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303.俺がしてこなかったこと。佐竹ハヤトがしたくてできなかったこと。
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正義が勝たないデスゲームを脱出するための秘策は誰かと協力すること、か。
正義が勝たないデスゲームを運用するAIによる俺の分析が済んでいるなら。
俺単独で何かをしても、意外性を出すことは勿論、正義が勝たないデスゲームを運用するAIの裏をかくなどできようもない。
俺一人では、正義が勝たないデスゲームを運用するAIの予測を裏切れない。
俺以外が、俺の意思決定に参加して、行動の軸が一定でなくなれば?
正義が勝たないデスゲームを運用するAIによる、俺の行動を予測したものの精度は落ちる。
理屈は、理解した。
しかし。
誰かと協力する、などということをしていたのは、俺がまだ一ケタの年齢で、周りが俺に協力させようとしていたときまで。
生きていくのに、協力が必要だとは考えたこともなかった。
依存されるのも、寄生されるのも、利用されるのも、御免だと思っていた。
だから、群れないで生きてきた。
群れないでも生きていける俺には、群れる意味が分からなかった。
群れて、機嫌よくしているやつなど、俺は見たことがない。
正義が勝たないデスゲームに参加した俺は、否応なしに他の参加者と関わることとなった。
関わりたくて、関わってきたわけではない。
しかし。
予備知識のかけらもない俺が、他の参加者が何を考えているか、や、何を狙って動いたのかを知ることは、正義が勝たないデスゲームを生き延びる上で必至だった。
今までのところでいうと、俺は、誰とも協力していない、と言っていい。
誰かから、目的を持って一方的に助けられてきただけだ。
俺が誰かと関わろうとして能動的に動いたのは、新人歓迎会の野村レオを殺すときと、モエカを生かそうとしたとき。
だが、どちらも中途半端な結果に終わった。
野村レオのトドメは、北白川サナに任せている。
モエカについては、助けるのを途中で諦めた。
振り返ってみると。
俺のしてきたことは、どれも中途半端だ。
中途半端ながら今までは生き延びてきたが。
サバイバルゲームをクリアするためには、中途半端な俺では、不足している、ということか。
俺について分析済みなら、俺が誰かと協力するなど、正義が勝たないデスゲームを運用するAIは予測しない。
正義が勝たないデスゲームを運用するAIが予測していなかった行動をするか。
今、俺が考えていることを知ることができたなら、佐竹ハヤトもさぞ驚いただろう。
俺が、誰かと協力しようとしている姿など、佐竹ハヤトは見たことがなかったはず。
佐竹ハヤトを驚かして見たかった。
『ショウタが共同作業をする気になった?』
意外にびっくりしないかもしれない。
『いいね、今までにない新機軸?』
俺の共同作業がどんな仕上がりになるかを本気で楽しみにして、場合によっては、手伝おうとしたと思う。
佐竹ハヤトは、そうだった。
俺には、もう、肩を並べて笑いながら対等に指摘したり、認め合える友達はいなくなったんだ。
友達の驚く顔が見れないのは、寂しいものだと思う。
驚く以外の顔も、もっと見たかった。
正義が勝たないデスゲームも、タケハヤプロジェクトも、佐竹ハヤトが生きている間に知りたかった。
意見だって交わせたかもしれないのに。
佐竹ハヤトは、誰かと意見が混ざって、新しいものになっていくのを楽しめる男だった。
俺とは違って。
佐竹ハヤトは、友達と何かをしているときが、一番楽しそうだった。
俺とでも、俺以外とでも。
ああ、そうか。
俺は、突然、腑に落ちた。
同じ目的を持つ誰かと協力して、何かを成し遂げることは。
タケハヤプロジェクトを始めた佐竹ハヤトが、したくてできなかったことだ。
俺がこれからしようとしていることは、俺が背を向けていたことで。
佐竹ハヤトがしたかったこと。
俺の友達が、俺としたかったこと、ではないのか?
佐竹ハヤトが生きているうちに、その願いを叶えられたら良かったのに。
そう思いはするが、そうならなかったから今があるのも、俺は理解している。
ないものねだり。
佐竹ハヤトが生きている間の俺は、誰かと意見を戦わせたり、力を合わせて何かを成し遂げたい、という望みを持つことはなかった。
俺の人生を振り返ってみても、俺が、それを望む瞬間はなかった。
今になって、俺がそれを強く望んだところで。
俺の友達は生き返らない。
今の俺が、誰かと協力しようと考えたのは。
正義が勝たないデスゲームを運用するAIを欺くためにほかならない。
俺の思考に基づく行動予測を成り立たせなくするためであって、誰かと力を合わせたい願望からではない。
だが。
俺の行動に不確定要素を足すにはちょうどいい相手が、サバイバルゲームには複数参加している。
誰かと協力して、正義が勝たないデスゲームを脱出すると決めた俺が、生き残っている参加者を協力者に選んでも、大きな問題はない。
「カガネ。正義が勝たないデスゲームでは、死体を検めることはあるか?」
正義が勝たないデスゲームを運用するAIによる俺の分析が済んでいるなら。
俺単独で何かをしても、意外性を出すことは勿論、正義が勝たないデスゲームを運用するAIの裏をかくなどできようもない。
俺一人では、正義が勝たないデスゲームを運用するAIの予測を裏切れない。
俺以外が、俺の意思決定に参加して、行動の軸が一定でなくなれば?
正義が勝たないデスゲームを運用するAIによる、俺の行動を予測したものの精度は落ちる。
理屈は、理解した。
しかし。
誰かと協力する、などということをしていたのは、俺がまだ一ケタの年齢で、周りが俺に協力させようとしていたときまで。
生きていくのに、協力が必要だとは考えたこともなかった。
依存されるのも、寄生されるのも、利用されるのも、御免だと思っていた。
だから、群れないで生きてきた。
群れないでも生きていける俺には、群れる意味が分からなかった。
群れて、機嫌よくしているやつなど、俺は見たことがない。
正義が勝たないデスゲームに参加した俺は、否応なしに他の参加者と関わることとなった。
関わりたくて、関わってきたわけではない。
しかし。
予備知識のかけらもない俺が、他の参加者が何を考えているか、や、何を狙って動いたのかを知ることは、正義が勝たないデスゲームを生き延びる上で必至だった。
今までのところでいうと、俺は、誰とも協力していない、と言っていい。
誰かから、目的を持って一方的に助けられてきただけだ。
俺が誰かと関わろうとして能動的に動いたのは、新人歓迎会の野村レオを殺すときと、モエカを生かそうとしたとき。
だが、どちらも中途半端な結果に終わった。
野村レオのトドメは、北白川サナに任せている。
モエカについては、助けるのを途中で諦めた。
振り返ってみると。
俺のしてきたことは、どれも中途半端だ。
中途半端ながら今までは生き延びてきたが。
サバイバルゲームをクリアするためには、中途半端な俺では、不足している、ということか。
俺について分析済みなら、俺が誰かと協力するなど、正義が勝たないデスゲームを運用するAIは予測しない。
正義が勝たないデスゲームを運用するAIが予測していなかった行動をするか。
今、俺が考えていることを知ることができたなら、佐竹ハヤトもさぞ驚いただろう。
俺が、誰かと協力しようとしている姿など、佐竹ハヤトは見たことがなかったはず。
佐竹ハヤトを驚かして見たかった。
『ショウタが共同作業をする気になった?』
意外にびっくりしないかもしれない。
『いいね、今までにない新機軸?』
俺の共同作業がどんな仕上がりになるかを本気で楽しみにして、場合によっては、手伝おうとしたと思う。
佐竹ハヤトは、そうだった。
俺には、もう、肩を並べて笑いながら対等に指摘したり、認め合える友達はいなくなったんだ。
友達の驚く顔が見れないのは、寂しいものだと思う。
驚く以外の顔も、もっと見たかった。
正義が勝たないデスゲームも、タケハヤプロジェクトも、佐竹ハヤトが生きている間に知りたかった。
意見だって交わせたかもしれないのに。
佐竹ハヤトは、誰かと意見が混ざって、新しいものになっていくのを楽しめる男だった。
俺とは違って。
佐竹ハヤトは、友達と何かをしているときが、一番楽しそうだった。
俺とでも、俺以外とでも。
ああ、そうか。
俺は、突然、腑に落ちた。
同じ目的を持つ誰かと協力して、何かを成し遂げることは。
タケハヤプロジェクトを始めた佐竹ハヤトが、したくてできなかったことだ。
俺がこれからしようとしていることは、俺が背を向けていたことで。
佐竹ハヤトがしたかったこと。
俺の友達が、俺としたかったこと、ではないのか?
佐竹ハヤトが生きているうちに、その願いを叶えられたら良かったのに。
そう思いはするが、そうならなかったから今があるのも、俺は理解している。
ないものねだり。
佐竹ハヤトが生きている間の俺は、誰かと意見を戦わせたり、力を合わせて何かを成し遂げたい、という望みを持つことはなかった。
俺の人生を振り返ってみても、俺が、それを望む瞬間はなかった。
今になって、俺がそれを強く望んだところで。
俺の友達は生き返らない。
今の俺が、誰かと協力しようと考えたのは。
正義が勝たないデスゲームを運用するAIを欺くためにほかならない。
俺の思考に基づく行動予測を成り立たせなくするためであって、誰かと力を合わせたい願望からではない。
だが。
俺の行動に不確定要素を足すにはちょうどいい相手が、サバイバルゲームには複数参加している。
誰かと協力して、正義が勝たないデスゲームを脱出すると決めた俺が、生き残っている参加者を協力者に選んでも、大きな問題はない。
「カガネ。正義が勝たないデスゲームでは、死体を検めることはあるか?」
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