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147.正義が勝たないデスゲームの参加者が高評価を得る状況を間違えていないか?高評価を下すのが誰か分かれば、間違えない。『死に様を見せろ。』
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男の流した視線の先を俺が確認したのを男は満足そうに見ている。
俺は、男の視線の先にいた話し手を話題に取り上げることはしない。
誰かに示唆されて動くのは、俺のポリシーに反する。
タケハヤプロジェクトの学生を喜ばせることは、俺のしたくないことのトップクラスに入る。
だから、何事もなかったかのように流す。
「そうか。
タケハヤプロジェクトの学生は、団体で、一人を殺してきたように見える。
ずっと同じ殺し方をしてきたのか?」
俺の反応がなかったことを残念に思っているのは、伝わってきた。
「一番失敗が少なく、こちらの損害も少ない方法を使ってきた。」
成功例があると、踏襲するのは、人のならい。
「失敗を避けるのは、リスク回避のためか。
今まで、同じやり方で成功してきたのか?」
俺が、リスク回避を評価しているように聞こえたのか、機嫌よく返事が返ってきた。
「当然。今日は死者を出したが、今日のは、不可抗力だった。」
今日の死者は、デスゲーム運営が狙った結果だと俺は思うが、そこまでは考えないか。
「今日より前にも死者は出たか?」
正義が勝たないデスゲームを開始する、という佐竹ハヤトの音声を認識して、正義が勝たないデスゲームは開始している。
タケハヤプロジェクトの学生は、予備知識なしに正義が勝たないデスゲームを始めている。
人を殺せば、死なずに済むとタケハヤプロジェクトの学生が学習するまで、失敗もあったのではないか。
男は、俺の質問を黙殺した。
答えを求めていたわけではないので、俺は、話を本題に戻すことにした。
「リスク回避と、デスゲームの視聴者が喜ぶ死に方を披露することは、両立すると考えているのか?」
「俺達は、今まで、このやり方で、うまくやってきた。」
うまくやってきた、か。
うまくやっているように見えていたか。
「正義が勝たないデスゲームの参加者として、誰も殺されなかったのは、参加者として最高の成果だ。
その成果は、参加者として自慢できる。」
俺は、気に食わない相手が成し遂げたことでも、成し遂げたこと自体についての評価は、曲げない。
「当然だ。」
「タケハヤプロジェクトの学生のこれまでの戦い方に、デスゲームの視聴者から称賛される要素を見つけられるか?」
「生き延びたなら、評価に値するだろう?」
と訝しげな男。
「他のデスゲームは、ともかく、正義が勝たないデスゲームの視聴者は、参加者が団結して生き残る様を期待しているか?
正義が勝たないデスゲームの視聴者が見たいのは、参加者が死にたくないとあがき、苦しむ死に様だ。」
「悪趣味すぎる。」
悪趣味であることは、人間としての価値を落とす、か。
「デスゲームの悪趣味な視聴者は、悪趣味な参加者の死を見たいということだろう。」
善良であるより、悪趣味な方が、死ぬと喜ばれて、死なせても心情的に責められない。
利害関係が絡めば、死なせたことを責める、か。
売名のために、正義の味方として責め立てて、絡んでくることもある、か。
「悪趣味同士お似合いだと言いたいのか。」
お似合いではなく、タケハヤプロジェクトの学生の悪趣味な点が評価されてデスゲームで生き延びたのではないか。
悪趣味論議は、本題から外れるので、終わらせる。
「タケハヤプロジェクトの学生の殺し方は、定番ではない。
変えていないなら、いつまで経っても、代わり映えしない出来だと理解できるか?」
「代わり映えしないから、何だ?
代わり映えより、確実に成果をあげる方が大事だろう。」
成果か。
誰のための成果であるか、が問題になってくる。
参加者にとっては、堅実な生き残り方で、安心だろうが。
「代わり映えしないと、視聴者は飽きる。」
「飽きる?生き延びているのに?」
評価されるものと思って、得点を稼いできた項目が、評価の対象外と聞かされて、話についてこれていないか?
「生き延び方が、正義が勝たないデスゲームの視聴者向けかどうか、考えたか?」
「死に様を見たいというやつか?」
頭の中に、残っているなら、話は早い。
「死に様だ。
正義が勝たないデスゲームの視聴者は、参加者が生き延びたことを、良いものが見れたと喜ぶような視聴者ではない。
飽きられたら、応援などされなくなる。
応援されない、ということは、どういうことになるか分かるか?」
「いや。」
「視聴者は、参加者が早く死ねばいいと思うようになる。
飽きた参加者は早く死んで、新しい参加者を応援したくなる。」
タケハヤプロジェクトの学生の呼吸音だけが、部屋に響く。
「ひょっとして、旬が過ぎた、ブレーク期間は終わった、後は、失速だけ、と言われている状態に当てはまる?」
俺は、男の視線の先にいた話し手を話題に取り上げることはしない。
誰かに示唆されて動くのは、俺のポリシーに反する。
タケハヤプロジェクトの学生を喜ばせることは、俺のしたくないことのトップクラスに入る。
だから、何事もなかったかのように流す。
「そうか。
タケハヤプロジェクトの学生は、団体で、一人を殺してきたように見える。
ずっと同じ殺し方をしてきたのか?」
俺の反応がなかったことを残念に思っているのは、伝わってきた。
「一番失敗が少なく、こちらの損害も少ない方法を使ってきた。」
成功例があると、踏襲するのは、人のならい。
「失敗を避けるのは、リスク回避のためか。
今まで、同じやり方で成功してきたのか?」
俺が、リスク回避を評価しているように聞こえたのか、機嫌よく返事が返ってきた。
「当然。今日は死者を出したが、今日のは、不可抗力だった。」
今日の死者は、デスゲーム運営が狙った結果だと俺は思うが、そこまでは考えないか。
「今日より前にも死者は出たか?」
正義が勝たないデスゲームを開始する、という佐竹ハヤトの音声を認識して、正義が勝たないデスゲームは開始している。
タケハヤプロジェクトの学生は、予備知識なしに正義が勝たないデスゲームを始めている。
人を殺せば、死なずに済むとタケハヤプロジェクトの学生が学習するまで、失敗もあったのではないか。
男は、俺の質問を黙殺した。
答えを求めていたわけではないので、俺は、話を本題に戻すことにした。
「リスク回避と、デスゲームの視聴者が喜ぶ死に方を披露することは、両立すると考えているのか?」
「俺達は、今まで、このやり方で、うまくやってきた。」
うまくやってきた、か。
うまくやっているように見えていたか。
「正義が勝たないデスゲームの参加者として、誰も殺されなかったのは、参加者として最高の成果だ。
その成果は、参加者として自慢できる。」
俺は、気に食わない相手が成し遂げたことでも、成し遂げたこと自体についての評価は、曲げない。
「当然だ。」
「タケハヤプロジェクトの学生のこれまでの戦い方に、デスゲームの視聴者から称賛される要素を見つけられるか?」
「生き延びたなら、評価に値するだろう?」
と訝しげな男。
「他のデスゲームは、ともかく、正義が勝たないデスゲームの視聴者は、参加者が団結して生き残る様を期待しているか?
正義が勝たないデスゲームの視聴者が見たいのは、参加者が死にたくないとあがき、苦しむ死に様だ。」
「悪趣味すぎる。」
悪趣味であることは、人間としての価値を落とす、か。
「デスゲームの悪趣味な視聴者は、悪趣味な参加者の死を見たいということだろう。」
善良であるより、悪趣味な方が、死ぬと喜ばれて、死なせても心情的に責められない。
利害関係が絡めば、死なせたことを責める、か。
売名のために、正義の味方として責め立てて、絡んでくることもある、か。
「悪趣味同士お似合いだと言いたいのか。」
お似合いではなく、タケハヤプロジェクトの学生の悪趣味な点が評価されてデスゲームで生き延びたのではないか。
悪趣味論議は、本題から外れるので、終わらせる。
「タケハヤプロジェクトの学生の殺し方は、定番ではない。
変えていないなら、いつまで経っても、代わり映えしない出来だと理解できるか?」
「代わり映えしないから、何だ?
代わり映えより、確実に成果をあげる方が大事だろう。」
成果か。
誰のための成果であるか、が問題になってくる。
参加者にとっては、堅実な生き残り方で、安心だろうが。
「代わり映えしないと、視聴者は飽きる。」
「飽きる?生き延びているのに?」
評価されるものと思って、得点を稼いできた項目が、評価の対象外と聞かされて、話についてこれていないか?
「生き延び方が、正義が勝たないデスゲームの視聴者向けかどうか、考えたか?」
「死に様を見たいというやつか?」
頭の中に、残っているなら、話は早い。
「死に様だ。
正義が勝たないデスゲームの視聴者は、参加者が生き延びたことを、良いものが見れたと喜ぶような視聴者ではない。
飽きられたら、応援などされなくなる。
応援されない、ということは、どういうことになるか分かるか?」
「いや。」
「視聴者は、参加者が早く死ねばいいと思うようになる。
飽きた参加者は早く死んで、新しい参加者を応援したくなる。」
タケハヤプロジェクトの学生の呼吸音だけが、部屋に響く。
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