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308.ハコさんの死が意味することは?正義が勝たないデスゲームを脱出してから、正義が勝たないデスゲームへ戻ったハコさんの空白の時間には何が?
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俺が、正義が勝たないデスゲームが本物の死を取り扱っている、ということに気づいたのは、ハコさんの水死がきっかけだった。
ハコさんについては、画面越しの姿しか俺は知らない。
ラキちゃんの先輩で、正義が勝たないデスゲームに参加したときは、現役の刑事だったということは、ハコさんが亡くなってから知った。
ハコさんについて俺が知っている情報は、全て伝聞だ。
俺のハコさん像は、伝聞情報を繋ぎ合わせ、ハコさんがどんな人物だったかを想像しているに過ぎない。
伝聞情報が増えるにつれて、謎は解けていった。
だが。
ハコさんについて、いまだに解けていない謎が残されている。
ハコさんについての謎は、正義が勝たないデスゲームに参加している参加者に尋ねても、誰も正解を知らないだろうと、今までの俺は考えていた。
正義が勝たないデスゲームの参加者は、正義が勝たないデスゲームから一生出られない、外部とも連絡がとれない、というルールがあるから、正義が勝たないデスゲームを脱出した後のことを知っている人は参加者の中にはいない、と俺は思い込んでいた。
正義が勝たないデスゲームには、正義が勝たないデスゲームのルールが適用される参加者と、ルールが適用されない参加者が存在する。
正義が勝たないデスゲームのルールが適用されない参加者は、今、俺の目の前にいる。
タケハヤプロジェクトの参加者であるメグたんとツカサ。
今のメグたんとツカサは。
俺との会話を忌避していない。
今、聞いたなら。
答えは返ってくる。
俺は、確信していた。
俺は、ハコさんに起きていた空白の時間についての確認がしたい。
正義が勝たないデスゲームを脱出したら、俺自身で身を以て体験することになると予想はしているが、あらかじめ知ることができるなら、知っておきたい。
「ハコさんは、正義が勝たないデスゲームを脱出して、また正義が勝たないデスゲームへと舞い戻っている。」
「佐竹くんではなく、ハコの話?」
とメグたんは、おかしそうに聞いてくる。
「佐竹ハヤトの逸話を聞く前に、ハコさんについて確認したい。」
どうぞ、とメグたん。
「正義が勝たないデスゲームを脱出したハコさんは。
正義が勝たないデスゲームを脱出前と、正義が勝たないデスゲームに戻ってきた後で、振る舞いが変わっていた。
正義が勝たないデスゲームを脱出した後に、見知った情報によって、正義が勝たないデスゲームに舞い戻ったハコさんの振る舞いは変わった。
ハコさんは、正義が勝たないデスゲームを脱出した後に、メグたんの人殺しが見逃されてきた背景を聞かされたのか?」
俺に背中を向けたままのメグたんの背中から、メグたんが俺の話に耳を傾けていることは伝わってくる。
「正義が勝たないデスゲームを脱出したハコは、どうして、ハコが私を捕まえられたのかを知ることになったわ。」
とメグたん。
「ハコさんが難なくメグたんを捕まえられたのは、ハコさんが優秀だったからでも、ハコさんの頑張りが実った成果でもない、と気づいたのか?
捕まえる気になれば、誰でもメグたんを捕まえられる状態だったが、誰もメグたんを捕まえなかった。
嫌々ながら、正義が勝たないデスゲームに参加したハコさんは、ハコさんが捕まえたメグたんと、ハコさんが同じ場所にいる理由を知ったのではないか?」
「ハコにとって、裁きを受けているはずの私が、ハコよりもイキイキとしているのは、衝撃的だったようね。」
とメグたんは、肩をすくめる。
「ハコさんは、正義が勝たないデスゲームを脱出してから、正義がどこにあるか、を考えたのではないか?
誰にとっての正義を貫いた結果、誰がどうなったのか。
ハコさん自身のしたことの帰結が、ハコさんよりもメグたんが優位に立つ正義が勝たないデスゲームに参加することだと、ハコさんは思い知らされたのではないか?」
「ハコと同じものを見ていても、ハコと同じように物事をとらえていた人はいなかった。
このことを、ハコは初めて知ったわ。」
とメグたん。
「メグたんを捕まえたことの是非について考えたハコさんは、正義が勝たないデスゲームを脱出する前と同じではいられなくなったか。」
「ハコの信念は変わらなかったわよ?」
とメグたん。
「信念が変わらなかったハコさんは、正義が勝たないデスゲームへの協力を求められて拒んだことにより、正義が勝たないデスゲームの中へ舞い戻ってきたのか?」
「そうよ。」
と返事するメグたんの声は、いつになく柔らかい。
「ハコさんが、ソロ出演を決めて、苦しみながら溺死した意味は。
支援団体の関係者と協力者を殺して、国民の安全に貢献してきたメグたんを逮捕したことに対する罰だったのか?」
ハコさんについては、画面越しの姿しか俺は知らない。
ラキちゃんの先輩で、正義が勝たないデスゲームに参加したときは、現役の刑事だったということは、ハコさんが亡くなってから知った。
ハコさんについて俺が知っている情報は、全て伝聞だ。
俺のハコさん像は、伝聞情報を繋ぎ合わせ、ハコさんがどんな人物だったかを想像しているに過ぎない。
伝聞情報が増えるにつれて、謎は解けていった。
だが。
ハコさんについて、いまだに解けていない謎が残されている。
ハコさんについての謎は、正義が勝たないデスゲームに参加している参加者に尋ねても、誰も正解を知らないだろうと、今までの俺は考えていた。
正義が勝たないデスゲームの参加者は、正義が勝たないデスゲームから一生出られない、外部とも連絡がとれない、というルールがあるから、正義が勝たないデスゲームを脱出した後のことを知っている人は参加者の中にはいない、と俺は思い込んでいた。
正義が勝たないデスゲームには、正義が勝たないデスゲームのルールが適用される参加者と、ルールが適用されない参加者が存在する。
正義が勝たないデスゲームのルールが適用されない参加者は、今、俺の目の前にいる。
タケハヤプロジェクトの参加者であるメグたんとツカサ。
今のメグたんとツカサは。
俺との会話を忌避していない。
今、聞いたなら。
答えは返ってくる。
俺は、確信していた。
俺は、ハコさんに起きていた空白の時間についての確認がしたい。
正義が勝たないデスゲームを脱出したら、俺自身で身を以て体験することになると予想はしているが、あらかじめ知ることができるなら、知っておきたい。
「ハコさんは、正義が勝たないデスゲームを脱出して、また正義が勝たないデスゲームへと舞い戻っている。」
「佐竹くんではなく、ハコの話?」
とメグたんは、おかしそうに聞いてくる。
「佐竹ハヤトの逸話を聞く前に、ハコさんについて確認したい。」
どうぞ、とメグたん。
「正義が勝たないデスゲームを脱出したハコさんは。
正義が勝たないデスゲームを脱出前と、正義が勝たないデスゲームに戻ってきた後で、振る舞いが変わっていた。
正義が勝たないデスゲームを脱出した後に、見知った情報によって、正義が勝たないデスゲームに舞い戻ったハコさんの振る舞いは変わった。
ハコさんは、正義が勝たないデスゲームを脱出した後に、メグたんの人殺しが見逃されてきた背景を聞かされたのか?」
俺に背中を向けたままのメグたんの背中から、メグたんが俺の話に耳を傾けていることは伝わってくる。
「正義が勝たないデスゲームを脱出したハコは、どうして、ハコが私を捕まえられたのかを知ることになったわ。」
とメグたん。
「ハコさんが難なくメグたんを捕まえられたのは、ハコさんが優秀だったからでも、ハコさんの頑張りが実った成果でもない、と気づいたのか?
捕まえる気になれば、誰でもメグたんを捕まえられる状態だったが、誰もメグたんを捕まえなかった。
嫌々ながら、正義が勝たないデスゲームに参加したハコさんは、ハコさんが捕まえたメグたんと、ハコさんが同じ場所にいる理由を知ったのではないか?」
「ハコにとって、裁きを受けているはずの私が、ハコよりもイキイキとしているのは、衝撃的だったようね。」
とメグたんは、肩をすくめる。
「ハコさんは、正義が勝たないデスゲームを脱出してから、正義がどこにあるか、を考えたのではないか?
誰にとっての正義を貫いた結果、誰がどうなったのか。
ハコさん自身のしたことの帰結が、ハコさんよりもメグたんが優位に立つ正義が勝たないデスゲームに参加することだと、ハコさんは思い知らされたのではないか?」
「ハコと同じものを見ていても、ハコと同じように物事をとらえていた人はいなかった。
このことを、ハコは初めて知ったわ。」
とメグたん。
「メグたんを捕まえたことの是非について考えたハコさんは、正義が勝たないデスゲームを脱出する前と同じではいられなくなったか。」
「ハコの信念は変わらなかったわよ?」
とメグたん。
「信念が変わらなかったハコさんは、正義が勝たないデスゲームへの協力を求められて拒んだことにより、正義が勝たないデスゲームの中へ舞い戻ってきたのか?」
「そうよ。」
と返事するメグたんの声は、いつになく柔らかい。
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