当たりしていく。

加地さん側は、押し返すのではなく、殴っている。

「ふざけんな、来るな。」

「加地さんと一緒に偉そうにしやがって。
てめえらなんか、いても役に立たないと思い知らせてやる。」

「身内だなんだとデカいツラにデカい口。見飽きてるんだよ、こっちは。」

加地さんの周りを固めている三人の男は、体は加地さんから離れないようにして動かない。

頭突きをしたり、腕を振り上げたり、足を踏んだり、膝蹴りして戦っている。

蚊の大群にたかられている人が、蚊の大群にたかられたまま、加地さんの周りを押し合いへし合いしている。

空間が黒い。

揉み合っていた女の一人が、言い出した。

「今更、蚊にさされない方法を知るだけで、満足できる?

加地さんには、私達の痒さと痛さを味わって、後悔してもらわないと。」
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

甲斐ノ副将、八幡原ニテ散……ラズ

朽縄咲良
歴史・時代
【第8回歴史時代小説大賞奨励賞受賞作品】  戦国の雄武田信玄の次弟にして、“稀代の副将”として、同時代の戦国武将たちはもちろん、後代の歴史家の間でも評価の高い武将、武田典厩信繁。  永禄四年、武田信玄と強敵上杉輝虎とが雌雄を決する“第四次川中島合戦”に於いて討ち死にするはずだった彼は、家臣の必死の奮闘により、その命を拾う。  信繁の生存によって、甲斐武田家と日本が辿るべき歴史の流れは徐々にずれてゆく――。  この作品は、武田信繁というひとりの武将の生存によって、史実とは異なっていく戦国時代を書いた、大河if戦記である。 *ノベルアッププラス・小説家になろうにも、同内容の作品を掲載しております(一部差異あり)。

旧校舎の地下室

守 秀斗
恋愛
高校のクラスでハブられている俺。この高校に友人はいない。そして、俺はクラスの美人女子高生の京野弘美に興味を持っていた。と言うか好きなんだけどな。でも、京野は美人なのに人気が無く、俺と同様ハブられていた。そして、ある日の放課後、京野に俺の恥ずかしい行為を見られてしまった。すると、京野はその事をバラさないかわりに、俺を旧校舎の地下室へ連れて行く。そこで、おかしなことを始めるのだったのだが……。

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

中1でEカップって巨乳だから熱く甘く生きたいと思う真理(マリー)と小説家を目指す男子、光(みつ)のラブな日常物語

jun( ̄▽ ̄)ノ
大衆娯楽
 中1でバスト92cmのブラはEカップというマリーと小説家を目指す男子、光の日常ラブ  ★作品はマリーの語り、一人称で進行します。

ヤンデレ美少女転校生と共に体育倉庫に閉じ込められ、大問題になりましたが『結婚しています!』で乗り切った嘘のような本当の話

桜井正宗
青春
 ――結婚しています!  それは二人だけの秘密。  高校二年の遙と遥は結婚した。  近年法律が変わり、高校生(十六歳)からでも結婚できるようになっていた。だから、問題はなかった。  キッカケは、体育倉庫に閉じ込められた事件から始まった。校長先生に問い詰められ、とっさに誤魔化した。二人は退学の危機を乗り越える為に本当に結婚することにした。  ワケありヤンデレ美少女転校生の『小桜 遥』と”新婚生活”を開始する――。 *結婚要素あり *ヤンデレ要素あり

セーラー服美人女子高生 ライバル同士の一騎討ち

ヒロワークス
ライト文芸
女子高の2年生まで校内一の美女でスポーツも万能だった立花美帆。しかし、3年生になってすぐ、同じ学年に、美帆と並ぶほどの美女でスポーツも万能な逢沢真凛が転校してきた。 クラスは、隣りだったが、春のスポーツ大会と夏の水泳大会でライバル関係が芽生える。 それに加えて、美帆と真凛は、隣りの男子校の俊介に恋をし、どちらが俊介と付き合えるかを競う恋敵でもあった。 そして、秋の体育祭では、美帆と真凛が走り高跳びや100メートル走、騎馬戦で対決! その結果、放課後の体育館で一騎討ちをすることに。

処理中です...